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水那岐さんのお気に入りコメント(40/327)

そこのみにて光輝く(2013/日)★4 ずんぐりと弛緩した千夏(池脇)の体型から、どうしようもない生活の「重量」が垂れ流される。その重さを引き受けることで蘇生しようとする達夫(綾野)の目もまた澱み覚束ない。不完全な2人を包む光だからこそ神々しいまでに輝かなければならないという啓示。 [review] (ぽんしゅう)[投票(6)]
そこのみにて光輝く(2013/日)★4 縦んば菅田将暉がおらなんだら如何ほど味気ない映画に成り果てていたかしらと、想像するだに怖ろしい。(演出意図の範疇とは云え)綾野剛のカラッポ男ぶりとは対照的に身の詰まったキャラクタリゼーションだ。近藤龍人は日本列島の光線とますます親密な関係を築き、北海道の暑気を首尾よく捉まえている。 [review] (3819695)[投票(13)]
そこのみにて光輝く(2013/日)★4 高橋和也の狂気の物語でもある。指の臭い嗅がせるか普通。ああいう上役ってどこにでもいるものだが、そうか奴らも狂っているのか。 [review] (寒山拾得)[投票(9)]
そこのみにて光輝く(2013/日)★5 函館とはかくも人の営みを写して哀しく美しいか、、。「海炭市叙景」と同じく、そこにある風景はバラックのような廃墟であったり、ゴミ溜めのような決して見たくないものなのに、何故かくも強く心惹かれるのだろうか、、。 [review] (セント)[投票(8)]
メイジーの瞳(2012/米)★4 誰もが少女を欲しがり、また、欲しがらない。盥回しにされる彼女はたとえば、フットボールにおける球のようだ。常に競技の中心にあって、自軍の勝利のために選手はその扱いの熟達を望むが、規則集の記述範囲を越えて球そのものを労ることはない。しかし、映画はこの比喩が破綻する瞬間こそを謀るだろう。 (3819695)[投票(1)]
素晴しき男性(1958/日)★3 俳優達のダンスが素人臭く粗製濫造ぶりを露呈する。ミュージカルシーンのスタジオセットも付け焼き刃的で魅力なし。キャンプ場でのダンスに至っては、まるで小学生のリズム体操。宝塚仕込みのステップで孤軍奮闘する月丘夢路のみ見応えあり。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
グッドモーニング・ベトナム(1987/米)★3 アメリカ人が他人の国で好き勝手やってるだけの話。迷惑この上ない。不快感を伴う一本。60/100 (たろ)[投票(2)]
チョコレートドーナツ(2012/米)★4 [ネタバレ?(Y3:N2)] かつて河上肇は「制度も固定化すると残酷を産む」といった意味合いのことを述べていたが、本編はそれを地で行くようなやるせない物語である。愚昧なる偏見と硬直化した制度でもって無垢な命が奪われる矛盾に私たちはどう対すればいいのか。あらゆる人に見てもらいたい物語だ。シーンや心境を映した選曲は秀逸であるが、これがなければ見続けることが出来ない辛い映画だと思う。 (サイモン64)[投票(2)]
嫌われ松子の一生(2006/日)★3 人の人生は、かつては、文字によって語られてきたのだが、映像の時代となった現代、 それは映像によって語られるものとなり、映像によって人は納得できる時代となったの かもしれない。 [review] (ちわわ)[投票(2)]
それでも夜は明ける(2013/米)★4 殊更にスキャンダラスなわけでもない。虐げる側の者たちを概ね葛藤して心を病む者として描いた点が新しくもあり性善説に立ち過ぎる気もする。その胡散臭さを対象を見つめる演出の腰の据わりの真摯が随所で拡散させた。奴隷白人と農園主黒人妻の歴史的多面性。 (けにろん)[投票(3)]
