[POV: a Point of View]
映画の教科書〜サイレント再考
音に頼らずにいかに映像で語ることができるか?コレがサイレントの楽しさ。技術の進歩の前になおざりにされがちな、様々なアイディアの原体験。教えられるものは今なお大きいデス。淀川先生の後継者の登場を祈りつつ・・・。A:有名どころ。普段サイレントを見ていなくても、接する機会が多いと思われるもの。B:名匠の原点。トーキーに移ってからも活躍している監督。C:散っていった才能。トーキー以降よりも圧倒的に知名度が高い、根っからのサイレント監督の作品。D:未見。その中でも知名度が高いものを挙げておきます。ちなみにチャップリンは別格として、あえて省きました。キートン、ロイドは一本づつ。(ちなみに作品はページに飛んで頂ければ詳細が分かると思いますので、一言コメントは簡単な監督紹介にさせて頂きました。)
B | 極北のナヌーク(1922/米) | ロバート・フラハティ:グリアスン等の作家に影響を与えたドキュメンタリー映画の父。他に『アラン』等。 | ||
B | ビッグ・パレード(1925/米) | キング・ヴィダー:代表作もかなり多い。中でも市井の人々を主題にした作品に、特徴が出ている。 | ||
B | 暗黒街(1927/米) | J・V・スタンバーグ:ハリウッド娯楽作の第一人者にして、偏執的なまでに「女性の美を追求する」作家。 | ||
B | 群衆(1928/米) | キング・ヴィダー:『ビッグ・パレード』参照。 | ||
B | 紐育の波止場(1928/米) | J・V・スタンバーグ:『暗黒街』参照。 | ||
B | 三悪人(1926/米) | ジョン・フォード:『アイアン・ホース』参照。 | ||
B | ウィンダミア夫人の扇(1925/米) | エルンスト・ルビッチ:『結婚哲学』参照。 | ||
B | イタリア麦の帽子(1927/仏) | ルネ・クレール:フランス小市民劇の名匠。サイレントの味を最もトーキーに受け継いだ監督(と思う)。 | [comment] | |
B | ストライキ(1925/露) | セルゲイ・M・エイゼンシュテイン:『戦艦ポチョムキン』参照。 | ||
B | 十月(1928/露) | セルゲイ・M・エイゼンシュテイン:『戦艦ポチョムキン』参照。 | ||
B | 乗合馬車(1922/米) | ヘンリー・キング:息の長い活躍を見せた監督。後にメロドラマの名手と言われ、『慕情』などを残す。 | ||
B | 男性と女性(1919/米) | セシル・B・デミル:風俗映画を手掛けた後、『十戒』を始めとしたスペクタクル映画で名を馳せる。 | [comment] | |
B | 喜びなき街(1925/独) | G・W・パブスト:ドイツ表現主義の中でもやや社会派寄り。トーキー後は『炭鉱』『三文オペラ』が有名。 | ||
C | 鉄路の白薔薇(1922/仏) | アベル・ガンス:『ナポレオン』参照。 | ||
C | グリード(1925/米) | エーリッヒ・V・シュトロハイム:長大な映画で知られる、ハリウッドきっての怪人。俳優としても活躍。 | [comment] | |
C | 幌馬車(1923/米) | ジェームズ・クルーズ:俳優から転向した監督。他にも「駅馬車」などで、サイレント西部劇の発展に貢献。 | [comment] | |
C | 散り行く花(1919/米) | D・W・グリフィス:『イントレランス』参照。 | [comment] | |
C | ロイドの要心無用(1923/米) | ハロルド・ロイド:キートンと同様、スタント無しの体を張った芸風。(監督はテイラー&ニューメイヤー) | ||
C | 雄呂血(1925/日) | 二川文太郎:脚本の寿々喜多呂九平と共に、阪妻を世に送り出す。本作がその二本目となる。 | ||
C | 風(1928/米) | V・シェーストレーム:スウェーデンサイレント映画の巨匠。『野いちご』では俳優として名演を残す。 | [comment] |
