★4 熱帯の黙示録(2025/ブラジル) |
宗教は必ず腐敗し、教祖の思想を裏切る。それは多くの原理主義者の行動で証明されてきたことだ。新たに誕生した思想が、絶対的な人々の支持を得るために代表の聖典に救いを得、ちょうど都合のいい文章を見つけ、無謬のお墨付きを得るからだ。宗教の宿命は多くの弱者に、残酷な事実を暴露して見せられねばならないことだ。 |
水那岐 (2025年08月03日) |
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★4 フォー・レター・ワーズ(2000/米) |
起承転結はない。教訓も主張もない。深夜の3時あたりから夜明けまで、20歳前後の野郎たちの煮詰まった乱痴気騒ぎがひたすら描かれる。停滞し浪費される時間。停滞は彼らのなかで“何か”が終わろうとしている証しであり、浪費は次の“何か”に向かうための空ぶかし。
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ぽんしゅう (2025年08月03日) |
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★3 入国審査(2023/スペイン) |
これほど「密室劇」に必然性のあるドラマも近頃珍しい。「人間性」まで疑ってくる審査。工事の騒音が主人公たちの不安な気持ちを搔き立てる。そして、エンディングの絶妙さ。まさに「緊張と緩和」。 |
AONI (2025年08月05日) |
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★3 必死剣 鳥刺し(2010/日) |
「必死剣」いつ繰り出すんだ、とジリジリしながら待つクライマックス。 封建社会の非情・残酷さを描くストーリーは嫌いじゃない。村上淳、岸部一徳はこういう役やらせると、まさに水を得た魚ですね。 |
AONI (2025年08月02日) |
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★4 新宿泥棒日記(1969/日) |
状況劇場が美人に対するゲイの悪態にしかならないようなくやしさを鎮める価値観は、時の氷結した紀伊国屋の文芸空間にあるのだが、田辺茂一は台詞が言えないから、その神殿で横山リエにセクハラされているように見えてらしくない。 [review] |
disjunctive (2025年08月01日) |
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★4 狩人の夜(1955/米) |
旅の末に兄弟が発見したのは善と知性の互換であり、知性の作用がサイコパスを自律性喪失の症例に通俗化する。川辺の線形はそもそも芝居が違う異種族を架橋するために書割寸前の遠近法を構成し、二人を誤算的な唱和に至らしめ、恐怖喜劇を訓話に落とし込む |
disjunctive (2025年08月01日) |
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★4 赤い天使(1966/日) |
大戦下の呵責ない野戦病院の凄惨は相当にキツいが、そこまでやらねばこの物語は成立しないという増村のドグマ。極限下に於ける男女のエロスは文子と芦田が虚無と諦観を纏った胆力でガチに拮抗しており本当素晴らしい。一人称「西」がまた萌える。 |
けにろん (2025年07月31日) |
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★3 東京騎士隊(1961/日) |
なんだ、清順にしては普通に面白いだけじゃないか、というような感想がもれてしまう、普通に良く出来た日活アクション。とは云え、やっぱりどうしても、ちょっとは清順らしき細部を探したくなるのが、人類共通のサガというものだろう。
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ゑぎ (2025年08月01日) |
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★4 DROP ドロップ(2025/米) |
全体の尺の凡そ2/3がホテルの展望ラウンジの高級レストランという限定舞台を徹底的にしゃぶり尽くそうという設定・意匠・配役。あざとさを気にすることなく腰の据わったオールドテイストが今風の意匠と巧く噛み合ってる。セット美術の出来の良さも一級品。 |
けにろん (2025年07月31日) |
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★4 ハルビン(2024/韓国) |
安重根の個人的な内面に切り込むというより抗日義勇軍の組織的な「伊藤博文暗殺プロジェクト」を描いたもの。結果、日本軍に拉致拷問され密告者にされる男の方が印象的。日清露の思惑が錯綜し歴史の奔流にさらされた街ハルビン。そのロマンティシズムの片鱗。 |
けにろん (2025年07月31日) |
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★4 顔を捨てた男(2023/米) |
宣伝ビジュアルに抱く好奇心や嫌悪感。それがあなた(たち)の心中に潜む偏見ですよと奇をてらうことなく諭すファンタジー仕立ての正論は、ルッキズム批判を超えて人生論へと至る。心地よく安堵しつつも後ろめたさを掻き立てられるアーロン・シンバーグの技あり映画。
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ぽんしゅう (2025年07月31日) |
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