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けにろんさんの人気コメント: 更新順(69/142)

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★5寄生獣(2014/日)モロCGに依拠する題材だが、アクションを描くに距離・空間の活用(ビル屋上での対峙)や編集・アングルのダイナミズム(高架下での戦い)を用い古式床しい映画術の王道を踏襲してる。充分に情緒的なのにベタつかない少年成長譚としても奇跡的バランス感覚。Myrath, Sigenoriyuki[投票(2)]
★3トラベラー(1974/イラン)切って棄てたかのような収束の冷徹に何の救いもない。これがキアロスタミの人生観なのだと思う。子供が主役だが彼らは恐ろしいほど自立してる。親や大人全般に対して一切媚びない。これは10数年後に撮られる『友だちのうちはどこ?』にも通底している。3819695[投票(1)]
★4シグナル(2014/米)世界からの孤絶に今更過剰反応するほどヴィヴィッド野郎でもないが、カラックス汚れた血』を少しく想い起すフレーム捌きと色使いにセンスを感じる。確かに随所でアチャーッとなる思い込みの偏向はあるにせよ許容範囲内であり十二分に斗ってると思う。3819695[投票(1)]
★3火の鳥(1978/日)大スケールの物語を撮り方と編集で何とかカバーしようという心意気は感じるし脚本も「黎明篇」を巧くダイジェストしている。だがアニメ使用が何とも中途半端で肝心要の「火の鳥」に至っては実景に全く親和しない。虚実ない交ぜのコンセプトの立て方が生半可。ぽんしゅう[投票(1)]
★5奇跡の人(1962/米)サリバンが到着し初対面での即ガチンコが有無を言わせぬ完璧な掴み。クライマックスでは記号が概念と直結し世界の仕組みが詳らかになり怒涛のようにヘレン脳内で思考回路が変容する。そういう極めて文学的イメージに映像が拮抗してる驚き。鮮やかすぎる作劇。ぽんしゅう, 寒山拾得[投票(2)]
★4揺れる大地 海の挿話(1948/伊)煎じ詰めれば家族一族の話で、この流れは『若者のすべて』経由で『山猫』で結実する。資本家に搾取される労働者よ立ち上がれの威勢は凄まじいが流転した挙句に没落身上のヴィスコンティの本質が表出。アルド撮影が神懸かり的で早朝の海は神話的だ。寒山拾得[投票(1)]
★2ホワイトハウス・ダウン(2013/米)戦争しなけりゃ衰亡する国という自覚が無いから、こういう今更の対立構図が出てくる。久々に「やっちまったなエメリッヒ」という感じ。目くるめく使い古しネタのオンパレに萎えていく俺は少女の星条旗の馬鹿馬鹿しいまでのアナクロに止めを刺され死んだ。Myrath, DSCH[投票(2)]
★4マグニフィセント・セブン(2016/米)今更な難企画を統御し得た剛腕を感じた。全篇テイストはレオーネ祭の様相で縦構図はともかく正面アップの開き直り的覚悟に惚れざるを得ない。終盤サスガードが馬脚を顕しダレかけたとこをカバーするベネットの生硬とパイオツのアンビバレンツ。ゑぎ[投票(1)]
★4僕らのごはんは明日で待ってる(2017/日)後ろ向きで奥手なダメ野郎に可愛い積極女子が猛アタックという男の理想郷だが「お前がいてくれたから変われた」を形骸で終わらせないだけの細緻な描写の積み重ねがある。市井のBGMを使わずに沈黙や呼吸の間を慈しむ作風。それは、前作から変わらない。セント[投票(1)]
★3おんなの細道 濡れた海峡(1980/日)ただただ流される主人公に次から次へと降りかかる新展開に飽きる間もない脚本が最大の功績だろうが、石橋草薙の助演男優2人が男の優しさを滲み出させて出色である。演出的にはエッジが効いてるわけではないがロマンポルノの好篇。寒山拾得[投票(1)]
