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★4 | 中国女(1967/仏) | ある種の革命の萌芽がお遊び的な男女の嬉し恥ずかしイズムの中で生成される点を露呈させて傑作。カリーナと哲学者との青い即興から5年、大学教授とビアゼムスキーの掛け合いは、少なくとも内実を伴うものに感じられた。撮影はポップアート美の極致。 | セント | [投票(1)] |
★5 | 山河ノスタルジア(2015/中国=日=仏) | バブルがもたらした軽薄と浅慮もまた過去に流れ死別や生き別れさえも瞬時の追憶と化するだろう。凄まじくシニカルだが堪らなくノスタルジック。親子の絆のようなものが描かれても現実にそれは断ち切られたまま。あの頃の音楽だけが脳裏でリフレインし続ける。 | セント, 水那岐 | [投票(2)] |
★4 | ヒメアノ〜ル(2016/日) | 前代未聞の構成の良し悪しはともかく激辛と大甘挿話の各々が他方の従属物でなく飽くまで魅力的な輝きで屹立しいる点が驚き。濱田・佐津川ペアの恋愛初期の嬉し恥ずかし感が良い。そしてパンティ染みまでの殺戮描写の拘り。只トラウマ要因が又かの感。 | セント | [投票(1)] |
★5 | シベールの日曜日(1962/仏) | 少年大人顔のクリューガーと大人少女顔ゴッジの2人が超絶に後向きな物語の片隅感を弥増させる。その背徳すれすれの世界にドカエカメラがワンショット毎に宝石を磨き上げるが如く精緻な技巧を弄して詩情と死臭を加味していく。一瞬の弛緩も無い。 | セント, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011/米) | エリックの個の戦いとしての対ナチ復習譚である前段のエネルギーは集団戦へと取り込まれて消失してゆく。それが一応収束したあとの抗人類思想の萌芽が如何にも性急で予定調和的。大風呂敷を広げた史実的クロニクルは『SW』的前史譚へと矮小化された。 | はしぼそがらす, YO--CHAN, 隼, ロープブレーク | [投票(4)] |
★4 | ひな鳥の冒険(2016/米) | 子供の頃毎日が新しいステージへの挑戦で、おっかなびっくりでもクリアしていけたその成功体験の幸福。初めて海中から水中眼鏡越しに見た水面の煌きの感動を50年ぶりに想いだした。ただ露払い役の細緻なCGは『ドリー』の評価を1ランク下げてしまった。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | ブルックリン(2015/アイルランド=英=カナダ) | 棄てた故国が十全な幸せを放逐して尚彼女の心を捉えるには描き方が足りぬとも思うが女心と何とかなのだと納得する。所詮男は女が本当は何考えてるかなんて解らん。一時の気の迷いも何十年か経ち淡い想い出と化するだろう。そういう醒めた幸福感に充ちている。 | 緑雨, 水那岐, jollyjoker | [投票(3)] |
★3 | ファインディング・ドリー(2016/米) | ドリーの故郷の設定は物語の必然というより後付けだ。人工的箱庭世界の方がアクションのプロットを立て易いからだろうが正直退屈。前作のワンダーは消失した。生き別れの子を暗い近海水域で待つ親の想いにもストリームは単線直撃しない。夾雑物多すぎだから。 | DSCH | [投票(1)] |
★4 | 殿、利息でござる!(2016/日) | 根からの悪が存在しない世界だが、それでも人は放逐され死にいく。そういう非情を十分に肝に溜めつつ尚、善意や心意気とかの前向きファクターを謳歌しようとの決意が表明されてる。全員がハイトーンで台詞を朗じる。その共同体のシンパシーは喜びに充ちてる。 | 3819695 | [投票(1)] |
★4 | ウェディング・バンケット(1993/米=台湾) | ゲイカップルに女1人という組み合わせに所詮は完成されぬ居たたまれなさがある以上虚無感は拭えないのだが、両親の大陸的な良い意味での処世観が骨太でありドラマを高めている。コンテンポラリーであることが気恥ずかしくなく地に足着いてる感じなのも良い。 | セント | [投票(1)] |
