★3 | スペシャリスト(1994/米) | 骨子はスタローンとウッズの話になるべきなのに下手にストーンを持ってきて、その役柄に分量を割きすぎ拡散してしまった。脇に回る女がやけにポーズを決めてファムファタールな振る舞いをするから焦点がぼける。実直で好感は持てる演出だが…。 | [投票(1)] |
★3 | 沈黙の戦艦(1992/米) | セガールの思わせぶりだが本質何も考えてない的キャラとジョーンズの屈託あり気だが確信犯キャラが絶妙な対置をもたらしてる。だが閉塞空間での1人きりでの抗戦という基本構図はどう見たって『ダイ・ハード』の2番煎じ。その烙印から逃れられない。 | [投票] |
★3 | ナインスゲート(1999/米=仏=スペイン) | エマニュエル・セイヤーが香港映画ももうちっと巧かろうというワイヤーで飛んで来た瞬間から見終わるまで自問自答を繰り返した。本気かシャレか…結論は途中でやる気なくなったんだろうということで納得するしかなかった。 | [投票(5)] |
★2 | レオン(1994/仏=米) | 孤高で峻厳な『ニキータ』の後で割り切りで日和れる魂の愚鈍。そのあとベッソンは怖いもの無しとなった。それでも、殺し屋と少女の関係がこうもウェットでは気持ち悪くさえある。レノは差し詰め縫ぐるみの熊。全然クールじゃない。アクションも凡庸。 | [投票(4)] |
★3 | 閉ざされた森(2003/カナダ=米=独) | 2転3転する展開だが顕わになる真相に余り意外性がないのが痛く、そこは演出力でカバーと行きたいが、大向こうを唸らせるハッタリズムに欠け、エッジの効いた楷書体の魅力に乏しい。トラボルタは久々に体を絞り気合い乗り充分であったが報われなかった。 | [投票] |
★3 | ダンテズ・ピーク(1997/米) | 火山噴火の描写を溶岩とか火山弾ではなく火砕流中心に描いたビジュアルが新鮮で粉塵に街が飲まれるシーンだけでも見る価値はある。物語が余りに在り来たり且つ局所的すぎてスケールを貶めてしまったが、自然災厄映画として頃合いの真摯さとドライネスを持つ。 | [投票] |
★3 | おしゃれ泥棒(1966/米) | ピークアウトした妖精とマッチョレスな性格俳優では御伽噺は成立しない。ワイラーは鍵やブーメランで冗長なネバリを見せるがベッケルやメルヴィルになろう筈もなく、全篇緩みっぱなしのこれが、あの『ローマの休日』のコンビ作かと思うと切ない。 | [投票] |
★3 | サウンド・オブ・サイレンス(2001/米) | ブリタニーが出色なこともあり導入部分は『羊たちの沈黙』逆バージョンとして期待も高まるのだが、単なる記憶探しに話が縮こまってしまい、つまんないことこの上ない。映像表現も役者も1級といっていい出来なのに脚本の練りが全然足りない。勿体無い。 | [投票] |
★4 | ザ・シークレット・サービス(1993/米) | ダラスに於けるトラウマが一応捨て身の横っ跳びで回収されるが、その部分は全然本気じゃない。ピアノ弾きつつ女口説き、結構しつこく追い回す親爺をイーストウッドが水を得たように快演。ジャッカルばりに八面六臂のマルコビッチも形無しで笑える。 | [投票(4)] |
★3 | ボディガード(1992/米) | 立つ世界の違いが、又人種の障壁が生み出す恋の刹那感。とくれば、これは『ローマの休日』の現代版焼き直しとも思える。監督が今いち巧くないのでしまりがないがカスダンの脚本も主役の2人も良い。特にホイットニーのカリスマが醸す虚実ない混ぜ感。 | [投票] |
★3 | エアフォース・ワン(1997/米) | 闘う大統領というアイドル願望は不倫クリントンを退け駄犬ブッシュを登場させる素地になったにせよ、ピ−クアウト直後の主役2人の熟成加減とペーターゼンの大味ばかりとも言えぬ安定が使い古しのプロットの再生に成功しハリウッドの底力を堪能させる。 | [投票] |