★3サンダカン八番娼館 望郷(1974/日)リアリズムな田中絹代の現代のシーンと旧態としたスタジオドラマの過去ボルネオのシーンにギャップあり過ぎ。見た目以上に高橋洋子の本質が違うのだから連関を印象付ける演出は不可欠だった。栗原小巻が全くの不要牌だったことも強度を弱める。ナム太郎, 水那岐[投票(2)]
★3スペース カウボーイ(2000/米)頑張る爺ちゃん的コンセプトは相当に黴臭いが、イーストウッドは当然に自虐とは無縁で頑固&助兵衛路線を貫徹する。ただ、今回は良いとこをトミー・リーに全て譲った感があり泣かせる。VFXがドラマと親和しないのは『ファイヤーフォックス』並み。ぽんしゅう[投票(1)]
★3三文役者(2000/日)それなりに巧妙な竹中泰司芸ではあるが素でシンクロしたと思わせる瞬間が確かにあったように思える。波乱万丈とまではいかぬ泰ちゃん人生にセットやメイクに拘泥せぬ緩い新藤イズムで対し自身の作品中心の展開でも手前味噌感が無いのは人徳か。寒山拾得[投票(1)]
★5情婦(1957/米)どんでん返しが巧緻であるだけに止まらない。小道具・大道具への偏執的拘りと演技陣の神懸かりなアンサンブル。ロートンは自家籠中の役を極めつけで演じ映画を文字通り背負うが、それよりもディートリッヒの欧州の退廃を滲ませた奥の深さに参った。なつめ[投票(1)]
★4マネー・ショート 華麗なる大逆転(2015/米)カレルの調査チームが目の当たりにするサブプライムの最川下の荒廃した宅地や業者とか格付け会社の似非権威の実態が講談的だ。リスクを負ったのだから世界が崩壊して俺が設けて何悪いくらいに開き直って欲しい。彼らの思考は簡単に絵解きできる筈ない。 t3b[投票(1)]
★3裏窓(1954/米)1点からのアングルのみで娯楽作を成立させるというアイデアを十全に駆使できる完璧な美術セットを手に入れながら慎ましやかなレンズ使いの古典品位。だが、それでも尚滲む出歯亀覗きのアンチモラル愉悦というファクターを取り去ると訴求するものは余り無い。セント[投票(1)]
★2ドクター・ストレンジ(2016/米)主人公が女導師と初対面する場面を始め須くマニュアル的なお手軽感が横溢。苦痛や苦労を回避した作劇は作り手の怠惰を皮相的に表出するだろう。『インセプション』もどきな街でんぐり返りは形而上的な何かがあろうはずも無く見るも無残なハッタリでしかない。Sigenoriyuki[投票(1)]
★4新・男はつらいよ(1970/日)真面目なさくらが不在の中、擬似寅的おいちゃんおばちゃんがフィーチャーされ、前半のドタバタは破壊力は無いが安定強度抜群。で一方で栗原小巻の可愛らしさは破壊的で、寅のダメージが沁みる。演出の見劣りは感じなかった。スタッフが堅牢だからだろう。寒山拾得[投票(1)]
★4男はつらいよ 望郷篇(1970/日)渡世人稼業の哀感を描く前段と、後半の東京でのルーティーン失恋譚が各々しっくり調和して完成度と言うならシリーズ中1・2を争うのであろうが、大きな破綻もなく完成され過ぎてる一方突出したものもない。前半の北海道の風情が良い。寒山拾得[投票(1)]
★3ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男(2005/仏=米)殺戮の加担者たることと家族を思う良識人であることのアンビバレンツを突き詰めるににしては踏み込みが浅く表層に流れ過ぎ軽い。もっと悪魔的にブラックにデフォルメしたジョークとして撮られるべき題材と思う。DSCH, 天河屋[投票(2)]