人気コメント | 投票者 |
★5 | 顔(1999/日) | 「白馬の王子様」は現れない。 [review] | 赤い戦車 | [投票(1)] |
★3 | MEMORIES(1995/日) | 「表層的」「こぢんまり」などの否定的評もうなずけるが、かといって長くすると大友は必ず破綻する。破壊描写になると俄然冴えるのも逆にみっともない感があり、突き抜けないもどかしさは否定出来ないが、美点は結構ある。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★5 | ギター弾きの恋(1999/米) | 俺はモートンの激可愛さで失神・・・というのは現実には嘘だが、心象の比喩という意味では誇張はゼロ。エメットはばかやろうだが、その「ばかやろうだからこそ奏でられる音楽」のほろほろした哀しさと美しさを描く説得力が凄い。しれっとした表情で放り出されるギャグや夜の光のやわらかさも全てが完璧で、ペンとアレンの頭を愛をこめてギターでぶん殴りたくなる。「このばかやろう」と。宝物のような一本。 | けにろん, ナム太郎 | [投票(2)] |
★4 | ミラーズ・クロッシング(1990/米) | 「簡単」な足し算引き算のはずが、痴情のもつれで無意味に複雑になり、加減乗除を繰り返してつじつまを合わせようと躍起になっているうちに遂には「ゼロ」をかけてしまう。やがて訪れる無常。ナルシスティックなハードボイルドに見せかけて甚だしく嘲笑的な計算式がいかにもコーエンらしい。そして「帽子」の映画。 [review] | 3819695, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | ランボー 最後の戦場(2008/米=独) | 修羅の庭で機関砲を乱射して咆哮するスタローンの表情は泣いているようにしか見えないが、それはあくまで歓喜の涙である。嫌カタルシスという同時代コードを一瞬で消し炭にする超暴力。一種の神殺し。待望の絶対悪掃滅によって不義のベトナムを克服し、神に苛まれることもなく、遂に彼は胸を張って「家に帰る」ことが出来る。たとえ彼を迎える者がいなくても。そして彼は真の怪物となる・・・のか? [review] | Orpheus, 3819695, けにろん, 煽尼采 | [投票(4)] |
★3 | 恋の罪(2011/日) | 流麗なタイトルロゴ、「ソーセージの試食」や「朗読会」など抱腹絶倒で、バッカじゃなかろかと思わせるが、確信犯だろう。エロで堕ちるという下世話命題を描くにあたり、陳腐な昼ドラ文法をなぞりつつの戯画的下品さの中に嘲/冷笑をのぞかせる導入は間違ってはいない・・・いないが、マジになり出してから文法がおかしくなる。 [review] | ナム太郎, けにろん | [投票(2)] |
★5 | デス・プルーフ in グラインドハウス(2007/米) | 徹底的にフィクショナルであること。暴力はファンタジックな娯楽であること。それは映画以外ではしてはならないこと。転じて映画にしかできないこと。それはタランティーノの「正常」な映画的倫理観であり、映画における原理主義的な姿勢でもある。私はそこに最も共鳴する。小賢しい思想や説教なしの、「アクションとキャラだけに痺れる」という、このぎょっとするような高度の単純化がもたらす圧倒的カタルシス。 [review] | mitsuyoshi324, 3819695, 水那岐, 緑雨 | [投票(4)] |
★4 | アドレナリン:ハイ・ボルテージ(2009/米) | 『シューテムアップ』なアホを期待したが、けにろんさんのご指摘通り、これはむしろ『鉄男』であった。愚直な生存欲求とテキトーから繰り出されるとんちの数々。テーゼ上も「鉄男」と相似形とすれば、「鉄」「充電」というモチーフを通じて「都市との同化と克己」、人間機械論という面から見て意外と深い・・・なんてことはない。多分。あくまで目的はモラルの破壊と快楽=ロックポルノ。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★5 | ファンタスティック Mr.FOX(2009/米=英) | ファンタスティック・・・!(再見してレビュー改稿) [review] | わっこ, disjunctive, moot, 赤い戦車 | [投票(4)] |
★4 | 遊星からの物体X(1982/米) | 笑っちゃう画が確かにあるが、真の絶望は冗談を引き連れて現れる、という視座から観ると完全に妥当だ。しかも様々な表情の死が大挙して観る者を襲う。餓死、凍死、焼死、肉を切り裂かれ貫かれる痛みへの恐怖。しかしそれらを遥かに凌駕する「私が私であるという確証がどこにもなくなる」という「個・我」の死という恐怖を生者に強いる映画だ。 [review] | わっこ, 3819695, けにろん | [投票(3)] |
★5 | インランド・エンパイア(2006/米=ポーランド=仏) | そう、これが魅惑の「電波」の世界。「狂気」のシステムをめぐる最狂の「ジャズ映画」。何たる恍惚。乙。 [review] | 赤い戦車, 3819695, 浅草12階の幽霊, ジェリー | [投票(4)] |