★4 | エクス・マキナ(2015/英) | 殊更な意外性は無いが1点突破のアイデアを視覚的に磨き上げた工芸品のような強度がある。極めてオーソドックスで古典の風味を携えつつ十二分に扇情的というマーケッティングされた如何わしさもサーリング『ミステリーゾーン』が匂う孤絶感に粉飾された。 | セント | [投票(1)] |
★2 | 地球に落ちてきた男(1976/英=米) | 形而上的に奥深いが故なのか、単に舌足らずな演出による自壊なのか…正直わからないのだが、状況を描くにはメリハリ無くてダラダラしんどく、主人公を描くには半端なエロティシズムが気色悪くもある。強固なポリシーの欠如により撮影さえ弛緩して見える。 | 寒山拾得, kawa | [投票(2)] |
★4 | 私の男(2013/日) | 「私の男」ならぬ「俺の女」的男視線に変換されたと思しき構成はヘタ打てば「飼育」ものと同質化する構造を孕む為どうにも腑に落ちない。が、2度の事件を筆頭に描写が突き放した怜悧を維持し米犯罪小説のような即物感が漲る。度し難い瑕疵はふみのブラ。 | 緑雨, セント | [投票(2)] |
★4 | 東京マリーゴールド(2001/日) | 市川準の東京3部作の中では一番好み。終盤のどんでん返しは全く予想外で、それだけにあの男泣きは沁みた。刹那な恋愛ゲームと了解している男と女の甘え合いと見えたその心根の最奥にあるそれぞれの矜持が垣間見えたから。限りなくハードボイルドなのだ。 | ぽんしゅう, 水那岐 | [投票(2)] |
★3 | ふきげんな過去(2015/日) | 全篇狙ってる感が横溢し、だから?と心中呪詛を念じつつ見たが、こうまで徹底すると絶対映画に近づいたかもと思ったり。キョンキョン・ふみ共にダルさを精一杯表現するがどっか無理感がある中、脇を固める女たち4人が地に足ついた存在感でフォロー。 | ぱーこ | [投票(1)] |
★4 | ジャイアンツ(1956/米) | 守旧派の姉や成り上がりの使用人が時代の変転を形成するが、彼女は流れに身を任せ穏健なリベラリズムを貫く。この長大な年代記をテーラーは完全に背負う。差別感情が引き起こすバーガー屋での喧嘩にジュークボックスのテキサス賛歌。機智に富む名シーン。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | ハリーとトント(1974/米) | ペット片手に放逐されたハリーは貯えも身寄りもあって嘗ての『ウンベルトD』の爺さんのような悲愴はなく自立の矜持満々。アメリカに国力が溢れてた時代の幻影。ただ、寄席芸人としてカーニーの地力がハリーとシンクロするリアリティが真実味を付与した。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★3 | 64-ロクヨン-後編(2016/日) | 「刑事はそんなことも解んねえのか」との浩市の嗚咽は友和他の頭上を上滑る。映画はそこに収斂するようには仕組まれてない。『砂の器』的な情への浸り方が出来ぬのならいっそ言わせぬ方がいい。機構側の男達の多くの屈託もその構成の断層に埋没した。 | ぽんしゅう, jollyjoker | [投票(2)] |
★4 | 突破口!(1973/米) | 簡潔にしてクール&ドライなのに70年代のアバウトさも兼ね備え味わい深い。背景を語るカットバックなぞ野暮の骨頂とばかりキャラの書き込みで十全に補うのが粋だ。特に傍系の女3人の起ち方は惚れちまう。JDベイカーはマドセン@タラの源流。 | 週一本 | [投票(1)] |
★3 | バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!(2012/米) | 売れ残ることのヒガミや焦りがクローズアップされることもなければ、ドレスをめぐるスッタモンダの女版バチェラーパーティーが弾ける術もない。表層で漂う女子たちに未来はあるか?徒労感だけが残る映画だがキキが可愛いけりゃあ、わしゃ満足でごわす。 | きわ | [投票(1)] |