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3819695さんのお気に入りコメント(75/180)

ファウスト(2011/露)★4 主人公ファウストの内省や高利貸マウリツィウス・ミューラーとの問答については辟易とする感もあるが、しかし画面はもう全てのカットが刺激的だ。画面上の特質は誰もが見たまま了解できる「歪曲」や「褪色」を上げることができるのだが、 [review] (ゑぎ)[投票(5)]
わたしを離さないで(2010/英=米)★4 何度か門を開ける・抜けるなど「境界線」を越える演出がなされているので、「提供者」と「外部」を分けて描いているのは理解できる。が、それにしては関わり方が淡白で一抹の物足りなさを感じるのも事実。まるで世界にキャリー・マリガンガーフィールド(もしくはナイトレイ)の2人しか存在しないようなショットが多くあり、寂寥感をいや増す。 (赤い戦車)[投票(2)]
イップ・マン 序章(2008/香港)★3 良いカンフームービーは、良いダンスムービーでもある。 [review] (まー)[投票(1)]
夕陽のギャングたち(1971/伊)★5 ジェームズ・コバーンセルジオ・レオーネ、そしてエンニオ・モリコーネという完璧な三角形。その中で立ちションをするロッド・スタイガー! これが最高傑作でしょう、誰にとっても。いや、異論は認めますが。 [review] (ぐるぐる)[投票(2)]
リバティ・バランスを射った男(1962/米)★5 考えてみれば、本作の前年には『ウエスト・サイド物語』が公開されていたわけだ。これはもうフォードが西部劇の終焉を描いても仕方ないことだったのだろうなと、そんな事実ひとつをとってもそう思えてしまう。 [review] (ナム太郎)[投票(2)]
ニューイヤーズ・イブ(2011/米)★5 デ・ニーロ。出番は多くないが彼の表情のひとつひとつが心に深く入ってくる。ファイファー。不器用だが可愛い女性を上手く演じている。スワンク。彼女の笑顔は実に素敵だ。出産話の2組のカップル。観ているこちらも笑顔になれる。物語がどうこういう作品ではない。彼らの喜びや哀しみが観ている側と共有できるという素敵な体験。これも映画の効用のひとつ。 (tkcrows)[投票(1)]
ブレイクアウト(2011/米)★3 見飽きた導入展開が、やがて攻守共々剥き身で待った無しの限界状況を露呈するあたり、好みの作劇ではあるのだが、正直もう1手欲しかった。シュマッカー演出もディゾルブ誤用の多用が鬱陶しいモッサリ感。キッドマンも神話領域から人間界に落ちた。 (けにろん)[投票(2)]
フェイシズ(2011/カナダ=仏=米)★3 この作品は、相貌失認に陥った主人公が今までような日常生活を遅れる様になるために努力したり、相貌失認という障害に前向きに向き合おうと姿がかなり丁寧に描かれており、サスペンス的な展開が水をさしてしまった印象。 [review] (わっこ)[投票(1)]
抵抗〈レジスタンス〉 死刑囚の手記より(1956/仏)★5 私がこの映画の一番良い部分を上げるとするなら何と云っても汚物用バケツを中庭へ運び、汚物を下水溝へ廃棄するという日課を何度も反復する部分だ。こゝにモーツァルトのミサ曲がかかる。不謹慎かも知れないが思わずニヤけてしまう面白さ。成瀬『浮雲』の森と高峰が歩くシーンの反復を想起する。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2011/独=仏=英)★3 ヴェンダースの舞踏への敬意と3Dの節操ある行使。カットやアップは必要最小限にとどめられ肉体の連続運動が最優先される。3Dカメラは俯瞰気味に床面を広く取り込み奥行を強調し、決して被写体は無意味にフレーム外へ飛び出したりしない。誠意溢れる3Dオリジナル。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
