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★3 | 侍タイムスリッパー(2024/日) | この監督は今更なにを狙おうとしたのか、と途中まではシラケきった。だが文芸面で評価する映画ではなく、ここまでジャンルを愛するパッションこそが評価される作品なのだ。揚げ足はとらず、殺陣と侍の顔面こそを愉しむ。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | はたらく細胞(2024/日) | 「見立て芸」映画の極北。馬鹿馬鹿しさも極まれば感心させられ、少女体内の清浄な勧善懲悪活劇と純愛が、父の体内ではうらぶれたドブ板街での逃走劇と男同士の愛(『パタリロ!』の加藤諒!)と化す、原作の描写をド本気の演出力で一気に押し切る。アクションの見せ方も進歩したものだ。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024/米) | なんて悲しすぎるミュージカルの断末魔!われらが昔胸を躍らせたあのイカれた文化は、もはやカリスマヴィランと同じくぶざまな姿で退場するしかないのだ。俺は泣きに泣いた。 [review] | 週一本, ぽんしゅう, けにろん | [投票(3)] |
★3 | 喜劇 急行列車(1967/日) | 前半は大した事件も起こらず、渥美清と佐久間良子のロマンスも退屈な演出だが、後半、佐久間に嫉妬した母ちゃん(楠トシエ)が乗り込んできてから俄然面白くなる。母ちゃんの思わぬ特技を生かした奮闘には感服。売り子の大原麗子がとっても若い! | けにろん, 直人 | [投票(2)] |
★4 | 岸辺の旅(2015/日=仏) | 優しくも未練がましい人間たちの縮図。かれらは黒沢清という演出者の瞳になんと好意的に眺められ、浄化されてゆくことだろうか。ひとびとの執念を断ち切りやすらかに終わらせる男として、浅野忠信の自然体はほんとうに似つかわしい。そして肉体に固執してやまない深津絵里すらもなお、その見苦しさを監督に愛されていることが判る。そして亡霊描写の品性も評価できる。 [review] | おーい粗茶, セント | [投票(2)] |
★4 | 居眠り磐音(2019/日) | 娯楽時代劇としてまずまずできている。殺陣も泣かせも自分としては大いに買いたいのだが、妖怪メイクで頑張る柄本明にもうちょっとしぶとくあって欲しかった。そして、残念なことに映画的なパースペクティブ、迫力が足りない。ラストのカメラの無欲ぶりはどうだ。これじゃ全く日テレの2時間時代劇じゃないか。 [review] | トシ | [投票(1)] |
★2 | ブレイブ 群青戦記(2021/日) | 『戦国自衛隊』の超劣化版。当然の事ではあれ、新田真剣佑を筆頭に戦国時代に放り出される高校生たち全てに、度胸・戦闘力・覚悟がない。これでは高校生大虐殺はもっともで、後半の逆襲こそが絵空事そのものだが…こんな筋運びでの三浦春馬と松山ケンイチの救済は勿体ないほどだった。 [review] | 死ぬまでシネマ | [投票(1)] |
★4 | ゴジラ-1.0(2023/日) | ノスタルジー監督でいい。百田のバカの御用達監督でいい。この日本にエモーショナルかつ超科学におもねらないゴジラ映画が撮れる男は、もはや山崎貴しかいないのだ。例え俳優のセリフがアンチリアルであっても、本気でキワモノに命を吹き込もうと企む稀有な監督には感謝しかない。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 猿の惑星:新世紀 ライジング(2014/米) | またしても「高貴なる野蛮人(noble savage)」のなぞり替えでしかないか、とナメていたのだが、ひとつの真実としての「ふたつの異社会は決して判りあえない」という厳然たるファクトを描いてなかなかに感心はさせられるのだ。この物語の主役は、徹頭徹尾「シーザー」であり続けるように。 | YO--CHAN | [投票(1)] |
★4 | 喜劇 団体列車(1967/日) | コメディとしては手堅いまとまり。タイトルの団体旅行はおざなりながら、根は真面目な四国駅員の男ぶりを描いて飽きさせない。当たり前ながら、ドラマの全てのケリがついているのは評価すべきこと。 | KEI | [投票(1)] |