★4 | エネミー・ライン(2001/米) | 斬新さ無いキャラと設定とストーリーだが可視界100%の山嶺や不穏な廃工場や崩壊した町等の風景が卓越したロケハン力とでも言うべき良さ。破壊された女神像が地獄の始まりを予感させる秀逸さがとりわけ冴えてる。演出センスがワンランク映画を押し上げた。 | [投票] |
★4 | 訴訟(1991/米) | 外づらと内づら・父と娘・正と悪といった対立要因を直截に織り込んだクリアなシナリオを良い役者たちが演じて滋味深い。仕事と私情は別ものというプロとして当たり前の自意識の底には、しかし愛がある。何かを信じれた時代の米映画最良の部分を継承した佳作。 | [投票] |
★4 | ジュラシック・パーク(1993/米) | 導入の描写が半端な接写のみで構成され掴み損ねているから相当に緩い序盤がしんどい。が、ティラノサウルス登場から退場までのブッちぎりのモンタージュが一気に心臓をわし掴む。その余韻で相当に平凡な後半を疾走させた。出来不出来の落差に評価困惑。 | [投票(2)] |
★4 | フィールド・オブ・ドリームス(1989/米) | ベースボールカードの収集が子供にとってのファンダメンタルなホビーである国じゃないと解らないんじゃないかって思ったりもする。同工異曲で同時期に公開された『異人たちとの夏』の方がしっくりきた。俺は日本人だから…。 | [投票(1)] |
★5 | JFK(1991/米) | 撮影済フィルムを10分の1に圧縮したかの如き圧倒的な物量とコラージュ映画とでも言うべき編集の衝撃。既存ポリティカルフィクションの何とも似てない斬新さ。加えて新旧の偏愛役者で塗り固めた真中にスターコスナーを置き虚をも実として押し切る力業。 | [投票(2)] |
★4 | インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994/米) | バンパイアが日常に介在する18世紀の退廃と闇と死の匂いが肝要だが、そこは、まあ欠点も無く美術も豪奢だ。ただ、やっぱ違和感は配役。ピットとバンデラスは根っからやおいの匂いが皆無。能天気クルーズのみが異様な輝きを放つが闇も遠ざかる。 | [投票] |
★4 | ドリヴン(2001/カナダ=米) | 何の迷いもないバカが揃っての男祭りは幸福な結合を果たして純粋映画の域に達する。ハーリン演出のケレンも行き過ぎてダレる手前で危うく抑制され頃合い。スタローンもいい身の置き所だ。どっかの映画じゃないが「何て気持ちのいい連中なんだろう。」 | [投票] |
★4 | サブウェイ・パニック(1974/米) | ショウが統帥する犯人グループの来歴など一切説明が無いし交わされる会話も乾いているのだが、一方でマッソーの人間味が随所でウィットを注入する。けれんの欠片もない原題の即物感をオールロケのリアリズムで補強してタイトでクール。理想的な佳品。 | [投票(1)] |
★4 | 大脱走(1963/米) | ビッグXの英式階級統治が相容れぬヒルツ米流個人主義と職能集団の共同作業の中で幸福な融和を成す前半も良いが、やはり後半に一転する娑婆の空気の開放感。ヒリつく緊張が漲る中を独立独歩のマックイーンに豪快に突っ走らせたのが劇的に感動ものなのだ。 | [投票(2)] |
★4 | ロミオ&ジュリエット(1996/米) | ビデオクリップめいた演出は多少鼻につくものの、今更の古典を再映画化するには、枠組みに対してこれ位壊滅的な破壊操作があった方がいい。一方で台詞の温存という自己制約を課したラーマンの矜持。躁状態下の青春劇という本質は正鵠を射ている。 | [投票] |
★3 | 帰らざる河(1954/米) | 色気に頼らぬストレートなヒロインを演じるモンローのミスマッチぶりが微笑ましくもあるが、矢張り何と言っても冒頭の紫煙たなびく酒場での「ノーリターン」。空前絶後のオーラを発しまくるワンシーンのみで本作は永久不滅に映画史に刻印される。 | [投票(1)] |
