★3 | 憂鬱な楽園(1996/台湾) | 生理的に快感でしかありえない移動するキャメラの視点は、特徴的に、「繋ぐ」為にだけある。シーンとシーンが繋がる(切れる)瞬間が見ているその時でさえ記憶に残らないのは、タイミングが演出の計算の内に入っていないから(だろう)。ガタピシ、ちぐはぐ、その通り。でもこれはこれでも映画に見えてしまう。 | [投票] |
★3 | モロッコ(1930/米) | 軍楽隊の太鼓のマーチが遠くから聴こえて来て、そしてまた遠くへと消え去っていく映画。トーキー初期ってことで、音響効果に過分に意識的だったのかも知れない。風が吹かないな、と漠然と思っていたら、ラストシーンでこそ「パタパタヒュルル」と吹きすさんだ。 | [投票] |
★3 | 太平洋作戦(1951/米) | 「君が泣き虫でなくてよかった」と夫に言わせつつ、妻の隠した涙を幼い息子の言葉に託す。隠すことで示すモラル。物語には劇的な起伏もないが、この時代は観客に普通に軍隊経験があるので、軍隊生活を描くだけでも素朴な共感を得られたのかも。記録映像込みの空戦シーンは細かくカットを割らざるを得ず、いまいちつながってない。 | [投票] |
★3 | てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜(2010/日) | たぶん素直に綴れば苦労話のメロドラマになりがちなところを、一見浮いたような沖縄言葉の平坦なイントネーションや何かと言えば殴りつけるお決まりの身振り、あるいはシーンつなぎの意匠等でもってしめらさないで最後までもっていく。家族の支えの言葉に接して主人公は走りだしたり飛び込んだり、体で反応するのも何故か泣ける。 | [投票] |
★3 | パーマネント野ばら(2010/日) | 回想や夢想のシーン、映画内に於けるその本来的不安定さは、映画の中の「現実」のあやうさをこそ示している。小津やゴダールをつい想起してしまうような画面の連鎖が、それでいてよくも悪しくも人間の物語にしっかり着地する。〔3.5〕 [review] | [投票] |
★3 | ミリキタニの猫(2006/米) | 911を象徴的事象として介してはいるが、しかしそこは「映画=物語」の始点ではない。言わばそれは、偶然なのであり、その偶然が映画の中で必然となっていくという「映画=物語」の本質的構造をこの映画が有していることは、それだけでこの映画が映画として祝福されていることを示している。そしてそれは、ミリキタニ老人もまた。 | [投票] |
★3 | ラスト・ブラッド(2009/香港=仏=日=アルゼンチン) | 愛すべき女優が愛すべきキャラクター(漆黒のセーラー服に日本刀に三つ編!)を演じているだけで映画を愛することが出来てしまう。またそれだけで物語がたった一瞬のカットのニュアンスで了解出来てしまう。めっさ惚れるわ、チョン・ジヒョン! | [投票] |
★3 | 猿の惑星 創世記(ジェネシス)(2011/米) | たとえたかが猿の反乱であっても、そこに「革命」のイメージを見て取って涙してしまうのは、その中心にいるシーザーの聡明な瞳、その微妙な揺れ動き、静止と運動にこそ魅せられてしまったから。あるいはまた、シーザーの号令のもと一気に四方へと散っていく猿達の俯瞰ショットにも、瞬間的な「革命」のイメージは炸裂している。 | [投票] |
★3 | ジャンヌ 薔薇の十字架(1994/仏) | 「イエス様!」 [review] | [投票] |
★3 | ジャンヌ 愛と自由の天使(1994/仏) | ジャンヌ萌え。 [review] | [投票] |
★3 | 不灯港(2008/日) | ズレたオカシサが可笑しさになるというユーモアはセンスだとは思うけど、それが100分近く、一篇の映画の間持続、あるいは累乗したかというと、しなかったようにしか感じられない。巧いけど、強くない。 [review] | [投票] |
★3 | 単騎、千里を走る。(2005/香港=中国=日) | 孤独に孤立した孤高の美学。 [review] | [投票] |
★3 | ラ・ジュテ(1962/仏) | 動画と静止画。映画の生と死。 [review] | [投票] |
★3 | ぼくら、20世紀の子供たち(1994/仏=露) | 演出によって炙り出されるリアル。最後に発せられるストリート・チルドレンへの問い掛けは、深遠な謎掛けのようで印象的だが、そこに監督の人生とロシア精神を垣間見たような感じもした。〔3.5〕 | [投票] |
★3 | 嗚呼!!花の応援団(1996/日) | 旧キャストも総出演で、かつての破天荒なシリーズの同窓会的映画。で、正直かつてのシリーズよりも優等生で、如何にも現代っ子っぽい卒のないまとまり方をしていたりするところが本作のご愛嬌…。 | [投票] |
★3 | 遠い明日(1979/日) | 画面の奥と手前という構図、その空間。奥には常に北九州の風景が控え、手前では人間達が蠢き回る。そういう空間の演出だけでも、昨今の映画には全然ないことだと思う。三浦友和独特の「つかず離れず」の若者像。それ取り巻く群像達もまた、個性的で魅力的。 | [投票] |
★3 | かぶりつき人生(1968/日) | モノクロのシネスコ、そして画面の手前と奥、その広がり。その広がりの間にドラマは生起する。そして時にじっとりと張りつくような接近した画面。自分は、その自在さに「空間」を感じて、この映画はまぎれもなく「映画」だと感じさせられる。(べつに大したことじゃないんだろうけど。) | [投票] |
★3 | 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲(1977/露) | 光の映画。窓枠を通じて床に映じる光。暗きに灯されるランプの光。一瞬あたりを明るく照らしてはまた暗きに沈む花火の光。チェーホフは知らないが、人間の在り来たりと言えば在り来たりな卑小な苦悩がロシアの大地の風光の中に溶ける。それは決して「癒し」ではないだろうけれど、やさしいことはやさしい。 | [投票] |
★3 | 老人と海(1999/日=カナダ=露) | 映画の、物語の限界を超えてアニメーション故の具象の可塑性を存分に発揮出来そうな技法でありながら、しかしその実際は、映画に、物語に従属する表現をしか展開出来ていない。 [review] | [投票] |
★3 | GSワンダーランド(2008/日) | 個人的には栗山千明萌え…だけで十分観賞に堪えるのだが(個人的にはケバい女装もカワイい男装もどっちもOK!)、それでなくともテンポよく進む展開で程よく楽しめる。この監督さんには、それなりの才はある(と、思う)。 | [投票] |