★3 | 続拝啓天皇陛下様(1964/日) | 時代の幸運と不運。軽蔑される「チャンコロ」と嫉妬される「第三国人」。犬が結びつけた令夫人と、米兵に引き離されたパンパン。大便にまみれた「ウンコ屋」と戦後なお高貴であり続ける「天皇陛下」。…それでも、生きていかなければならないのだ。 [review] | KEI, TOMIMORI, sawa:38, tkcrows | [投票(4)] |
★2 | 無宿(1974/日) | 折角のスコープサイズ画面が勿体ない、奥行きのない風景の中で、勝新と高倉がどこに友情があるのか判らない腐れ縁でともに動く。梶芽衣子の思いがけない可愛さだけが救いの、東宝らしからぬ(勝プロらしき)作品。音楽も妙に安っぽい。 | KEI, 直人 | [投票(2)] |
★4 | すずめの戸締まり(2022/日) | ああ、俗な娘がヒロインであることは、今やこんなに自然で素晴らしいことなんだ。男がいなけりゃ朽ち果てそうで、始終オッチョコチョイをぶちかまして、でも気丈で心がマッチョでない女。日本の小娘の『ナウシカ』でも『プロジェクトA子』でもない普遍化。甘い点はスケベ根性ゆえじゃない。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 永い言い訳(2016/日) | 文字通りの体当たり演技を見せる本木雅弘には申し訳ないのだが、主人公は演技に長けた「モッくん」にしか自分には見えない。そういう架空人格であるところが、一方ではキャラクターの両義性を際立てている、と見えてしまうのがこの映画の面白さでもある。 [review] | ジェリー, けにろん, おーい粗茶, ぽんしゅうほか5 名 | [投票(5)] |
★3 | 銀座カンカン娘(1949/日) | ストーリーらしきものはなく、焼け跡で黙々と食うためだけに働くかつての若者たちへの応援歌のごとき一作。高峰の素っ頓狂な能天気ぶりも愛らしく、「虎や狼」の群れる夜の歓楽街にも夢があると歌うあたりは「必要な欺瞞」だ。甘い夢だけ振り撒きゃいいのか。応、ないよりは夢があったほうがマシだ。映画はこの時、夢の押し売りのため機能していたのだ。 [review] | ジェリー, 寒山拾得 | [投票(2)] |
★4 | 詩季織々(2018/日=中国) | 新海誠映画スタッフの緻密な絵による印象の強さが感慨を支配する作品。「陽だまりの朝食」などは完全にそれに依るところが大きく、ビーフン料理の旨そうなヴィジュアルなしには興味を削がれただろう。 [review] | ペンクロフ | [投票(1)] |
★2 | サイダーのように言葉が湧き上がる(2021/日) | いや、とりあえず絵の冒険があったコトは褒めておこう。今更わたせせいぞうじゃないだろうとは思うものの。だが、言っておこうと思うことは、アニメはラブストーリーの生々しさを漂白するための技術じゃないだろうっていうコトだ。 [review] | ひゅうちゃん, ペンクロフ | [投票(2)] |
★2 | 私は絶対許さない(2018/日) | だらだら続く主観撮影シーンがいかにも素人じみている。そして性的虐待の問題提起のつもりが、「好き者ヒロインの自業自得」に見えてしまう監督のオトコ目線の不変も酷い。細部に目を移せば、隆大介の人のいいヤクザはいいキャラ。一方で佐野史郎に「こうした」役割をあてるのは十年一日のようで、安易なキャスティングが惜しまれる。 | ダリア | [投票(1)] |
★4 | 海の上のピアニスト(1998/伊) | 実験的に人間として育てられた人造人間の出来損ないを見たような気がする。だが、ひどく幸運な出来損ないだ。エゴイストでナルシスト、廻りのことなんて知ったこっちゃない。ただ気の向くままに行動して皆に愛される。こんな存在が認められる時代は幸福だ。 [review] | けにろん, 代参の男, モモ★ラッチ, makoto7774ほか5 名 | [投票(5)] |
★4 | ミッドナイトスワン(2020/日) | 日本の『真夜中のカーボーイ』とおぼしき、愚かしくもゴシック美に溢れた同性愛者たちが辿る顛末。よもや草なぎ剛 が女を一作を通じて演じきれるとは思ってもみなかった。服部樹咲も立派に、女たちの愛を受け入れる「愛の器」を演じ切る。
[review] | 緑雨 | [投票(1)] |