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煽尼采さんのコメント: 投票数順

★4トイ・ストーリー3(2010/米)本来は全く関係のないオモチャたちで一つの物語を創造=想像すること。小さく卑近な生活空間を、広大な冒険の舞台として眺める眼差し。トイ・ストーリーという映画は、映像を用いたオモチャ遊びそのものだった。[XpanD 吹替] [review][投票(2)]
★2重力ピエロ(2009/日)三題噺的なアイデア先行と、言葉遊び的な観念性が、深刻な暴力を些か「ネタ」として利用している印象が強い。「春が、二階から落ちてきた」。この台詞に本作の姿勢とそのダメさが象徴的に表れている。 [review][投票(2)]
★3勝手にしやがれ(1959/仏)新聞を売る女と、新聞に載る男。映画文法からの逸脱と、「映画」への追悼のようなもの。 [review][投票(2)]
★4ガントレット(1977/米)執拗な「包囲」の主題。アクションのスペクタクル性と、社会に於ける個の闘いへの深化。 [review][投票(2)]
★3紅の豚(1992/日)あの『ルパン三世』からもアダルトさを払拭し、少女をヒロインに据えつつ敵役を「ロリコン伯爵」として、映画自体のロリコン性を軽減した宮崎駿。「大人の男」の顔を回避した、黒眼鏡で表情を隠した豚によるファンタジーとしての「男の浪漫」。 [review][投票(2)]
★4コロンブス 永遠の海(2007/ポルトガル=仏)永遠の語らい』を想起させるが、よりシンプルかつ幸福な映画。世界への出航の地・ポルトガルと、世界から移民が集まる地・アメリカという両極を結ぶことによる、時空の結合。「郷愁」によって世界へと開かれるという、回帰と離脱の同時性。 [review][投票(2)]
★2ムーラン・ルージュ(2001/豪=米)クイック&スローモーションの多用。異様に細かいカット割り。「ピュイ!」「ボンヨヨヨ〜ン」等の安直な効果音。人体アニメ的演出の幼稚。既存の名曲を、原曲への敬意も無く数珠繋ぎ。ロートレックやエリック・サティを愚弄するキャラクタリゼーション。 [review][投票(2)]
★3ターミネーター(1984/米)その、生死を超えた単調な執拗さに於いて、「力強いゾンビ」とも言うべきターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)の不気味さ。現代の光景に「未来」を巧みに現出する、観客の想像力に訴える演出。それが遂に感動さえ生み出すこと。 [review][投票(2)]
★3真夜中のカーボーイ(1969/米)ジョー(ジョン・ヴォイト)のカウボーイ姿に漂う、甘い哀愁と、何ものかの終焉。底辺の、いじましく黴臭いような生活感にも、どこか青春の甘い匂いがある。 [review][投票(2)]
★3ディア・ドクター(2009/日)カットの並べ方が見事ながらも香川照之伊武雅刀らの食み出し気味な熱演に破壊された『ゆれる』とは逆に、演出の巧さは後景に退いた反面、役者は皆(ほぼ)きれいに映画の枠に収まっていて、ホッとした。僕は役者の自我なんか見たくないですから。 [review][投票(2)]
★4ジュラシック・パーク(1993/米)テクノロジー(分子生物学)によって恐竜を復活させる物語と、テクノロジー(機械装置、CG等)によって生きた恐竜を見せるということ。「誰もが見たいものを見せる」という、映画の原初的な夢と欲望。恐竜への畏れと同居するノスタルジー。 [review][投票(2)]
★3GOEMON(2009/日)画面をPV風にファインにし尽くした結果、生身の役者を含む全てがCG臭く、嘘臭くなる。強調された光で飛びがちなキレイ撮り画面の信用ならなさ。アクションの重量感の無さは致命的。だが彼の、中二病的厭世観と美的イメージの臆面なき結合は嫌いじゃない。 [review][投票(2)]
★4ブラックレイン(1989/米)日本を舞台にアメリカ映画をやることに伴う多少の無理がほぼ全て、作品のテンションを高める方に作用している。括弧付きの「Osaka」。カメラによって切り取られ、繋ぎ合わされた、闇に光輝く空想都市としての大阪。 [review][投票(2)]
★5HANA-BI(1997/日)ミニマムな表現に漲る厳しさと、それを絶妙に崩しに来る絵画の挿入。その簡潔さゆえに際立つ細部。波の打ち寄せ方や、画面を横切る猫の動きなど、フィルムに刻まれた全てが北野を祝福しているかのようだ。哀しみに充ちたプロットと、幸福な画面。 [review][投票(2)]
★4ラ・ジュテ(1962/仏)各カットは静止画だが、所謂「写真」ではない。映画的時間に置かれた静止画が、映画のショットとしてどう機能するのかを見せてくれる。SF的設定もまた、「時間」と「映像」の関係性という主題を際立たせる。 [review][投票(2)]
★2夕陽のガンマン(1965/伊=スペイン)個々の要素は面白味があるにも関わらず、全体的には妙に退屈。似たような邦題で間違われそうな『夕陽のギャングたち』の方が遥かに好きだ。知略や情感を演出しようとした箇所が水準に達せず、乾いた即物性にとどまっているせいか。 [review][投票(2)]
★3ダーティハリー4(1983/米)シリーズ作全てを束ねても第一作にまるで及ばないが、その中でこの『4』は第一作に次ぐとは言える。時に現れる、毒々しい影絵のような画が構築する世界観もよい。(他シリーズ作にも言及→) [review][投票(2)]
★3チェイサー(2008/韓国)警察のどこか抜けた振る舞いは、韓国警察の怠慢と無能を弾劾する!という社会派な熱さよりは、暴力のグロテスクさと表裏のブラックユーモアとして活かされている印象。舞台の「狭さ」が、紙一重で出遭いまた行き違うドラマのスレスレ感を演出。 [review][投票(2)]
★4水の中のつぼみ(2007/仏)水に濡れて光る肢体。台詞のみならず、息遣いさえ捉える録音。間接性と直接性が微妙に交錯しあう性。 [review][投票(2)]
★2目撃(1997/米)イーストウッド演じる泥棒の職人的な手つきやその表情が魅力的だが、その軽妙さとサスペンスとがマッチしない。まず覗きシーンに変態さが足りない上、不必要に長く、出だしから漫然とした印象。 [review][投票(2)]