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★4 | ミッシング(2024/日) | 姉と弟がその時何してたかをメディアやネットは問うわけだが、当事者にとりそんな脇筋の話なぞどうでもよく、でも解決に繋がればの縋る思いから関与してる。だがそれが時に牙を剥き切り刻んでくる。さとみの号嗚も優作の咽泣もその現実を代弁してる。 | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★5 | リンダはチキンがたべたい!(2023/仏) | 物語がミニマム世界から多彩な人物参入を経て拡張し感情の閉塞が解き放たれプラス思考に転じ多幸感が増幅。深夜の静音のハイウェイとチャリでのトラック追走といった疾走の対比も鮮やか。佳境で融解する彼此岸の時空。加速するカオスのなかチキンは成仏する。 | tredair, ペンクロフ, ぽんしゅう, DSCH | [投票(4)] |
★5 | グランド・マスター(2013/香港) | ど素人のトニーをカット割りとスローで修飾したのではなく、カーウァイの必然としてそうなった。魂は逸らしてない。武芸に秀でても普通人な葉門を翻弄する時代の流れ。流れに抗して潰える高潔な魂ツィイー。ダダ漏れな情緒に浸りきる背徳的快楽。 | ルクレ, 死ぬまでシネマ, ゑぎ | [投票(3)] |
★4 | 突入せよ! 「あさま山荘」事件(2002/日) | 反体制への肩入れこそ良しとの亡霊が蔓延る業界内で官憲側から事件を描いた映画を撮るのは勇気が要ったと思うが原田は元々そういう自意識とは無縁だったのだろう。ショットの連結が産むリズムにこそ映画の真実はあるとの開き直りは有無を言わせぬ説得性。 | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★4 | あるいは裏切りという名の犬(2004/仏) | 力作ではあるが、ベッケルやメルヴィルにではなくジョン・ウーにリスペクトは向けられている。綿々たる情感の垂れ流しは嘗てのフィルム・ノワールの栄光に対する汚辱でななかろうか。フランス人じゃないからどうでもいいが…。 | モノリス砥石, disjunctive, ハム, 3819695ほか7 名 | [投票(7)] |
★4 | 汚れなき祈り(2012/ルーマニア=仏=ベルギー) | 良く言えば通り一遍でないが悪く言えば未整理。現代の悪魔祓いという題材を得て尚ムンジウは撃つべき対象に躊躇してる。女2人の関係の特異性が抽出され過ぎ、教会という体制は後景に退いた。ただ、ラストを筆頭に描写の即物感が醸すクールネスが堪らん。 | ひゅうちゃん, 3819695, 水那岐 | [投票(3)] |
★5 | 人生は四十二から(1935/米) | 鉄板の階級社会で骨身に染みた隷属根性を解きほぐすにはという命題に対して、そんな七面倒くさいこと止めちまえーの単細胞的アメリカンな物腰ハレルヤ。リンカーンのゲティスバーグ演説の降って湧いたかの如き朗唱を内実の変化に仮託するロートンの秘技。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | 辰巳(2023/日) | 前線から身を退いて死体処理稼業で凌いでるだけの辰巳が爆風に巻き込まれクソビッチを手助けする羽目になるが、心の何処かにそれも又良しの諦念があったのだろう。森田VS倉本の狂気エナジーに収斂された帰結が彼への手向となる。これも男の生き様。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★5 | 3−4X10月(1990/日) | 平素がどうであれ男達が有する内に秘めた怖さの突発的表出に対する既視感を繰り返しクローズアップ。わけてもたけし・渡嘉敷コンビの個人史に基づくリアリティが傑出してる。シュールな展開も脳内組成でない肌感覚。北野最高作。 | pori, 寒山拾得, 青山実花 | [投票(3)] |
