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★3 | スカーフェイス(1983/米) | 一丁やったれの成り上がり期が過ぎ出来上がってしまうと生き様の停滞と同期して物語も内向。コカイン塗れのパチーノの疲弊感が世界を閉ざす。デ・パルマ流ギミックも影を潜め限りなく凡化。序盤のコロンビア人との取引のみ腹芸と編集が噛み合い傑出。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | セーラー服と機関銃(1981/日) | 「暴走族」と「屋上」の長回しが意味不明で物語に寄与せぬことで突出し、少女の女への成長譚解釈が正反な赤川と相米のギクシャクした相克の表出。それが一種青春の痛々しさへと転じる幸運。三國の怪演がリードする後半のアブノーマルな歪さも良。 | モノリス砥石, ぽんしゅう, kaki, 水那岐 | [投票(4)] |
★2 | デッドプール&ウルヴァリン(2024/米) | マルチバースなるシャブに依存した過去遺産の食い潰し。箱庭水槽の中でタコが自分の足食って美味い美味いと喜んでるよなもんで、そんなんオモロくも何ともない。全てを飲み込んでいくディズニー帝国の中で尾っぽ振ってお追従かましてるのも矜持を欠くっての。 | ロープブレーク | [投票(1)] |
★5 | ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024/米) | ジョーカー完成への連結作の途を棄て馬脚を顕わすに直走る物語だが、ガガの期待に揺れるホアキンの煮え切らなさと拘置所・法廷に閉塞する舞台の抑圧を解き放つ為博奕を打って鮮やかに成功した。朗々と歌われるど真中ポップスにメンタリティは震撼。 | 緑雨, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★4 | 雨の訪問者(1970/仏) | 服買うくらいしか生きる寄す処のない薄幸女が見舞われた災厄に見知らぬ男が現れて助けてくれるという、女性の白馬の王子様願望をドテかぼちゃ男が転倒させるが、予想外の身の熟しとダンディズムが価値観を再転倒させる。このブロンソンには男も惚れるぜ。 | KEI | [投票(1)] |
★3 | ランボー(1982/米) | 展開の単純さを押し破り表出する使い捨てられた者のエモーショナルな悲哀と怒り。アメリカ地方都市の保守反動な排他性はニューシネマの脈流と直結しスタローンの浪花節的泣きを孤高の高みに押し上げる。唯一の理解者の大佐が又世界との孤絶を弥増させる。 | ダリア, ペンクロフ, DSCH | [投票(3)] |
★4 | 自由の代償(1975/独) | 特筆すべきは語りの省略でファスビンダーが描きたいものに注力するに不要と見做されたのは偏見とかも等位なのだろう。搾取側の論理とそれに踊らされ貪り尽くされた男の純愛を冷徹に突き放し描いていく稀代のリアリスト。バルハウス撮影の膨よかさも。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★2 | 去年マリエンバートで(1961/仏=伊) | 何が本当で何が妄想なのかというテーゼは皮相なことにこの映画を観たこと自体が妄想だった気がするという締まらない帰結に拡散する。難解なのは望むとこだが終始ゆっくりトロトロ移動するカメラの動きの、はまったツボが俺のレム波動に同期した結果であろう。 | いくけん | [投票(1)] |
★5 | レニー・ブルース(1974/米) | この男は1人で落ちて行くのではなく女も一緒に落ちて行ってくれたからまだしも救われたような気がするが、孤独な哀しみも倍加する。直前までヴェガスのショーガールだったというバレリー・ペリンの圧倒的な存在感が他の同趣向の作品と一線を画す要因だ。 | いくけん | [投票(1)] |
★5 | アパートの鍵貸します(1960/米) | インモラルと純情や下衆根性と誠実は表裏であることをワイルダーは最高に哀切なロマンティシズムを背景に呈示し、付与のキャラと正反なシャーリーの翳りとレモンの誠実を抽出した。イヴの狂騒を逃れてアパートへ向かう。その倹しい喜びの至福。 | 緑雨, 水那岐 | [投票(2)] |
