寒山拾得さんのコメント: 点数順
タクシー運転手 約束は海を越えて(2017/韓国) | 笑って泣いてのソン・ガンホ劇場で『トラック野郎』タクシー版の趣。覗き見た事件は断片ゆえの生々しさがあり記憶に残る。政治を語る娯楽映画としてひとつの理想的な出来。 [review] | [投票(4)] | |
羅生門(1950/日) | 静的なお白州と動的な森の中の対比でたっぷり一本撮った感が好ましい。ただ比べて羅生門は意外と地味。二階も覗かせてほしかった。 [review] | [投票(4)] | |
クレイマー、クレイマー(1979/米) | これは有名な話なのだろうか。ふたりに引き裂かれるビリー君の哀しみを、「悪役」メリル・ストリープは後に自分で引き受けるのだった。『ソフィーの選択』で。 [review] | [投票(4)] | |
ヨコハマメリー(2005/日) | 『天国と地獄』でロケされた根岸屋の詳述が嬉しかった。京都出身の監督は誰かジュリーのドキュメンタリーを撮ってくれないだろうか。 [review] | [投票(4)] | |
大地の子守歌(1976/日) | 原田美枝子は不幸になるほど美しくなる(含『西鶴一代女』のネタバレ)。 [review] | [投票(4)] | |
男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973/日) | 牧場、とらや、キャバレーの三層構造と横断する寅 [review] | [投票(4)] | |
男はつらいよ 寅次郎の告白(1991/日) | 義足のエノケンの舞台を観るのも、同じような緊張感があったに違いない。 [review] | [投票(4)] | |
男はつらいよ 私の寅さん(1973/日) | あいつはいつも除け者にされているから性格が兇暴です。 [review] | [投票(4)] | |
無防備都市(1945/伊) | 劇映画である屋内と即物的な屋外。始祖鳥としての元祖ネオリアリスモ。 [review] | [投票(4)] | |
ミクロの決死圏(1966/米) | 原題も含めて子供向けなのだろう。優れた薀蓄とホノボノした美術で初期SFの愉しさが満喫できる佳作。 [review] | [投票(4)] | |
オデッセイ(2015/米) | 日本にとっての近未来SFではないか。ニクソンの中国電撃訪問が想起された。 [review] | [投票(4)] | |
野火(2015/日) | 酸鼻極める戦場の描写は現代らしく接写を軸とした見事なものだが、「私を食べて」の主題は生煮えで余計ではないか。戦場を肯定さえするような文学的毒と監督の実直な反戦発言の差異に戸惑わされる。 [review] | [投票(4)] | |
私の男(2013/日) | 大島渚や田中登を継承する、淫蕩による画一化の批判。標的は災害=絆という公式か。 [review] | [投票(4)] | |
愛の渦(2014/日) | 六本木のフォニーな夜を愉しめた人愉しめなかった人。撮影も音楽もVシネマ程度だがホンはすこぶる面白い。 [review] | [投票(4)] | |
女は二度生まれる(1961/日) | 「男は一度しか生まれない」という揶揄でもある。 [review] | [投票(4)] | |
はりぼて(2020/日) | フロイトは「不気味なもの」とは「親しいもの」だと説いた。もしそうなら、この映画で入れ替わり立ち代わり登場する奇怪な連中は、君や僕が抑圧した亡霊たちなのだろう。市長が最高に不気味で小沢栄レベル。 [review] | [投票(3)] | |
100,000年後の安全(2009/デンマーク=スウェーデン=フィンランド=伊) | 原発推進の立場から最終処分場建設のイデーが示される。彼等が示す科学者の良心は、その背景にどす黒い強迫観念があるような気がしてくるのが絶妙だった。監督のマッチ擦る気障はやめた方が良かったと思う。 [review] | [投票(3)] | |
黒い牡牛(1956/米) | 動物の所有権とは何だ、という批評が本作の主題だろう。『メキシコ万歳』でも賛美されたメキシコ闘牛。トランポは闘牛など嫌いだろう。物語はギリギリの処を進む。 [review] | [投票(3)] | |
解散式(1967/日) | まるで森崎東みたいな深作。全盛期に達する前にこの左翼的要素も切り捨てているのが判る。 [review] | [投票(3)] | |
らせん階段(1946/米) | とてもいいシーンが幾つもある。まずは冒頭の1906年の映画上映会。ドロシー・マクガイアが画面観て半泣きでいるカットが美しいんだ。映画を観ることを全肯定していて嬉しくなる。このスチールほしいなあ。 [review] | [投票(3)] |