苦役列車(2012/日)★4 決して悪人ではないが徹底してダメ人間という主人公=原作者の人間性を自虐的なまでに赤裸々に描くこの作品が哀切さとともに可笑しみを以て立ち上がる事象の裏に、我々観客が隠しきれない優越感や差別意識が潜んでいることは否定できない。 [review] (緑雨)[投票(3)]
崖っぷちの男(2012/米)★4 正直、野次馬を巻き込んだ劇場型犯罪としての緻密な構成には遠いし、ワーシントンのキャラ設定もクールと緩さの間で今いち半端。が、一方で実行部隊のベルロドリゲスコンビが絶妙なダサ格好良さで随所で映画を覚醒させた。ラストも久々に小粋。 (けにろん)[投票(3)]
崖っぷちの男(2012/米)★4 なんだかんだで「チーム」の映画になっているのが、個人的に好み。なにげに競演俳優も豪華だ。 [review] (プロキオン14)[投票(3)]
苦役列車(2012/日)★4 動物ごっこのような相変わらずワザとはずしたシーンを持ってきたりもするが、本作は随分と安定的な、分りやすい演出だ。堂々とした、と云ってもいい。例えば、最も気合の入った場面は何と云っても居酒屋のシーンで貫多(森山未來)の「田舎者は本当に、ムヤミと世田谷に住みたがるよな。」という科白から始まる部分だと思うが、 [review] (ゑぎ)[投票(6)]
少女ムシェット(1967/仏)★3 酒場、校門、教室、森の小屋、自宅の部屋。頻繁に描写される出入り口のどの扉も、まるで「何か」の訪れるのを待つムシェットの心の反映のように、いつも半分開いたままだ。思いもかけず訪れた共犯という心の連帯は、一夜の夢想に終わり、すべての扉は閉じられる。 (ぽんしゅう)[投票(2)]
生きてるものはいないのか(2011/日)★4 もう50代半ばだというのにまったくオッサン臭さを感じない。しかも短編の『三人三色』から数えたって8年ぶりの映画でこのアップ・トゥ・デート感。驚異的な若さ。ラストシーンには、寂しいような怖いような清々しいような、なんとも言えない感慨を覚えた。 (movableinferno)[投票(1)]
生きてるものはいないのか(2011/日)★4 交わされる日常会話の希薄さが呆れるほどリアルなのは脚本の前田司郎の鋭敏さの証し。そんな間延びした空間に突如割り込む奇妙な「死」を、新生石井は淡々と無感情に描き続ける。命の一斉強制終了。浮かび上がってくるのは恐怖や悲しみではなく滑稽なまでの無力感。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
昼下がり、ローマの恋(2011/伊)★3 3話のおじんが若い女子に惚れられると言う理想郷設定が、デ・ニーロの屈託で台無し。「見て私」的乙女チックな所作は正直気持ち悪い。2話が最高で最後まで崩壊のカタストロフが持続。爆笑ボルテージも振り切れる。1話は生半可に終始。 (けにろん)[投票(1)]
ザ・ウォーカー(2010/米)★4 暴力に代わる「こころ」の守り手もまた暴力の執行者であるという矛盾に自覚的で、「真の信仰はお前の中にある。形式や政治の問題ではない」と再構築するワシントンの佇まいからして、風評から推測される十字軍あんぽんたん映画ではない。褐色・赤・黄の色彩で語られがちな焦土描写に対峙する真っ白に焼かれた「光」の荒廃ルックの一貫性がいい。焦土=死の谷というのも効果的。グラサンというアイテムもグッド。 [review] (DSCH)[投票(2)]
ドッペルゲンガー(2003/日)★4 役所柄本で驚く必要は全然ないが、ユースケの使い方を見るに付け、黒沢清の「”本当にヤバい奴”描写」の正しさに恐れ入る。劇中でほとんどキャラに笑わせることをしない黒沢演出だが、罪の意識(つまんない言葉!)とか心を統制する全てのタガが外れたような「笑い」を突如放り出すカッティングが最高。ケタケタクルクル笑う永作のコワ可愛さをはじめ、クセになる画が満載。 [review] (DSCH)[投票(2)]