★4 | ティファニーで朝食を(1961/米) | パン助と年増女のヒモとの刹那な恋という地平から数億光年隔たった場所で確信的にエドワーズは振舞ってみせる。哀感を抑制し乾いたユーモアで色付けされたしたたかにして見事な職人技。そこに感銘を覚える佳作。 | [投票(1)] |
★4 | コップランド(1997/米) | 警官だけが住む町という設定からして無意味に妙なのに、とことん冴えない男を主人公にしてカタルシス無く、だが何故かイタリア系の1枚看板役者が集結し神妙に演技合戦を展開するという10年に1度のカルト映画。特にスタローンの愚鈍さは涙ものの熱演。 | [投票(4)] |
★5 | スリー・キングス(1999/米) | チョイ悪野郎どもが欲を捨て立つ胡散臭さを認めつつ、しかし、妻を子を殺されたイラク男たちの想いは置き去りに能天気ガイは生き延びる。クールを越えブラックに至るアイロニー。朝鮮を中東に置き換えた『M・A・S・H』焼直し版はナウな視座に充ちている。 | [投票] |
★4 | ピースメーカー(1997/米) | 日常の仕事をこなす如くハードな仕事を成就させるヒーローを確立。たたみかける編集の冴えも伴いアクションの切れは超A級。特にトルコのシークェンスは特筆でパノラミックな景観と錯綜する力のベクトルの混沌が陶然とする出来だ。ただ余りに緩急が無さ過ぎ。 | [投票] |
★3 | 恋をしましょう(1960/米) | アクターズスタジオ経由で洗練と疲弊を得たモンローからトリックスターとしてのオーラは消えた。だから脳天気とはお世辞にも言えないモンタンとの調和は逆説的にあるのだが何か地味。キューカーとの親和もチグハグで地に足つかない感が横溢する。 | [投票] |
★4 | ポセイドン・アドベンチャー(1972/米) | 「モーニング・アフター」の調べと豪華客船での新年のカウントダウンという設定があるからこそ急転直下に始まる地獄行が帯びる一種の哀切味や、キャラクターが外見と正逆な内面を露呈し始める巧さは、先を急ぐだけの現在の映画には最早望めないもの。 | [投票(6)] |
★3 | アンカーウーマン(1996/米) | 業界盛衰譚を安定期の役者で無難に熟した以上でも以下でもないのだが師弟ものとして細部の尖ったリアリズムは蔑ろで恋する乙女の彼氏絶対観がヒジョーに安心。どっちにせよアメリカ映画であったことを心から幸いと思う。日本の女子アナだと眩暈を起こしそう。 | [投票] |
★4 | 007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997/米) | 展開が速すぎてタメがないことは今更言うまい。驚いたのはミシェール・ヨーに対するブロスナンがそこはかとなく共闘関係の男女の機微さえ醸し出した点。又ギリアム風味のジョナサン・プライスもナイスで3者が拮抗している。 | [投票(1)] |
★4 | バス停留所(1956/米) | アクターズスタジオを経たモンローの転換点。彼女の表情に窺える疲労感が狂騒的でステロタイプなハッピーエンドストーリーとミスマッチを起こし物語とは遊離した悲哀感を醸し出す。その瞬間が堪らなく愛おしい。 | [投票(1)] |
★3 | クリムゾン・タイド(1995/米) | 60年代では当たり前であった「核→人類破滅」の図式は後退し収縮した旧態な世界観でしか物語は語られない。2大俳優の正面衝突は全く見応え充分だしスコット演出も過剰さを押さえて巧みであるだけに、いじましいまでの安寧さにいらつきもする。 | [投票(1)] |
★3 | マスク(1994/米) | 驚いて目玉や心臓が飛び出し外れた顎が床に落下し体が何回転も捩れて飛んで行く…カートゥーンアニメの定番ギャグをCG実写で再現。やったもん勝ちだとは思うしまあ楽しめるが結局は気の利いたトレース以上ではない。オリジナル部分がてんで面白くないのだ。 | [投票(1)] |
