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[コメント] マトリックス(1999/米)

凄いのは映像だけではない。英語がわかると、脚本も意外と奥が深い。
空イグアナ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画の脚本で英語のお勉強をしましょうという本を買いました。片方のページには、脚本が英語で書かれていて、もう一方のページには和訳が載っているやつです。(勉強のためというより、英語がわかれば、映画をより楽しめると思ったからです) いやあ、これがなかなか面白い。他にも数冊買ったのですが、『マトリックス』が一番面白かったです。

英語が得意な人には釈迦に説法な情報ばかりですが、いくつか紹介しますと……。

ネオが目覚める直前のサイファーの台詞が、僕が持っているビデオでは(WOWOWを録画)、字幕が、「びびるなってことさ。目覚めの時が近いんだ。」と出る。しかし本を見てみると、「カンザスにバイバイするから、シートベルトを締めろ、ドロシィってことさ。」と載っている。ビデオを見直すと、確かにそう聞こえる。リスニングの苦手な僕でも、カンザスもドロシィも聞き取れました。

ドロシィというのは、『オズの魔法使い』のドロシィですね。『不思議の国のアリス』以外にも、こんなところに童話が隠れていたわけです。

吹き替えのDVDを見る機会がありましたが、「シートベルトを締めろってことさ。生まれ故郷にバイバイするんだ。」と言っていました。字幕も吹き替えも、正確な訳ではなかったのです。

それから、モーフィアスを助けるため、エレベーターに乗ったとき、字幕は「心を解き放て。」となっています。僕はこれがずっと正しい訳だと思っていました。だから本の英文が次のようになっているのを見たときは驚きました.

「There is no spoon.」

吹き替えではちゃんと「スプーンは無い。」と言っています。

他にも、「脚本では救世主という言葉ではなく、特別な人を指す”one”が使われている。これはネオの綴り替えになっている。」とか、「最後にネオが空を飛ぶのは、キリストが一度死んだ後、復活し、その後、昇天していったのを象徴している。」とか、注釈が書いてありますが、どこまでが映画の作り手の考え通りなのかはわかりません。

・・・と、他人の著書を長々と要約して書いてきたけど、結局、言いたかったのは次のことです。

映像ばかり見て感動していましたが、脚本も素敵だったんですねえ!

(ちょっと飾りが増えただけで、ストーリー全体には何の変化もないですが、こういう些細な飾りが物語を面白くしてくれるものだと思います)

映画では、観客にわかりやすいようにと配慮して翻訳したのだとは思いますが、僕は正しい翻訳に感動しました。

※参考文献:塚田三千代監修「名作映画完全セリフ集 スクリーンプレイ・シリーズ マトリックス」スクリーンプレイ出版

(評価:★5)

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