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水那岐さんのコメント: 投票数順

★5どですかでん(1970/日)アニメーション、あるいはSFのような黒澤との違和感。 [review][投票(8)]
★5天気の子(2019/日)痛快エゴイズム恋愛巨編。好きな娘と一緒にいられるなら、世界が滅亡しようが本人は痛くも痒くもない。これは青春の真実だ。ここまで大人の良識をあっさり捨て去った映画を単純に絶賛できることを、俺は爺さんとして誇りに思う。 [review][投票(7)]
★5セッション(2014/米)まさしく師弟が憎悪をむき出しに潰しあう、梶原一騎イズムの継承。これを狂気のぶつけ合いと片づけるのは全くもってつまらない。五感を駆使しての暴力の応酬が、なぜかカタルシスを生む結果に昇華されるラストは、スポ根のあやふやな効果をはるかに凌駕する稀有な体験。 [review][投票(7)]
★4そこのみにて光輝く(2013/日)周囲八方をきわめていびつに肥大した不幸に囚われた池脇千鶴にとっての救済は、総てを笑劇にし丸め込んでしまえる弟・菅田将暉による癒しなどではなく、畢竟、ただの透明で空虚な入れ物にすぎない綾野剛に丸く収納して貰うことでしか在り得なかったのだろう。綾野は受動的にしか動いていないし、この物語においてはむしろ池脇の存在そのものに救われる彼の印象が強いからこそ、なおさらのことだ。 [review][投票(7)]
★4十三人の刺客(2010/日)正直、三池崇史は才人ではあっても、自分とは感性の食い違いが極端な監督であるのだが、この作品が傑作と呼ばれることに異論はない。正義を口にする主人公側もまた、悪逆非道の敵と同じく殺戮のカタルシスに踊らされている観はあるが、それこそが三池の彼らしい映画ダイナミズムにつながるものなら、否定し去る手はあるまい。 [review][投票(7)]
★4Dr.パルナサスの鏡(2009/英=カナダ)テリー・ギリアムも老いたかと感じさせられるのは否めないが、どっこい確実に奮闘を続けている。ビターテイストのエンディングには昔ながらのギリアム流の毒気が健在なのだ。これはトニーの物語ではなく、あくまでパルナサス博士の魂の遍歴の物語だとよく判る。悪魔のトム・ウェイツは好演。 [review][投票(7)]
★2ヤッターマン(2008/日)助兵衛ネタのオンパレードは、親爺監督の「こうでもしなくちゃアホらしゅうてやっとられんわ」的微笑ましい自己満足として許そう。問題は完全に弛緩しきった演出と、いい素材をぶち壊しにするギャグ映画監督としての三池崇史の才能の無さだ。お蔭で笑いは全てカラ廻り、泣かせと2人&3人の呆然と立ち尽くす姿のみが脳裏に焼きついた。三池の力が生きたのは浪花節部分だけだ。 [review][投票(7)]
★5カムイ外伝(2009/日)山崎努の力と諦念を持ち合わせたナレーション、そして岩代太郎の品格ある音楽。カムイが恨みを燃え立たせ、そしてそれを爆発させるに至る展開はベタでも、これはかつて日本にもあった「虐げられた者の時代劇」の見事な復活であり、これを支持せずしてコミック映画化にもはや明日はない。 [review][投票(7)]
★320世紀少年 第1章(2008/日)ここにも、七十年代に至る子供たちの、高揚する心の残滓が散見される。しかし豪華な出演陣にばかり目をやって、コミックの中ならではのリアリティを持つ設定が、戯画化されたままで投げ出されてはいないか。映画的な漫画だからと咀嚼を怠るのは感心できないだろう。飽きさせないパワーには敬意を表するけれども。 [review][投票(7)]
★4転々(2007/日)ストレートな泣かせ映画が跋扈する日本映画界に、センチメンタリズムを意識的に抑制し、家庭なるものへの照れとも取れるような茶目っ気で、立派に家族を浮き彫りにした作品を敢えて提示した三木聡の手腕に唸る。彼の周到とも言える蛮勇は自分を大いに嬉しがらせた。 [review][投票(7)]
★4天然コケッコー(2007/日)些細なこころの隔絶・行き違い。山下敦弘お得意のテーマは、少女漫画という素材と大きくシンクロし、撮り易かったかもしれない。少女の驚いたような表情は、あたかも天から祝福を受けたような愛らしい贈り物。それは陽にまばゆく照り返し、心をほの暖かくしてくれる。 [review][投票(7)]
★2監督・ばんざい!(2007/日)この映画のキャラクターはかつてのコメディアン・ビートたけしの分身ばかりだ。その中で、ギャグに臆病になってしまったたけしだけが、分身の人形に身を守ってもらって震えている。 [review][投票(7)]
★4どろろ(2007/日)まともに時代スペクタクルを描ききれぬがゆえに、無国籍演出を行なうインチキ作品から本作もまた抜け出ていないが、俳優各々の真剣さがこれを凡作から大いに救っている。 [review][投票(7)]
★4グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)「恨(ハン)」の国の怪獣映画であることを認識する。怪物は脇役であり、主人公は怪物から我が子を取り戻すため、何が何でも生きる。それはもう、滑稽に見えるほどに。 [review][投票(7)]
★3ハチミツとクローバー(2006/日)結果よりは、そこに至るための過程を描くべき物語もあるだろう。終わっていないストーリーのその時点の解釈によるケリのつけ方は、もう少し考えてほしい、の一語だった。 [review][投票(7)]
★5真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章(2006/日)既に出尽くした観のある北斗世界のギャグ部分を廃し、総てのエピソードに関連性を持たせることによって、「北斗正史」とでも言うべき物語が語られ始めた。これはもう、ぞくぞくするほど刺激的だ。 [review][投票(7)]
★4空中庭園(2005/日)古ぼけた鐘のように左右に弧を描いて揺れる、小泉今日子の偽善に満ちた生活。目で追いながらだんだんに気持ちが悪くなってくる。 [review][投票(7)]
★369 sixty nine(2004/日)反体制は人を選ぶ。 [review][投票(7)]
★5茶の味(2003/日)「♪なんでアナタは三角定規なの!?」のフレーズが頭から離れない。これはオタク風味の小津スタイルムービー、しみじみする場面はちゃんとあるけれど、穏やかな展開を期待すると後頭部をどつかれます。ご用心召されよ! [review][投票(7)]
★3ミスティック・リバー(2003/米)古傷の呪縛。彼を底なし沼から引き上げてくれる者は誰もいない。妻も、そしてかつての親友たちさえも。 [review][投票(7)]