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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3男はつらいよ 噂の寅次郎(1978/日)全体に散漫で残念だが、上京者の離婚を摘みどころのない虚しさとして描く幾つかの断片は素晴らしく、大原麗子は最良の演技をみせてくれる。作品に恵まれなかったが、いい女優さんだった。彼女の実家は和菓子屋。[投票(1)]
★4晩菊(1954/日)稲妻』『晩菊』『流れる』。女の群像を描いた成瀬=田中の傑作群。 [review][投票(1)]
★2オルフェ(1950/仏)30年代ならともかく50年にこの内容は酷い。類型的な象徴に子供騙しの撮影。コクトーなど所詮この程度。[投票(1)]
★5日本の悲劇(1953/日)元祖松竹ヌーヴェルヴァーグ。ざらついた撮影、ワンシーン・ワンカットの連発、唐突な回想、音声のカットなど、実に斬新。 [review][投票(1)]
★3白い巨塔(1966/日)「どんな手段を講じてでも、僕は教授になってみせる」。ジャーン、ドドドドドドドーン。「そ、そんな馬鹿な!」の繰り返しが2時間半。告発として優れているが、サスペンス仕立てのマンガ以上のものではない。ボースン石山健二郎の快演が嬉しい。ともあれ合掌。[投票(1)]
★5武器なき斗い(1960/日)下元勉の山宣造形が飄々として好ましく、知性の先に活動(極道!)のあったことが丁寧に捉えられている。まるで運命を愉しんでいるかのよう、羨ましい人生。 [review][投票(1)]
★4居酒屋(1956/仏=伊)成瀬の企画を黒澤が撮ったような作品。丹精な美術がとても贅沢。 [review][投票(1)]
★5Wの悲劇(1984/日)ラストのワンカット、静香を捉えたフルショットに、東映の技術の粋が詰め込まれている。ここを観せるための108分。映画ってテレビドラマと違うんだと初めて知った作品。[投票(1)]
★4若草の萌えるころ(1968/仏)混乱の時代を小娘の視点で眺めるスタンスは藤田敏八等との同時代性を感じる。だから中国語やスペイン難民、娘の父が主役とも解せる。「ジタ伯母さん」という原題を尊重すべき。娘は伯母の魂とともに彷徨するのだろう。[投票(1)]
★4あにいもうと(1953/日)浦辺粂子が再登場する『稲妻』の批評作。もうひとりの主役は途中から姿が見えなくなる山本礼三郎。 [review][投票(1)]
★4信子(1940/日)繰り返される横移動や高峰三枝子の階段を行ったり来たりが、いつもながら不思議な清水節。話は大衆小説物、深みに欠けるが快活でいい。この高峰が『女の園』の鬼舎監に変貌するのだとすれば、年は取りたくないものである。[投票(1)]
★5彼女について私が知っている二、三の事柄(1966/仏)鬼面人を嚇す体裁、その実ベタなほど赤裸々な孤立と孤独の表白。 [review][投票(1)]
★5ドゥ・ザ・ライト・シング(1989/米)ユーモアまでも相対化する怜悧な写実に圧倒される。誠に優れた芸術は全て疑問の提示、矛盾をさらけ出す姿勢に共感する。 [review][投票(1)]
★5萌の朱雀(1997/日)村人のポートレートなど劇の進行と無関係に差しこむのは、本作がドキュメンタリーだと考えれば腑に落ちる。この人たちも、いずれここからいなくなるのだ。 [review][投票(1)]
★4ナポレオン(1927/仏)映像は最先端、思想は最末端。よくあることだが。 [review][投票(1)]
★4パンダ・コパンダ(1972/日)ミミちゃんの軽躁が闖入者の同意を得て殆どロマンチックに炸裂する。短い尺だからこその疾走感で、条件を活用して巧み。女の子ならあの目玉焼きや洗濯の件に憧れるに違いない。窓の使い方がとてもシュール。 [review][投票(1)]
★4キャタピラー(2010/日)銃後版『赤い天使』として観た。大西信満の手足は芦田伸介の軍医の、例の傘立てみたいなバケツに突っ込まれたのだろう。寺島しのぶのリアリズムは若尾文子の観念的な造形を丁寧に補足している。 [review][投票(1)]
★3イントレランス(1916/米)リリアンが横顔ばっかりで詰まらん。 [review][投票(1)]
★3雪夫人絵図(1950/日)お遊さま』同様、もうひとつ上手くいっていない谷崎好みの倒錯もの。久我美子の入浴シーンはお宝映像だが、これって木暮実千代が演るべきことではなかったのか。ラストの湖畔の撮影はとても優れている。 [review][投票(1)]
★5歌麿をめぐる五人の女(1946/日)ミゾグチ随一の軽妙な喜劇。官僚の狩野派を小馬鹿にして始まるところに、46年が刻印されてある。撮影が悪いというコメントが多いが、私の観た版は冒頭以外鮮明。 [review][投票(1)]