★4 | 青春ジャック 止められるか、俺たちを2(2023/日) | 正直映画の中で決定的な何かが起こる訳でもない。寧ろショボい話と言える。だが、あの80年代の空気の中で何かが変わる何かをやれると遮二無二なって脇目も振らず七転八倒した彼奴とあの子とあの人たちとの話で井上の極私的心情に深く同期する俺がいる。 | 寒山拾得, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | 美しい星(2016/日) | フランキーの決めポーズの揺れが違う感じがするが、各人の覚醒を並行的に描く前半は一応良い。複数挿話の捌きに秀でる吉田演出の独壇場。しかし、振られたトンデモネタは後半収縮する。所詮、行き着くところが自然大事なエコ話では今更過ぎるのだ。 | KEI, ゑぎ | [投票(2)] |
★4 | M3GAN/ミーガン(2022/米) | AI細部の設定には為にする感があるにしても、このテンプレ設定を丁寧に見せ切ってやろうとの意思は感じる。何より自閉的な子どもにとってそれが強固な依存対象となることを嫌らしいまでにしつこく描いた点。そういった時代がすぐそこに来ている戦慄がある。 | t3b, トシ, おーい粗茶, ドド | [投票(4)] |
★4 | オッペンハイマー(2023/米) | ストローズとの確執にドラマの幹を見出そうとしたのにあれもこれも盛りすぎて骨太の感銘に至らない。アインシュタインとの池傍での会話を邪推し続けた愚物に対し脇目もふらない原爆バカの構図になり切れぬ高速時代トピック絵巻。それはそれで見応えはあるが。 | 緑雨 | [投票(1)] |
★3 | リボルバー・リリー(2023/日) | 市井に暮らす嘗ての伝説のスパイ&殺戮マシーンが再起動する。鉄板の設定に背景修飾も描き込まれているのだが行定の擬斗の魅せ方に斬新なキレは望めない。集団戦・タイマンともに凡庸。1人で100人倒すのはエモーションの喚起が要る。赤ちゃん要らん。 | トシ, disjunctive | [投票(2)] |
★3 | 女神の継承(2021/タイ=韓国) | 導入は搦め手から本尊へ迫る語りが悉く鋭利なショットの連鎖。だがモキュメンタリー手法が永続すると判るにつれウンザリ感も。冥府魔道の趣は答がわかるにつれ減衰してしまう。四足歩行の連中に至ってはもはや茶番。除霊儀式のハッタリも『来る』に及ばない。 | disjunctive, クワドラAS | [投票(2)] |
★3 | シビル・ウォー キャプテン・アメリカ(2016/米) | ヒーロー論は即ちに戦争論にすり替わる危うさを秘めてるなぞとお固いこと言う気もないが、結局は私怨に収束する展開になんじゃ?と思うのだ。CアメリカとWソルジャー絡みの殺陣はマーベル史上最高ランクだが、その他の新参が参戦し単なるバカ騒ぎと化した。 | カルヤ, Sigenoriyuki, プロキオン14 | [投票(3)] |
★3 | 海の上のピアニスト(1998/伊) | 寓話として興味深い設定ではあるが「世界の果てが見えない」という理由づけをトルナトーレがどこまで信じて説得性を持たせ得たのか疑問。批評性もなく只管に情に浸って哀感を垂れ流す気色悪さだが、語り部の叙述体が魅力的で平衡感覚を辛うじて付与した。 | ダリア, ぽんしゅう, ジェリー | [投票(3)] |
★5 | 裸の島(1960/日) | 設定が如何にもな形式主義を纏うのだが、それを感じさせぬ細部のリアリズムに満ちている。そういった器と中身が渾然として昇華した果てに生きとし生ける哀しみと歓びが現出するあたりプロパガンダ臭の欠片もない。仰角アップが安易な賛歌めいてないのも良い。 | disjunctive, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★4 | 落下の解剖学(2023/仏) | 逆『アマデウス』と言える過去の内実が明らかになる後半の法廷で裁定の行方を決める子供の証言がチャイルドシッターおばさんの何気ない一言で確定される運命の非蓋然性。全ては霧の中に葬られ限りない親父の悲哀が残滓のように宙空を漂う。透明な空気の中で。 | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★4 | こころの湯(1999/中国) | 癒しを標榜する映画は好かないが、これは癒し場を背景にしただけで、その実登場人物達は徹底してドライニ突き放されている。映画の前後に同尺の物語があってもいい、その中盤とも言うべき部分を説明無く抽出したのが、それで語れるという作者の自信だと思う。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |