緑雨さんのコメント: 点数順
サンダーボルト(1974/米) | ニューシネマの時代特有の、刹那的で、享楽的で、頽廃的で、ホロ苦い空気を体現するブリッジズが素晴らしい。邪気のない笑顔、女装姿の意外な綺麗さ。さすがのイーストウッドも食われている。 [review] | [投票(4)] | |
さよなら渓谷(2013/日) | 同じ吉田修一原作で作風にも通じるものがある『悪人』とどうしても比べてしまうが、やはりシチュエーションがよいのだ。プレハブ長屋、急勾配、清流と渓谷。この静謐な場に佇んで暮らす真木よう子と大西信満のリアリティ。 [review] | [投票(4)] | |
サンダカン八番娼館 望郷(1974/日) | 勿論田中絹代は素晴らしいのだが、これは高橋洋子あっての映画と言えるのではないか。初めて田中健を招き入れるシーンにおける、純朴さと色香! [review] | [投票(4)] | |
アイガー・サンクション(1975/米) | チープで支離滅裂なスパイ映画要素と完璧に決まっている山岳映画要素とのアンバランスな混成がユニークな妙味を生んでいる。 [review] | [投票(4)] | |
恋の罪(2011/日) | 大方斐紗子の怪演!食卓のシーンのイカレっぷりには、あまりの嬉しさに思わず声を上げそうになってしまった。 [review] | [投票(4)] | |
華岡青洲の妻(1967/日) | 仲睦まじかった姑と嫁の間に突如として確執が生まれる。この鋭くも鮮やかな空気の転換の描出、そしてそれを体現する高峰と若尾が素晴らしい。 [review] | [投票(4)] | |
ゴーストライター(2011/仏=独=英) | 終始どんよりとした鉛色の色調で統一。曇天映画好き(?)には堪らん。 [review] | [投票(4)] | |
コンドル(1939/米) | 全編中9割方が空輸会社と酒場のセットでのシーンで占められているにも関わらず、見惚れるほど素晴らしい飛行シーンを効果的に織り込むことで、映画全体にダイナミズムを生んでいるという奇蹟。 [review] | [投票(4)] | |
ソーシャル・ネットワーク(2010/米) | 物凄い疾走感。中だるみ一切なし。フィンチャーってこんなに手際のよい軽業師だったっけ?理が情を駆逐する普遍的な無常感を軽快なリズムに乗せる語り口の鮮やかさ。 [review] | [投票(4)] | |
クライマーズ・ハイ(2008/日) | ”現場”感に溢れる職業映画。こういうの大好き。日航機が消息を絶った共同電の一報が入ってから、一気に局内が騒然となり深夜の出稿まで息もつかせない臨場感に目が離せなくなる。 [review] | [投票(4)] | |
十三人の刺客(2010/日) | 松方弘樹の、思わず見惚れてしまう刀さばきを見るにつけ、殺陣というのはまさしく「芸」であることを痛感する。松方に比べると伊原剛志のぎこちない居合など所詮真似事に過ぎないことが見透けてしまう。 [review] | [投票(4)] | |
鴛鴦歌合戦(1939/日) | いいなあこの屈託の無さ。市川春代、服部富子、深水藤子、娘役が皆魅力的だし、三角関係も嫌味がなくって可愛らしい。 [review] | [投票(4)] | |
ヴァイブレータ(2003/日) | 女も男も、人物設定はベタと云えばベタなのだが、ベタなりに徹底的によく考えられて造形されている点は感心する。寺島も大森もその掘り下げられたキャラクタを十分に表現できていると思う。 [review] | [投票(4)] | |
スティング(1973/米) | スケールは小ぶりだし、映画らしい映画だとはいえないが、観る者を楽しませようという配慮が隅々まで行き届いたチャーミングさがある。 [review] | [投票(4)] | |
ゴッドファーザー(1972/米) | ブランドの映画でありパチーノの映画であるのはもちろん確かだが、もしここにジェームズ・カーンやロバート・デュヴァルがいなかったら…と想像するに、それだけで映画の魅力は半減するのは間違いない。 [review] | [投票(4)] | |
チェ 28歳の革命(2008/米=仏=スペイン) | 乾いた革命。 [review] | [投票(4)] | |
おくりびと(2008/日) | まずもって、日本の地方小都市をこんなにも美しく映像化したことを称賛したい。二人が暮らす川沿いの元スナックの住居がいい。山崎努のオフィスである坂の途中の建物も雰囲気よし。何の変哲もない町並みや民家、商店街や田園風景がみな素晴らしい。 [review] | [投票(4)] | |
ダークナイト(2008/米) | アクションよりもむしろ”世界を描く”ことに注力している志向が見て取れる。そこが凡百のハリウッド大作との分界点なのだろう。 [review] | [投票(4)] | |
地獄の黙示録(1979/米) | 鑑賞後たっぷり2、3日は残存しそうなうんざりするほどの疲労感。単に長いから、というだけではない。フィルムに染み込んだ狂気に近い熱情に中てられる。映画というメディアにおけるある意味最高峰を極めていると言ってもいいとは思う。 [review] | [投票(4)] | |
ギター弾きの恋(1999/米) | 温和な陽光を浴びているかのように黄色がかったフィルムが、眺めているだけで和みを与えてくれる。どうってことない小品だけど、幸せな昔話風な感じが悪くない。 [review] | [投票(4)] |