それでも夜は明ける(2013/米)★3 本来、人は自由であるのだから「自由黒人」という身分が存在すること自体が矛盾している。12年の奴隷生活が、ソロモンに気づかせたのはそのことだ。社会に染みついてしまった「差別」は、する側にも、させれる側にも、その存在が見えなくなっているという厄介。 [review] (ぽんしゅう)[投票(4)]
花と怒涛(1964/日)★3 冒頭クレジットバックの雄大な夕景のカットが一番いいか。後は久保菜穂子が背中の刺青を見せるシーン回り、それから鍬入れ式の出入りのモブシーンも迫力がある。全編に亘って照明はそれほど凝っていず清順らしさは希薄。ただし、お座敷のシーンでは向かいの座敷で仲間が遊ぶ姿を見せる、清順らしい縦構図の空間造型だ。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
WXIII 機動警察パトレイバー(2002/日)★2 引き摺られた「昭和」、引き摺られた「押井守」。“風景”の方法論だけ受け継いで、マニアックな猥雑さ(過剰さ)は同時上映ミニパトに取り分け。出来は3点でも、見応え2点。…そんな感じ。 [review] ()[投票(1)]
パシフィック・リム(2013/米)★3 ヘリで吊り下げ移送する絵やギッコンバッタン足踏み操縦の真剣さに局所では愛を感じるのだが、ジャンルへの横断的なリスペクトを謳いつつも所詮は『エヴァ』1本かぶりの底浅を露呈するにつれ俺の期待は急速冷却された。ゲーム仕様のマニュアル感も気になる。 (けにろん)[投票(6)]
パシフィック・リム(2013/米)★3 視界不良の映画。夜、雨、雪、粉塵、海中、ど突き合いにおける視界不良状況の多様性を追求し、実に欲求不満が募る。ただし、晴れ晴れと澄み渡った空のシーンを持っていたことも銘記しておくべきだろう。そのシーンが全篇のどこに位置していたか、既に見た者には云わずもがな。未見の者には黙して秘そう。 [review] (3819695)[投票(7)]
テルマエ・ロマエ(2012/日)★3 カルチャーギャップが楽しい前半は大いに笑えた。しかし、同調が始まる後半からはどうにもだるい展開が続く。前半を膨らまし、丁寧に文化のギャップと応用を描けたらそれだけで楽しかったのに。古代ローマ人が日本人と同調することが観客は楽しいとでも製作側は思ったのだろうか。いや、そんなことはない。現に番宣は前半部分からの抜粋ばかりだったではないか。着地点が普通のドラマでは面白いはずはない。 (tkcrows)[投票(2)]
テルマエ・ロマエ(2012/日)★3 少なくとも前半は上出来コントだとは思うが、にしても、マニュアルな破綻無き優等生イズム。であるから、後半のルシウス復権譚に至ると、誰がこんなん見たいねん的怠惰な吐息が劇場を覆う。すっぴんちゃんだけが小さな風穴を開け涼風を吹き込んだ。 (けにろん)[投票(5)]
マリー・アントワネットに別れをつげて(2012/仏=スペイン)★3 王妃の朗読係の肩越しに垣間見られる裏面史。遠くから響いてくる地鳴りの如きものとしての革命、歴史。明言出来ぬ自身の心の言葉を受け身の口づけを通して聞く。レア・セイドゥーの両の眼はいつも低温で、見つめる目であると同時に見つめられ(う)る目でもある。〔3.5〕 ()[投票(1)]
モスラ2 海底の大決戦(1997/日)★4 夏休みと怪獣。食い合わせの悪さもひっくるめて、公開当時から好きだった。大人になりきれないダメなオッサンたちを、おまえら(少年たち)それでも助けるのかと、最近見直してやっぱり感動した。彼ら(子供たち)だけが、モスラのデカさを見たんだ。 (kiona)[投票(1)]
少女は自転車にのって(2012/サウジアラビア=独)★4 闘う少女の小さな「ひとり革命」。欲望と希望が同意の怖いもの知らずの少女は、コーラン暗唱という道徳の強請をも、あっさりと「違う明日」を具現化する手段にすり変えてしまう。さり気なくも印象深く告発されるサウジの女卑事情の理不尽を知る貴重な映画体験。 (ぽんしゅう)[投票(2)]