★3 | 007/ゴールデンアイ(1995/米) | ムーア→ダルトンと下降線まっしぐらのシリーズが世につれ遂げた遅ればせながらの変革。あくまで追随者としてだが。飄々と軽やかに役こなすブロスナンにボンド役のステイタスが喪失した時代を感じ寂しい。ファムケのヴァンプなエロスは良い。 | [投票] |
★3 | パーフェクト・ワールド(1993/米) | とりたててヒネリが効いてるとも思えぬ真っ当すぎる浪花節をノーブルだが散漫な演出と凡庸な撮影でダラダラ見せられる。コスナーが良いので若干救われてるが所詮は狂気の域まで踏み切る訳もなく、イーストウッドに至っては役をキャラに引き寄せ過ぎ。 | [投票(1)] |
★2 | ティン・カップ(1996/米) | 実力があるのに、それを出し切れない理由として「わがまま」っちゅうだけでは話にならんと思う。それじゃあ実力も無くひたすら我慢の人生を送る俺みたいな野郎は浮かぶ瀬もない。何から何まで甘ったれたクソ映画。 | [投票(1)] |
★4 | お熱いのがお好き(1959/米) | 巧緻なパロディを織り交ぜた高品質な喜劇映画とは納得するが、キワどい題材だけに「高品質」であることが物足りなくもある。ラストも破壊的とまではいかない。ただ、何と言ってもモンロー!彼女のオーラだけはエターナル・サンシャイン。 | [投票(2)] |
★2 | 追撃者(2000/米) | 香港ノワール的ケレン味たっぷりのスタイルに耽溺するのは結構だが、ともかく、いつまでたっても一向に盛り上がらない。アンチ商業イズムの結果そうなってるのではなく頭が悪いだけみたい。マイケル・ケインなんて何しに出て来たのかさっぱりの無駄使い。 | [投票] |
★3 | スコーピオン(2001/米) | とことんな2大ワルの騙し合い化かし合いを期待したのにラッセルは結構良い人だしコスナーはガラじゃない感じ。そういう中途半端さはのっけのギンギラプレスリーコスプレ大会でのマジかシャレかの微妙な煮え切らなさから一貫して透徹されている。 | [投票(2)] |
★3 | ラッシュアワー(1998/米) | 命を張った芸で時代を築いたジャッキーがポッと出の喋くり男如きに何故に敢えて喰われる必要があるのだろう。それ程ハリウッドが大事であろうか。しかもピークを過ぎた落日の哀しさが相まって時代の認知が10年遅すぎた寂寥感のみが漂う。 | [投票(1)] |
★5 | 酔拳2(1994/香港) | 仕掛けで見せるのでなく功夫技のみを純粋に追求したジャッキー源流の集大成。脚本・演出ともに奇を衒ったとこは一切無く年齢ギリで臨んで彼が残した恒久遺産だと思う。酔拳の「酔」に拘りそれが自壊技であったことも押さえる。若い継母も好アクセント。 | [投票(1)] |
★3 | 新ポリス・ストーリー(1993/香港) | 正に行き詰まりであったのだろう。香港時代を総括する『酔拳2』の前年、今までのキャラを捨ててまでも臨んだ真性シリアス路線は決して悪くはなかったが、嘗ての華やぎは失われ斜陽の翳りは覆うべくもない。その寂寥感が堪らない味と思えば思えるのであるが。 | [投票] |
★4 | 風と共に去りぬ(1939/米) | 些か波瀾万丈過ぎな展開なのに、何がどうであろうと有無を言わせぬ堂々たる物言いを貫徹している。その感動的なまでのブレの無さ。栄光の汎アメリカ時代の幕開けを担うに足る単視眼だが確信的強靱さ。下手な訳知り顔を捨て諸手を挙げて物語に身を委ねるべき。 | [投票] |
★3 | パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち(2003/米) | 冒頭の前日譚のムード醸成の巧みさに、さすが密かに目を付けた男バービンスキーだと唸ったが、あとはダラな展開が続くだけだった。ラリ演技のデップが小男すぎて物語まで縮こまる。海賊ものは矢張りマッチョな筋肉のぶつかり合う音が聞きたい。 | [投票(5)] |