■未登録作品■
●鑑賞済みで重要だと思われるもの
・『霊魂の不滅』ヴィクトール・シェーストレーム(C)
・『モヒカン族の最後』モーリス・トゥールヌール(C)
・『裏町の怪老窟』パウル・レニ(C)
●未見で知名度の高いもの。機会があれば鑑賞したいもの。
・リュミエール兄弟作品
・『カビリア』ジョヴァンニ・パストローネ('14)
・『テューブ博士の狂気』アベル・ガンス('15)
・『波高き日』ヴィクトール・シェーストレーム('16)
・『鬼火ロウドン』ウィリアム・S・ハート('18)
・『さらば青春』アウグスト・ジェニーナ('18)
・『生恋死恋』ヴィクトール・シェーストレーム('18)
・『吹雪の夜』モーリッツ・スティルレル('19)
・『戦争と平和』アベル・ガンス('19)
・『サタンの書の数ページ』カール・T・ドライヤー('19)
・『牧師の未亡人』カール・T・ドライヤー('20)
・『破片』ループ・ピック('21)
・『女郎蜘蛛』ジャック・フェデー('21)
・『エル・ドラド』マルセル・レルビエ('21)
・『雪崩』ジャック・フェデー('23)
・『キーン』アレクサンドル・ヴォルコフ('24)
・『ミカエル』カール・T・ドライヤー('24)
・『救いを求むる人々』ジョゼフ・V・スタンバーグ('25)
・『三人』トッド・ブラウニング('25)
・『栄光』ラオール・ウォルシュ('26)
・『帝国ホテル』モーリッツ・スティルレル('27)
・『忠次旅日記』(一部のみ現存)伊藤大輔('27)
・『港々に女あり』ハワード・ホークス('28)
・『帰郷』ヨーエ・マイ('28)
・『結婚行進曲』エーリッヒ・V・シュトロハイム('28)
・『クラウス小母さんの幸福』ピール・ユッツィ('28)
・『人生の乞食』ウィリアム・A・ウェルマン('28)
・『テレーズ・ラカン』ジャック・フェデー('28)
・『崇禅寺馬場』(一部のみ現存)マキノ正博('28)
・『武器庫』アレクサンドル・ドヴジェンコ('29)
・『一番強い者』アルフ・シェーベルイ('29)
・『アスファルト』ヨーエ・マイ('29)
・『トゥルクシブ』ヴィクトル・トゥーリン('29)
・『流し網船』ジョン・グリアスン('29)
・『何が彼女をそうさせたか』鈴木重吉('30)
●焼失などで現在観ることのできない「幻のサイレント」
・『闇に落ちた人々』ニーノ・マルトリオ('14)
・『四人の悪魔』F・W・ムルナウ('29)
・『アマチュア倶楽部』栗原トーマス('20)
・『京屋襟店』田中栄三('22)
・『街の手品師』村田實('25)
・『荒木又右衛門』池田富保('25)
・『紙人形春の囁き』溝口健二('26)
・『足にさはった女』阿部豊('26)
・『彼をめぐる五人の女』阿部豊('26)
・『日輪』村田實('26)
・『海の勇者』島津保次郎('27)
・『村の花嫁』五所平之助('28)
・『新版大岡政談』伊藤大輔('28)
・『陸の王者』牛原虚彦('28)
・『彼と東京』牛原虚彦('28)
・『血煙高田馬場』伊藤大輔('28)
・『灰燼』村田實('29)
・『日本橋』溝口健二('29)
・『生ける人形』内田吐夢('29)
・『斬人斬馬剣』伊藤大輔('29)
・『首の座』マキノ正博('29)
・『逃げ行く小伝次』伊丹万作('30)
・『仇討選手』内田吐夢('31)
・『嵐の中の処女』島津保次郎('32)
・『弥太郎笠』稲垣浩('32)
・『抱寝の長脇差』山中貞雄('32)
・『熊の八ツ切り事件』斎藤寅次郎('32)
・『盤嶽の一生』山中貞雄('33)
・『風流活人剣』山中貞雄('34)
・『この子捨てざれば』斎藤寅次郎('35)
※他に「これは入れておいた方が良い」というものがあれば、お気軽にメール下さい。加えて、現在(特に日本映画で)観られるものと観られないものが違うことがあると思いますので、ご指摘頂ければ幸いデス。
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