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3819695さんのお気に入りコメント(39/180)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014/米)★2 開幕のテロップの扱いやイカロスの暗喩から『気狂いピエロ』を意識している。ではどうするの、と見始めたが、アンナ・カリーナの代わりにエマ・ストーンがいる。つまりゲージュツだ映画だ高尚だ低俗だのの文系厨二の自己愛と懊悩を徹底的には嗤い飛ばしてくれず、最終的には寄り添って悲しんでおしまい。脱構築にもトレースにもならず、カビ臭い価値観だ。ゴダールとタランティーノに蜂の巣にされるべき映画だと思う。 [review] (DSCH)[投票(2)]
悪童日記(2013/独=ハンガリー)★4 ナチ支配下の東欧で状況を見つめる双子の冷視線は否応なく『ブリキの太鼓』のトリックスター少年オスカルを連想させるが、言うほど弾ける訳でもない。真摯な作風は原作への遠慮の裏返しとも言え、それは映画としてどうなのかとも思う。毒のブローアップ不足。 (けにろん)[投票(2)]
シン・ゴジラ(2016/日)★5 たとえるならあれだ。近所の子どもと散歩しつつ彼お得意の恐竜話を聞いていた時「○○サウルスはね、あのビルよりも大きいんだよ」と言われて思わず立ちすくんでしまった時のあんな感じだ。その瞬間、いつもの町がとんでもなく恐ろしい光景に見えたんだ。今でもたまに怖くなるんだよ、その恐竜の名は憶えてないのに。 [review] (tredair)[投票(6)]
シン・ゴジラ(2016/日)★3 こういう規模の企画を一本の映画としてまとめ上げ、なおかつ興行的にも成功させる、庵野秀明という人は映画監督である前に一流の映画プロデューサーなのだろう。この映画最大の不幸は田中友幸円谷英二に当たる人物はいても本多猪四郎が不在という点である。いびつな映画だが『真昼の決闘』を見た人間が『リオ・ブラボー』を作ったような事態が起きることを期待し、この映画の成功自体は大いに歓迎する。 [review] (Sigenoriyuki)[投票(12)]
アンジェリカの微笑み(2010/ポルトガル=スペイン=仏=ブラジル)★4 本作もノイズの映画。信じがたいような、誇張されたラジオのノイズと共に、主人公イザクは登場する。彼はノイズを纏う人なのだ。道路を走る大型車の音。葡萄畑を耕す鍬、或いは耕運機の音。農夫たちの歌声。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
リアリティのダンス(2013/チリ=仏)★4 極彩色チープ神話を描いてエロ・グロ・ナンセンスの花が咲き誇る様が好し。共産主義の旗手から思いっ切りぶれ、最後に帰ってくる場所までの鬼親父の思想的遍歴が描かれる後半も妙に寓話的で楽しく、昔気質の彼の矛盾が愛すべきキャラとなって提示される。それは踊りまくるアンチリアルであり、歌劇にも似た単純でコミカルな街の歴史にも重なる。 (水那岐)[投票(3)]
リアリティのダンス(2013/チリ=仏)★4 如何にして私は親父の抑圧から解放されたかってな感じの今一弾けぬ奇想天国と思うそばから物語が逸脱を始め何時しか親父語りになるあたり、ホドロフスキーの真摯だが達観したかのような想いに少しばかり絆される。まあ、ともかくこのおっさん太平楽だわ。 (けにろん)[投票(3)]
シン・ゴジラ(2016/日)★5 「東京に血糊を塗りたくる」。直接的なえげつない演出に震えた。福島でもいつでも生死を問わず血は流れたのだ。私たちはすぐそれを忘れてしまう。そして私は血を流さなかった。モニタ越しにそれを眺め、破壊へのある種の快感を感じる生理に対し、作家として正直な超破壊を繰り出しつつ、「思い出せ」という寓意も明確。まさか監督から説教されるとは。ムスカよろしく「・・・素晴らしい!」と呟きつつ涙が流れた。複雑な感覚です。 [review] (DSCH)[投票(9)]
アギーレ 神の怒り(1972/独)★5 密林の大河を旋回するいかだは粗末な舞台(ステージ)のようだった [review] (週一本)[投票(3)]
SR サイタマノラッパー(2008/日)★5 私はラップなんて真剣に聞いた事もなく、今の若者は「マジっすか」と「ヤバくないっすか」と「マジ、ヤベぇ」しか言わないと思っている。現に、本作もそうだ。いつ止めようかと観ていたら、30分過ぎのエピソード‘市民の集い’から俄然面白くなった。 [review] (KEI)[投票(2)]
南部の人(1945/米)★4 ハリウッドが困苦を描くときの特有のヒューマニズムの押しつけがなく、一家のひた向きさにルノワールらしい気品が漂う。建っているのが不思議なボロ屋、病気克服のための野菜と牛乳、怒涛の洪水など、悲惨のなかに良い意味での居直りのようなウィットがあるからだ。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
シン・ゴジラ(2016/日)★4 特撮の進歩を確かに感じる迫力があった。それにしても特撮のがんばりに比例して、生身の人間の演技、演出がどんどん臭くなるのは日本の怪獣特撮映画の宿命なのだろうか? [review] (シーチキン)[投票(4)]
シン・ゴジラ(2016/日)★5 14年のギャラゴジラを観て「もう日本が出る余地ないんじゃね」と思っちゃった僕は恥じたい [review] (ギスジ)[投票(8)]
シン・ゴジラ(2016/日)★5 「会社」が作ったものより、「優秀な個人」なんですね。少なくともエンターテイメントに関しては完全に。 [review] (おーい粗茶)[投票(9)]
シン・ゴジラ(2016/日)★4 日本はまだやれる的メッセージが迎合的だし総理だ大統領だの大風呂敷広げ茶番に見えるのも難点だが、異能集団こそが危機を回避し得るという「半島を出よ」的コンセプトと第1形態の想定外のズレ感。そしてガス→炎の吐瀉リアリズムの果ての激烈カタストロフ。 (けにろん)[投票(3)]
アギーレ 神の怒り(1972/独)★4 その存在が着眼点となって『地獄の黙示録』が生まれたという事実だけとっても価値があると言える作品。 [review] (ナム太郎)[投票(1)]
恐怖のメロディ(1971/米)★4 理不尽な一途さに遭遇した「戸惑い」が「苛立ち」に達したところで唐突に転調し、陽気なフェスと甘ったるいラブシーンの日常で一旦弛緩させ、彼女への夜中の電話をきっかけに急転直下、深夜の海辺の屋敷に全ての「恐怖」を集中し終幕へ爆走する緩急のダイナミズム。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
センチメンタル・アドベンチャー(1982/米)★4 拳銃をギターに持ち替えた現代の無法者は「何者かに化ける」ための最後の旅に出る。飲んだくれの叔父を送り届ける運転手は「人生は変えられる」ことを確信したい甥だ。星の数ほどの失敗を繰り返して受け継がれるこの楽観こそが、世界を前進させる推進力なのだろう。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985/日)★3 冒頭と収束だけ凄まじく充実している。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]
ファンタスティック・プラネット(1973/仏=チェコスロバキア)★3 生態系の気色悪さや酷薄は先行する手塚先生の作品群(特に『火の鳥 宇宙編』)の二番煎じでしかないような気がするが、人間が「駆除」される(「虐殺」ではない)、というあっけらかんなテンションには開いた口が塞がらなくなる。圧倒的な力による排除はこういった滑稽さで表現されるほうがリアルなのかも。音楽が妙にオシャレ。 (DSCH)[投票(2)]