寒山拾得さんのコメント: 投票数順
大自然の凱歌(1936/米) | 大自然は女に仮託され製紙王の傲慢が対照されるという『ジャイアンツ』的な主題があったはずだが何処かへ行ってしまい、結果訳の判らない邦題が残った、ということなんじゃないか。 [review] | [投票(1)] | |
最後の誘惑(1988/米) | これほど安手の美術と照明はスコセッシ作でも下の部類だろう、ベルトルッチ『リトル・ブッダ』といい勝負の観ていられないレベル。人間イエスを描くのだから『奇跡の丘』のような高貴な映像はいらないという判断でもあったのだろうか。 [review] | [投票(1)] | |
人生模様(1953/米) | フルハウスとはいかないがスリーカードには十分。小説が読み直したくなる。スタインベックが拝めるのは余得。 [review] | [投票(1)] | |
箱根山(1962/日) | 美点はやはり『愛のお荷物』『特急にっぽん』系列のヒステリックな導入部でやたら面白い。本編は落ち着いた語り口なのだが東野英治郎だけがそのままテンション高く駆け抜けてお茶でうがいするに至る。 [review] | [投票(1)] | |
光に叛く者(1931/米) | すごい結末だ。「こんな結末もあるさ」。 [review] | [投票(1)] | |
瞼の母(1962/日) | ローアングルの長回しは傑出しているが、動的な場面でのバストショット連発は力入れ過ぎで空回り気味。山場における錦之助の泣きながら開けた大口がとても印象に残る(含他作のラストのネタバレ)。 [review] | [投票(1)] | |
真人間(1938/米) | この仮釈放中の監視ドラマには、ラングらしいナチからの逃走という含意が横溢している。 [review] | [投票(1)] | |
人間の壁(1959/日) | 本作のような善悪明快な政治映画が、諸外国では撮られ続けているのに本邦で潰えてしまったのは異常事態である。香川京子も東野英治郎も素晴らしい。 [review] | [投票(1)] | |
となり町戦争(2006/日) | 本作には得難い美点、重要な指摘がある。こんなダサい映画に仕上がったのは、国民に目覚めてほしくない黒幕の差し金ではないだろうか。オーシマかマスムラで観たかった。 [review] | [投票(1)] | |
眠狂四郎炎情剣(1965/日) | 桃割れの姿美千子のカワユいこと。玉緒だの西村晃だの生臭連中の臭気を終盤、彼女の登場で吹き払うという構成なのはよく判るが不満。当然に彼女を全編でフィーチャーしなくてはならない。 [review] | [投票(1)] | |
バーニング 劇場版(2018/韓国) | この全てが曖昧なサスペンスがロブ=グリエ流のゲームだとしたら今更だし、パゾリーニ流の挑発だとしたら何を挑発しているのか判らない。要は吉行淳之介みたいな朦朧系だ。イ・チャンドンまさかの失速。 [review] | [投票(1)] | |
ざくろの色(1968/露) | 東方正教というよりも中国雑技団に近い気がする宙吊り世界。教会内の会話はラテン語なのか、これに字幕がつかないのには弱った。アート系映画だから別にいいじゃんとはならんだろう。採点保留。 [review] | [投票(1)] | |
どぶろくの辰(1962/日) | 見処は圧倒的に淡島・池内の花札勝負なのだが短すぎる。赤シャツ着て長髪の三船は登山家にしか見えず低調、クロサワ映画以外でもゴリラの物真似するのは発見だったが別に面白い訳ではない。三橋はいい造形で性暴力への敷居の低さはサンプル的価値あり。 | [投票(1)] | |
ある殺し屋(1967/日) | 野川由美子のお下劣なビッチ・キャラ造形を愉しむ映画。脚本家は絶対、個人的な女への憾みを叩きつけているに違いない。 [review] | [投票(1)] | |
鈴木家の嘘(2018/日) | 木竜麻生がどんどんどんどん魅力のない娘に見えてくるだけの映画。これでは俳優が可哀想。 [review] | [投票(1)] | |
裸の大将(1958/日) | 癖になる話法の発明という喜劇のひとつの理想を見事達成。「人は普通に死んだら仏様になって、戦争で死んだら神様になるんだな」。 [review] | [投票(1)] | |
思えば遠くへ来たもんだ(1980/日) | 脂っこい映画を予想させる面子なのに軽快に纏められているのが好ましく、最良の箇所は「男はつらいよ」を彷彿とさせる。体罰ネタは残念で減点。 [review] | [投票(1)] | |
けものがれ、俺らの猿と(2001/日) | 思うに町田康の魅力は行間漂う世界への独特の諦念であるのに、本作はそこすっ飛ばしてギャグだけ丸写しにしている。結果はクスリとも笑えぬ地獄の二時間。 | [投票(1)] | |
ある関係(1962/日) | 出来過ぎの脚本はしばしばあざとい印象を残すが、本作が爽快なのは人物たちの造形もこれに見合って全部見事にあざといからだろう。アクセル踏んだまま崖下直行の快感。 [review] | [投票(1)] | |
座頭市喧嘩旅(1963/日) | トンボが穂に止まる。藤村は子供のように笑う。市に目を移して頬についた米粒を見て同じように笑う。頬に手を伸ばす。市は手を握り動くなと云う。凍りつくふたりの顔。トンボが穂を離れる。 [review] | [投票(1)] |