★5 | 人は救い難い状況の人たちに接することはあっても寄り添い続けることはできない。綾野のトラウマは方便としの機能しか為さぬがそれでもいいのだ。一方で姉弟の映画として一切の直載な会話を廃し尚切ないまでの想いが迸っている。空気まで演出し得ている。 (けにろん) | [投票(9)] |
★5 | 函館とはかくも人の営みを写して哀しく美しいか、、。「海炭市叙景」と同じく、そこにある風景はバラックのような廃墟であったり、ゴミ溜めのような決して見たくないものなのに、何故かくも強く心惹かれるのだろうか、、。
[review] (セント) | [投票(8)] |
★5 | スケアクロウの最後の煙草を模しての安物ライターから始まるバディムービーかと思いきや、圧倒的なマグダラのマリアが降臨して一気に全てさらって…と思いきやまたどすごいダークヒーローが現れ人間の業を思い知らされた怖かった。ともあれひとことで言うなら役者がみな素晴らしかった。それに尽きる。 (tredair) | [投票(4)] |
★5 | 一瞬だけでも、いや一瞬だからこそ、心の底から美しいとか、飯が旨いとかそういう事を感じられたら生きていけるんじゃないかな。容赦なくクソみたいな人生は続いていくんだけど。 [review] (Soul Driver) | [投票] |
★4 | 縦んば菅田将暉がおらなんだら如何ほど味気ない映画に成り果てていたかしらと、想像するだに怖ろしい。(演出意図の範疇とは云え)綾野剛のカラッポ男ぶりとは対照的に身の詰まったキャラクタリゼーションだ。近藤龍人は日本列島の光線とますます親密な関係を築き、北海道の暑気を首尾よく捉まえている。 [review] (3819695) | [投票(13)] |
★4 | この世からタバコとライター、あるいは自転車がなくなったら映画もなくなるのではないか、いや、逆に、これらがある限りは映画はあるんじゃないだろうか。という愚にもつかないことを想うぐらい、タバコとライターと自転車の映画だ。 [review] (ゑぎ) | [投票(9)] |
★4 | 高橋和也の狂気の物語でもある。指の臭い嗅がせるか普通。ああいう上役ってどこにでもいるものだが、そうか奴らも狂っているのか。 [review] (寒山拾得) | [投票(9)] |
★4 | 画面から漂うすえた臭い。古畳にたっぷりと染み込んだ血と精液のミックス臭を放つ、根源的な人間のどうしようもなさに初めは拒絶感を覚えるが、映画の中で何度も光と夜の闇とを繰り返されるうちに、どうしようもないからこそはっきりと見える、希望の輪郭が美しく、貴い。 [review] (まー) | [投票(7)] |
★4 | 周囲八方をきわめていびつに肥大した不幸に囚われた池脇千鶴にとっての救済は、総てを笑劇にし丸め込んでしまえる弟・菅田将暉による癒しなどではなく、畢竟、ただの透明で空虚な入れ物にすぎない綾野剛に丸く収納して貰うことでしか在り得なかったのだろう。綾野は受動的にしか動いていないし、この物語においてはむしろ池脇の存在そのものに救われる彼の印象が強いからこそ、なおさらのことだ。 [review] (水那岐) | [投票(7)] |
★4 | ずんぐりと弛緩した千夏(池脇)の体型から、どうしようもない生活の「重量」が垂れ流される。その重さを引き受けることで蘇生しようとする達夫(綾野)の目もまた澱み覚束ない。不完全な2人を包む光だからこそ神々しいまでに輝かなければならないという啓示。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(6)] |
★4 | 貧乏と不幸せを凝縮したかのような池脇千鶴と菅田将暉の姉弟(および一家)、それを食い物にするお大尽・高橋和也という構図はけっして新しいものではないが、函館という寂れゆく土地への土着性と厳格なリアリティをもって描き、心揺さぶる。 [review] (緑雨) | [投票(5)] |
★4 | 「大事にしてっから・・・おかしくなんだべや!」という台詞が僕にとっての全て。ギリギリの線状で爪先立ちする主役3人の描写の緻密さにキリキリと胸を締め上げられるが、この彼岸の高橋和也あってこそ(グッジョブ)。夜明けの撮影が会心だが、ラストカットは僕も蛇足だと思います。 (DSCH) | [投票(2)] |
★4 | 容姿に恵まれ甲斐性にも不足しない綾野と池脇には課題が薄く、早速つがいになってしまう件は自然の営み過ぎて喜劇のような風体である。菅田将暉が問題になるのだが、この人の陽気さも記号的なほど誇張されて人の好意を惹きすぎるために将来が明るく見える。 [review] (disjunctive) | [投票(1)] |
★4 | 汚らしくて生々しい世界観。闇があってクズ人間のような主人公たち。そういう作品が好きな自分。 [review] (deenity) | [投票(1)] |
★4 | 原作は80年代の衰退していく地方都市を舞台にした、ハードボイルド的な男性目線の小説ですが、そこに女性の視点・感性を取り入れ、時代設定も80年代から今に移すことにより新たな世界観を構築しています。 [review] (TM(H19.1加入)) | [投票] |
★4 | 星3.5だが、久しぶりの文学映画なのでおまけ。何と言っても男の体の映画だよね。女の人が見る男の体。冒頭といい、もうゾクゾクしちゃう。コメンテーター諸氏の評価に誘われてみました.たまにはよかったかも。 (ぱーこ) | [投票] |
★3 | シンデレラが王子様に選ばれたのは、不幸な境遇でも頑張っていたから神様がご褒美をくれたのではない。自分にはその価値があると思っていて、舞踏会に自分から乗り込んでいったからだ。 [review] (Shrewd Fellow) | [投票(5)] |
★3 | 本作の会話シーンは多くの場合、話者同士が「座った」ままの状態、或いは「立った」ままの状態で進行するわけで動きが無くつまらない。 [review] (赤い戦車) | [投票(2)] |
★3 | 綾野剛さんの痩せた身体、池脇千鶴さんの豊満さ、あとは弟の半端に染まった金髪。この3点こそがこの作品の三本柱だ。鑑賞の最中、ふと、荒井晴彦監督の「身も心も」を思い出した。三本柱が時折“キラッと”輝く分、柱がなかった「身も心も」より質は高い。 (リヤン) | [投票(1)] |
★3 | 函館の短い夏に合わせるかのように、糞詰まりな状況がきちんと一つの方向に収束していく。甘いと言えば甘いのだろうが、そうでもなければしんどいだけだ。 (G31) | [投票(1)] |
★3 | 大きさを比較するのにタバコを置いたりするじゃない?そういうのが足りないと思うんだ。 [review] (ペペロンチーノ) | [投票(1)] |
★3 | 人間にとって必要な事は思い遣る事、ひとを思い遣れる人間である事。生きていくのに必要なものは自分を思い遣ってくれるひと、そして少しの明るさ・前向きさ・忘れっぽさ。そこに光はきっと差す。☆3.8点。 (死ぬまでシネマ) | [投票] |
★3 | あんな不味そうな飯を、うめぇうめぇと食べるような、どうしようもない人間達。それに感動出来るかと言われれば否。パチンコする人間のイメージが悪くなっただけで得がない。66/100 (たろ) | [投票] |