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★3 | トンマッコルへようこそ(2005/韓国) | メルヘンをリアリズムの隠れ蓑と割り切るあたりが妙にすがすがしく、シンプルな歓楽劇としては、これはこれで情緒のバランスがとれてるのかも知れぬ。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★3 | 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980/日) | 博のマイホームに絡んで人々の甲斐性が発現する様が具体的で色彩に富んでいるからこそ、気づけば夜学に浸透している寅の過程のなさがぶきみなのだが、何もない男の穿つ虚空に伊藤蘭の瓜実顔が蒸着して実体を与えることで、その淫靡が匂い立ってくるのだ。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★4 | 駅 STATION(1981/日) | 大晦日に場末の飲み屋で高倉健と倍賞千恵子が黄昏る苦悶を味わいたく、20年ぶりに再見したのだった。しかし黄昏るには不穏すぎる。東宝製70年代刑事ドラマに民子物をぶち込んだ暴力的な構成で、とらやにミサイルが直撃したかのような触感なのだ。 [review] | ぽんしゅう, DSCH, けにろん, 寒山拾得 | [投票(4)] |
★4 | 忍者狩り(1964/日) | 事をある種の治安戦として解釈していて、その一方的な虐殺を好ましく見せるべく、天津敏の忍者軍団へわれわれの憎悪を仕向ける工夫に実効性がある。 [review] | まー, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | ローン・サバイバー(2013/米) | 追われて山を下る人の表情を捉えるべくショットは煽られ、マーク・ウォルバーグの、高橋悦史を彷彿とさせる鼻の穴が謎の迫力で画面を圧倒する。 [review] | DSCH | [投票(1)] |
★4 | ヴェラ・ドレイク(2004/英=仏=ニュージーランド) | 面の皮の厚さが善を容赦なく施す様を喜劇の間を用いて叙述している。事件発覚の間の悪いタイミングにしてもそうである。この着想は後半のリーガルサスペンスをどう受容すればよいか受け手に混乱をもたらしかねない。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 刺青一代(1965/日) | 自爆の巻添えを食らって花ノ本寿に憤りを覚えようにも、あまりにも躊躇のない自爆が人格喪失を予感させて、責任能力を負わせようがない。その特異な熟女趣味も相まって、自爆の手際の良さと迫力をただ観察する有様となり、重荷からの解放感は得られない。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★4 | メリンダとメリンダ(2004/米) | 甲斐性の釣り合いが取れていない異性がアプローチを試みれば言動に力みが出てくるのだが、悲劇の方が真面目だけにその力みに喜劇の諧調が現れてくる。一方で喜劇のカリカチュアはゴージャスな共和党員のようにもっぱら生化学に依存している。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 薄化粧(1985/日) | 80年代邦画が50年代目前を叙述するディスプレイメントの質感にはSF映画のような時代を見失わせる遠近感がある。その何処にもない国を触知させてくれるのは、川谷拓三が目撃する場末の苦悶なる普遍である。 | pori | [投票(1)] |
★4 | 愛してる、愛してない…(2002/仏) | 天然の迫力がその明朗さゆえに受け手の憎悪から逃れようとする。事が人生の対比に収斂されることで、人並みに生きられなかったという障害の臨床例にオドレイ・トトゥを落とし込む。 [review] | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★3 | エリジウム(2013/米) | 病魔の浸潤がかえって痛覚を無効にするヤケクソじみた難病超人に見る、ジミー大西の匿名性がもたらした肉体的寛容。罹患してますます盛んになる猟奇ポルノにジョディ・フォスターというこれまた難物が投じられ炎上する乱戦で目的を見失う村役場のお家騒動。 | サイモン64, けにろん | [投票(2)] |
★3 | マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007/仏=中国=香港) | ジュード・ロウで金城武の形態模写ができる感動と笑い。ストラザーンに至っては発声しているうちは彼なのだが、黙してしまうとたちまちトニー・レオンに外貌が堕ちてしまう。これはほぼ文化侵略であり、言語共同体を容易く超えてしまう類型の強さに打たれる。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015/米) | キャラの強度を競う点では、事態を動かしているショーン・ハリスに分があって、トム・クルーズはその敵ではない。ショーンが戦っているのはトムではなく自分自身である。つまり、レベッカに対する甘さとして現れてくるような、自分の性衝動と彼は戦っている。 [review] | ペンクロフ, けにろん | [投票(2)] |
★3 | 眠狂四郎多情剣(1966/日) | 屈服のよろこびを消化できず恐慌する乙女心の心象が、江戸近郊をパッチワークのような魔空間へと歪めていく。失恋の趣き濃厚な顛末とやっと恋ができたという淡い達成感を、雷蔵の助平顔と戸田皓久の笑わない目が祝福する。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | ブルックリン(2015/アイルランド=英=カナダ) | 女が男の選択に当たって甲乙つけ難い状況に至ったとき、それは成り行きで決まりかねない。女性心理を観察するこの物語はかかる事態を偶然の戦慄として捉える。 [review] | ゑぎ, けにろん, 緑雨, ぽんしゅう | [投票(4)] |
★3 | リアリズムの宿(2003/日) | 語り手のエゴが自らの課題を原作に接ぎ木している。リアリズムの宿に包摂されてしまうと前後の断絶のあまり、冬の日本海が時空を曲げたような文芸的な効果があらわれるのだが、もはや『リアリズムの宿』である必要はない。 | 寒山拾得, ゑぎ | [投票(2)] |
★3 | KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016/米) | 感傷に溺れエキゾチシズムに甘え停滞する冒険と抽象的な抗争に活を入れるのはマシュー・マコノヒーの陽性の造形。しかしその到達点にあるものは、フィクションの効用にたいする強迫観念という業界人の自意識、つまり空虚の最たるものである。 [review] | 寒山拾得, DSCH | [投票(2)] |
★4 | 15時17分、パリ行き(2018/米) | 無能という属性が受容されるモチーフを童貞トリオの珍道中が古典落語のような人情噺に容赦なく落とし込む。キマイラのように怪異なかかる構築物は、人物対比を狂わせることで恒例のドキュメンタリーパートを混乱させるオランドの短躰を以て絶頂に達する。 | 3819695, サイモン64, けにろん | [投票(3)] |
★3 | ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015/米) | 何度でもやり直せるのなら感傷は醸成されない。それは、一回の人生しかない人物に担われるものだろう。 [review] | Orpheus, pori | [投票(2)] |
★3 | 黒い家(1999/日) | 人格障害を勇敢さと読み替えてしまう語り手の配慮は劇中人物への同一化という未熟を忌避する。大竹しのぶにメロドラマのような人物像が投影される一方で、内野聖陽が同一化の対象から脱落する。 | DSCH | [投票(1)] |