★3 | デンデラ(2011/日) | 因習の業の果て、冷炎の地獄(現世)に燃え上がる最後の炎。裁かれる「ヒト」、裁く「神」。血も涙もないカタストロフか、深遠なる神殺しのいずれに振れるかと期待を高める前半の構成は中々。境界を超越して真の闘士となる浅丘ルリ子の凛々しさもよい。秩序=倍賞美津子、破壊=草笛光子の寓意に溢れた対比的配置も効果的だが、だからこそ修羅としてのヒトと審判者の激突が不完全燃焼。神の見せ方が大人しすぎる。 [review] | わっこ, 水那岐 | [投票(2)] |
★4 | ミックマック(2009/仏) | スクラップ製の悪戯で暴力をおちょくり倒すという心意気。ユーモアは世界を救う。「暴力はユーモアで軽く凌駕できる、むしろすべきだ、え?何かおかしい?」とでも言わんばかりの素朴な楽観的哲学を浅慮と見るか否かは自由。私はこの愛しき浅慮を肯定する。また、戦争被害を一言で「流れ弾」と示唆する導入が結構鋭い。「ジュネ主義的」なコミカル演出・撮影もクリーンヒット。世界観と矛盾しない。 [review] | わっこ, tkcrows, 3819695 | [投票(3)] |
★4 | ザ・ウォーカー(2010/米) | 暴力に代わる「こころ」の守り手もまた暴力の執行者であるという矛盾に自覚的で、「真の信仰はお前の中にある。形式や政治の問題ではない」と再構築するワシントンの佇まいからして、風評から推測される十字軍あんぽんたん映画ではない。褐色・赤・黄の色彩で語られがちな焦土描写に対峙する真っ白に焼かれた「光」の荒廃ルックの一貫性がいい。焦土=死の谷というのも効果的。グラサンというアイテムもグッド。 [review] | 3819695, けにろん | [投票(2)] |
★1 | アイ・アム・キューブリック!(2005/英=仏) | わざわざ「キューブリック」の名を選んで騙り続けるという、無謀な嘘への妄執。しかも本物と似ても似つかぬ孤独な同性愛者。何がコンウェイをそこまで駆り立てるのか、どれほどの実存的危機が彼を襲ったのか、コンセプトがネタバレしてる時点で後半の興味はその微笑ましい狂気のルーツ一点に尽きると思う。だが、有名人崇拝を茶化す笑いに逃げるだけのだらしなさ、マルコヴィッチの変態演技への甘々な依存ぶりに嘆息。 [review] | 煽尼采 | [投票(1)] |
★4 | ドッペルゲンガー(2003/日) | 役所や柄本で驚く必要は全然ないが、ユースケの使い方を見るに付け、黒沢清の「”本当にヤバい奴”描写」の正しさに恐れ入る。劇中でほとんどキャラに笑わせることをしない黒沢演出だが、罪の意識(つまんない言葉!)とか心を統制する全てのタガが外れたような「笑い」を突如放り出すカッティングが最高。ケタケタクルクル笑う永作のコワ可愛さをはじめ、クセになる画が満載。 [review] | 3819695, けにろん | [投票(2)] |
★5 | 蒲田行進曲(1982/日) | 「愛」と分かちがたい「憎」のぐちゃぐちゃが深みを与える「銀ちゃん・・・かっ・・・こいい」。愛も憎もサドもマゾも本質的には変わりないという証明。混沌とした「便宜的に愛とよばれるもの」を描いて比類ないと思う。この混沌とした極端こそ、私が映画に求めるものです。 [review] | けにろん, ナム太郎, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★5 | バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985/米) | 過去への愛着を「あーあ、昔は良かったな」と年寄り臭く耽溺するためのものでなく、現在(いま)と未来を輝かせることにつなげるパワーとして、活劇・設定・ネタに必然性をもって結びつける手際の鮮やかさ。何しろ題名が素晴らしい。元気な映画。誠実で元気な映画なんて、世紀末以降はほとんど観たことない。俺たちは「元気であること」に疑い深くなってしまったんだな。あーあ、昔は良かったな、なんて。
[review] | 山ちゃん, けにろん, ダリア, ナム太郎ほか5 名 | [投票(5)] |
★5 | キル・ビル Vol.2(2004/米) | 復讐者に倒されることを待ち望むかのような倦怠を漂わせつつも、条件反射のように殺しの手練れが顔を覗かせてしまうマドセンの屈折が個人的には好物。その倦怠と渇きが曝されるテキサスの荒野をはじめ、情念とロケ、シーンのケレンの配合が違和感なく完璧で、半端なく高揚する。冒頭のモノクロで悶絶。ラストは勿論、妊娠発覚の下りやギャグが侵食するトレーラーの死闘も最高。 [review] | 3819695, けにろん | [投票(2)] |
★5 | 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英) | 性的欲求不満と疑心に端を発する錯誤の連鎖に収拾がつかなくなる様が最高。キーはコミュニケーション不全。双方向会話は完膚無きまでに機能不全(「暗号」というモチーフが完璧)。調停者たらんとする禿頭米大統領の猫なで声の無力感と可笑しさ。不能コミュを尻目に、爆撃機の「交尾」や「発射」、「体液」などの性的一方通行的モチーフばかりが雄弁に成立(屹立!)し、諧謔王キューブリックの絶技と冷笑が炸裂する。先生ありがとう。 [review] | ゑぎ, けにろん, 水那岐, ぽんしゅう | [投票(4)] |