動物園のクマさんのコメント: 更新順
見知らぬ乗客(1951/米) | 聖フランシスコのすごい絵を描くお母さん。首を差し出す貴婦人。不倫承知の上院議員の娘。みんな強い強い。それに比べると、男たちの貧弱なこと。列車の到着場面は、映画の原始的な楽しさ。 | [投票] | |
疑惑の影(1943/米) | ジョゼフ・コットンをすばらしい俳優だ、と思えた唯一の作品。指輪や新聞などに気持ち良く乗せられ、二階の踊り場から見下ろす彼と玄関に立ちすくむテレサ・ライトなど画面構成にうっと詰まらせられる、すごい。 | [投票] | |
8人の女たち(2002/仏) | これは、なんと言ったらいいか、、、。おぞましいものを観賞した不思議な快感。窓枠、色使い、衣装、はもちろん、あの女優たちのあの歌、あの踊り!ドゥミの品の良さには程遠いが、迫力では勝ち。 | [投票(1)] | |
ミルドレッド・ピアース(1945/米) | 鏡に映るジョーン・クロフォードとザカリー・スコット、回想シーンへの切り替え、窓や影の使い方、二人で去る時代がかったラスト。役者たちの熱演も含め、上手い、というより、なんだかホッとする。 | [投票(1)] | |
赤い河(1948/米) | 驚愕の旅立ちの場面。大量の牛が、荒野を、町を、流れる、まさに赤い河。北に全てを奪われて、やり切ることに取り憑かれた主人公の狂気と、だからこそのラスト。ぐいぐい持っていかれる。嫌いだけど、この映画のモンティはいい。 | [投票] | |
嵐が丘(1939/米) | オリヴィエ 、オベロン、ロブソン、フィッツジェラルドの強烈な熱演とトーランドの造形豊かな撮影が、異様な緊張感を醸す。この力技こそ、ワイラーなんだろう。確かに堂々たるもの。 | [投票] | |
スリー・ビルボード(2017/米=英) | 善悪とか愛憎とか二項対立で理解したがる人間こそ、二項対立で成り立っているわけではない、という皮肉な逆説が主題なのだろうが、なんたって暴力警官の母親の堂々たる居ずまいにやられた。 | [投票(1)] | |
暗黒街の弾痕(1937/米) | カエル、照準器、霧、車の窓と目、牢獄の格子、、、、目に焼きつく映像の記憶がたっぷり。造形作家たるフリッツ・ラングの才。ヘンリー・フォンダの悪人顔がそのまま生きている。 | [投票] | |
ニノチカ(1939/米) | ルビッチ・タッチは、この映画でも極上のリズムとハーモニーを奏でている。「写真を欲しいと言わないで。引き出しにしまわれるのは嫌だから」とハスキーに囁くガルボは、モスクワの行進でも美しい。 | [投票(2)] | |
幽霊と未亡人(1947/米) | 打ち寄せる白波、馬車や自動車、ガス灯やろうそく、マンキーウィッツの一癖ある見事な手腕。ジーン・ティアニーの芯ある美しさ、レックス・ハリソンのもったいぶった笑顔、ジョージ・サンダースのいかがわしさ、若きナタリー・ウッド。傑作ですね。 | [投票(2)] | |
15時17分、パリ行き(2018/米) | 確かに達者だし、サクサクっと撮った段取りのいい名人芸だし、間違いなくイーストウッドの映画。なのに、中途半端感が半端ないし、終幕の表彰譚に鼻白む。ドキュメンタリーこそ意図的に演出されたドラマ、演出されたドラマこそ意図しない何かが映っているドキュメンタリー、 [review] | [投票(1)] | |
群衆(1928/米) | 映画を作るのが楽しくてしょうがない、という迫力に押しまくられる。主題はどうあれ、マンハッタンを俯瞰しビルを見上げるように舐める、大人数が蠢き集まり行き交う、ナイアガラの美しきシーン、主人公の手の震え、ラストの一気の引きの生き生きとしたこと! | [投票(1)] | |
新婚道中記(1937/米) | すっかり忘れてていた映画ですが、再見して爆笑の連続でした。ケイリー・グラントのいかがわしい軽妙さ、どう見ても魅力的に?マークのアイリーン・ダンの歯切れの良い演技。鉢合わせ場面の喧嘩の音と犬! | [投票] | |
三人の妻への手紙(1949/米) | 冒頭近く、遊覧船の出発、三人の後ろ姿、公衆電話、のシーンの素晴らしさ。そこから始まる息もつけない演出に震える。脚本家としてではなく監督マンキーウィッツ好きなのである。 [review] | [投票(1)] | |
孔雀夫人(1936/米) | ワイラーは好きではないが、1本と言われれば、これ。主人公を端におきひらひら飛ぶ燃える手紙を主役に置く、画面をいっぱいに使い縦の距離感で二人に芝居させる、など、今ではあまりお目にかかれない演出、にホッとする。マテのおかげも大きい。 [review] | [投票(1)] | |
深夜の告白(1944/米) | 紙巻きタバコを吸う主人公二人と、葉巻を吸う被害者と探偵役は、主人公のかっこいいマッチの擦り方を通じて繋がっていく。ドアや窓、夜道、光のまだらな強弱など、こういう小技はやっぱり観ていて小気味いい。 [review] | [投票(1)] | |
ロード・トゥ・パーディション(2002/米) | この手の父子もの、家族ものに弱いのだ。冒頭の兄弟の雪投げだけでもやられた。のに、、、、鈍色の画面、トム・ハンクスの名優らしい名演、ジュード・ロウの顔、場違いなポール・ニューマン、緊張感を欠く演出に台無しにされた。 | [投票(2)] | |
お父さんと伊藤さん(2016/日) | ご本人たちのことはもちろん知らないんだけれど、主演の三人である上野樹里、リリー・フランキー 、藤竜也がなんかそのまんま、のようで嘘くさく、それだけに物悲しい。装置も舞台も貧しく物悲しい。古民家での喝だけ浮いている。 | [投票(1)] | |
J・エドガー(2011/米) | テンポよく時間を行ったり来たりする演出はお見事で、長尺を飽きさせない。繋ぎのセンスの良さはこの人の映画らしいし、彼の国の自由と自立に対する興味もこの人らしいが、映像としての驚きはほとんどない。 | [投票] | |
ダンケルク(2017/英=米=仏) | 戦闘機の操縦席、漁船、駆逐艦、ダンケルク海岸、フランス、ヨーロッパ大陸と広さの違いはあれど、閉じられた空間から何とか逃げ出すという所作のみを延々と見せられる稀有な体験だった。 | [投票(2)] |