★4 | スターリングラード(2001/独=米=伊=アイルランド) | 2番煎じと迎合を乗り越えて根源的な人の本能を発現する役者たちが煌めいている。ハリスの醒めた闘争心とレイチェルの刹那な性衝動はプリミティブにドラマの強度を高めた。外縁部に置かれたホプキンスとパールマンが又効果的な置き石なのだ。 | t3b | [投票(1)] |
★3 | 自殺サークル(2002/日) | 3流なスプラッター描写も陳腐なサスペンス描写も辟易するが、一方で寺山映画のJ・A・シーザーを彷彿とさせる鎮魂歌のような音楽の吸引力。途方も無い絶望感に覆われた21世紀初頭の日本を描いて文句無く哲学ホラーとして黒沢清よりは深い。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★2 | 心中天網島(1969/日) | 脚本・撮影・美術・音楽と成る程、時代の先鋭を感じさせる前衛的スタッフワークは素晴らしいのだろうが、何だかこれみよがしな感じがする。そんなのばかりが前面に出て心中に至るパッションが後方に霞むのであれば本末転倒じゃないだろうか。 | disjunctive, TOMIMORI, ぽんしゅう, 町田ほか5 名 | [投票(5)] |
★4 | レナードの朝(1990/米) | 2人の役者の演技は各々の芸風を抑制しつつ四つに組む感があるが相乗効果とまでは言いがたいし、展開も余りに平易なものなのだが、この映画を包む女性監督らしい慈愛に充ちた優しさには素直に打たれる。それは何かを確信してる者だけが為し得る強度なのだ。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | ゴジラ-1.0(2023/日) | 神木がヘタレであることを明言しないとドラマトゥルギーは起動しないのにシラを切り通して山崎は胆力あるのか観客舐めてるのか微妙である。新宿壊滅シークェンスの予想の上いく破壊のディテールと初作『ゴジラ』へのオマージュ拡大再構築は文句ない。 | 水那岐, おーい粗茶, ひゅうちゃん | [投票(3)] |
★3 | Cloud クラウド(2024/日) | 老境に差し掛かる黒沢の70年代映画への郷愁を塗した出涸らし集大成の感があるのだが、乾いた反リアリズムの一方でナウな時代性への追っつかなさが露呈して気持ち悪い。『クリーピー』で到達した映画言語弄士の域からの後退。買えるのはバスシーンのみ。 | クワドラAS, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | 悪魔と夜ふかし(2023/豪) | 巧妙な贋作器は出来上がったものの中に入れた料理はやっつけ感拭えない。どうせなら紛い物で押し通せばよかったのに何かやろうとして追っついてない。邪教集団とフリーメイソン擬き、亡妻と精神科医など撒き散らしたネタが半端。行ってこいのラストは良い。 | ペンクロフ | [投票(1)] |
★5 | ポトフ 美食家と料理人(2023/仏) | 男の恋人や妻になるより料理人でいたかった。ということを決して声高に言うでなく時代や階級差を背景に蕭やかに、だが全存在で料理人としての悦びやプライドを醸すピノシュ。圧巻の調理シーンの練達の手際を含めて余韻はボディブローのように効いてくる。 | ひゅうちゃん | [投票(1)] |
★4 | 土を喰らう十二ヵ月(2022/日) | 自生食材を採取し蒸して熱々を喰う。美味い酒があれば尚いい。12ヶ月をかけたそのリアリズムへの拘りは魚肉偏重の俺をも溶き解す。義母や亡妻や彼女との別れは過ぎ去っていき変わらぬ日々が続くだろう。そういった枯淡の境地を沢田は力まず体現してる。 | づん | [投票(1)] |
★3 | チャップリンの失恋(1915/米) | 一方的勘違いの岡惚れが彼氏の登場によって粉砕されしゅーんバカだな俺ほなサイナラと旅立つ。でも優しく労わってくれる妹さくらはいない。そう考えると寅は果報もんよのー、とか思えてしまうくらいの原型強度なのだが、如何せんチャーリーけっこうイヤな奴。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |