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DSCHさんの人気コメント: 更新順(14/22)

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★5チャッピー(2015/米=メキシコ=南アフリカ)ヨハネスブルグというカオス的「現実」を創作の強みとして持つブロムガンプの『ピノキオ』。絶対良い。ぐちゃぐちゃだが、これぞ監督の持ち味で、混沌の世界の中心で立ち竦むチャッピーの姿に切々と沁みる叙情性を与えている。未整理のまま怒りを叩きつける純情なベタさ、粗さがたまらない。掃き溜めに咲く花のようなベッドサイドストーリーを筆頭に、正直涙が止まらなかった。コプリーの演技も◎。ぽんしゅう[投票(1)]
★2エル・トポ(1969/メキシコ)これを百万回観ても、『火の鳥』を一回読む価値に及ばないと思う。贖罪の件などゲンナリするほどのナルシシズムで、宗教とはそういうものという皮肉があるでもなく正攻法なおかげで、結局半端な優等生映画に堕している。故に悪趣味が悪趣味でしかないという矛盾。ロケの異常なセンスは買う。 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得[投票(2)]
★4冷たい熱帯魚(2010/日)「巨人」か「迷える子羊」か。何だそこに着地するのか・・・って実話だから仕方ないのか。どこまで盛ってるか知らないですけど。マーラー?私は嫌いです。 [review]おーい粗茶, セント[投票(2)]
★5風立ちぬ(2013/日)実際のところ、監督は世界を滅ぼしたいのだろうと思っていた。最後に何か撮るなら、タタリ神として、終わる世界を描いて欲しいと思っていた。だってすごく面白そうだから。でも、今、業を見据えて、翼が呪いから解放される日、未来を確信する「風」を描いた映画を託してくれたことが嬉しい。それも掛け値なしの本当の言葉で。『ナウシカ』のあの日のように「風」は止まないのだ。最高傑作と思う。(原作未読) [review]ALOHA, pori, 3819695, 緑雨ほか11 名[投票(11)]
★4ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009/米)「後出しじゃんけん的設定」が可能にする「状況」のつるべ撃ちの面白さ。時系列で翻弄されてもちいとも面白くないはずだ。「呑んじゃった」後だから良い。少なくとも鉄板ネタを一回捻る志の高さが嬉しい。大騒ぎすべき水準ではないし、懐疑的な輩をねじ伏せる腕力はないと思うけど、徹頭徹尾阿呆でありながらギリギリ悪ノリせず(ほぼ)必然の範囲で慎ましいという良心的なスタイルは素直に歓迎したい。 [review]ぽんしゅう, 緑雨, 煽尼采, 3819695[投票(4)]
★4ローズマリーの赤ちゃん(1968/米)「侵入」そして「つわり」の映画。現代都市を密室・聖域の集積の完成形と解釈するなら、この気色悪さはやはり都市に生きる我々だから感じるものだ。隔てる壁を超え、部屋という空間のみならず、五感、果ては胎内まで「侵入」する他者。そして他者の密室・聖域に取り込まれる。恐怖というよりも、嫌悪感。共同体によるレイプ。精緻過ぎるポランスキーの技に次第に吐き気を催してくる。ホラーというカテゴライズには若干疑問符。 [review]Orpheus, ぽんしゅう, ジェリー, 山ちゃんほか5 名[投票(5)]
★3TOKYO TRIBE(2014/日)血と暴力の世界でLOVE&PEACEを勝ち取りたければ、代償として血塗れになるしかない。ヌルい言説に対する的厳しさは汲んだ。屍を越えたLOVE&PEACEこそ本物だ。でも、実際に収斂までされると机上の空論的で空々しく、情念が湧き上がらない。照れ隠しの猥雑演出やギャグの滑り、タラへの目配せもいい加減キツい。園ってばホント助平、と感心もしたし、地獄の描き方に腹の据わりも感じたけど。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★5うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984/日)やはり傑作だろう。「夢」という名の共同幻想の中でまどろむ都市への疑義。押井の原風景。その夢は「ビューティフル」かもしれないが、醒めなければ実はまどろみの中で腐り果てるだけなのだ。「夢」とは甘やかで強い。この後ろ髪ひかれる甘酸っぱさは、「夢」を描いたものとして極めて正しい味付けであり、そして押井にとって最も優しい作品なのかもしれない。 [review]Orpheus, アブサン, ダリア, セントほか5 名[投票(5)]
★5気狂いピエロ(1965/仏)最強のアイドル映画。 [review]寒山拾得, ジェリー, ペペロンチーノ, けにろん[投票(4)]
★4ダーティハリー(1971/米)無人のスタジアムは、実はハリーと犯人の<観戦者>つまりハリーに守られた映画内市民と、映画を<観る>我々で埋め尽くされている。世界の中心を示唆するロングショット。「神が殺らなきゃ誰が殺る。お楽しみだな、視姦者共」ということだろう。冒頭、街の全てを見下ろすビルの屋上に銃を携えて佇む犯人と警官達。街<世界>はそうして出来ている、という詠嘆。『ダークナイト』に接続する物語。 [review]けにろん[投票(1)]
★4オールド・ボーイ(2003/韓国)「―×→」と「健康に良い復讐のススメ」。 [review]おーい粗茶, ぽんしゅう[投票(2)]
★4息もできない(2008/韓国)修羅的反面教師として生きる覚悟。でも死ぬ準備は出来ていない。その屈折した偉大と人間くさい矛盾。アンチ・バイオレンス映画の一つのカタチ。意外なほどユーモアが目を引く。 [review]アブサン, 水那岐[投票(2)]
★3水の中のナイフ(1962/ポーランド)ポランスキーらしく、観察と五感がそれこそナイフのように鋭く冴える作品。刃を取り出す際の「ジャキッ」と鋭い音の異物感や編集。この頃から既にして不味そうな食事。皮肉めいたジャズ。絡み、あるいは躱される視線の緊張。虚栄と不穏と滑稽のドラマに説得力と深い陰影を与えている。正直愛せる類の話ではないが、とことん巧い。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4リンダ リンダ リンダ(2005/日)「意味なんてないよ」。さりとて「無為の日々」ではない。でも「青春」が共同幻想だということも知っていて、その暗黙の了解が最強に生きる「学園祭」という場で共闘を無理矢理成立させるヒネくれぶり。それでも即席高校生ガールズバンドのブルーハーツで突破されたいと思ったのは何より監督本人だろう。本当はこんな言説で凝り固まった頭を「うるせえよ!この能書ネクラ野郎!」とひっぱたいて欲しいんだと思う。 [review]寒山拾得, けにろん, ぽんしゅう[投票(3)]
★2北国の帝王(1973/米)轢死体に呑気な劇伴や晴天が被さる開幕で、呑気であるがゆえにかえって惨劇が日常に埋没した大恐慌的地獄が露わに。ここで傑作の予感がしたのだが、後の弛緩からして、単に一貫してないだけだと思われる。諧謔ともガチとも取れないシナリオに戸惑うばかり。しかもその困惑は企図したものじゃないだろう。キャラダインの小僧キャラは設定、ビジュアル、声質など、全て不愉快。disjunctive, けにろん, ぽんしゅう[投票(3)]
★5ジャンゴ 繋がれざる者(2012/米)タランティーノはそれを我慢できない。 [review]煽尼采, jollyjoker, カルヤ, まーほか11 名[投票(11)]
★5殺人の追憶(2003/韓国)ポン・ジュノのテーマは明確だ。信念と怒りが別の不条理(時代や怪物)に阻まれて思い描いた威力を持って届かない悲劇や、あるいは結果や信念自体が変質してしまうといった「運命の不条理」と、抵抗の人間臭いもがきの力強さ、そして滑稽さだ。 [review]袋のうさぎ, おーい粗茶, けにろん, 水那岐ほか5 名[投票(5)]
★4アウトレイジ ビヨンド(2012/日)めんどくせえ、という倦怠からこそ真に苛烈な暴力が生まれる、という表現の元祖が誰か知らないが、北野武が元祖なのではと思わせる達成。いつでもその空虚の表現は巧かったけど、その逆ベクトルのキャラクターは面白いと思った試しがなかったところ、片岡=小日向の造形が異常に素晴らしい。悪徳刑事、という枠を超えた巨大な禍々しさがある。 [review]おーい粗茶, 3819695, ぽんしゅう, けにろん[投票(4)]
★3ダークナイト ライジング(2012/米=英)ゴッサムが世界の縮図(ソドムとゴモラ)であったとして、また「善」が欺瞞の産物だとしても希望だけは捨ててはならない、という落とし所は娯楽作の終幕としては必然だろうけど、世界への「呪い」と善悪の相対化を完璧な均衡で描いた前作との比較においては「妥協の産物」感を抑えられず。「希望」を意識してか、ジョーカーを中心としたブラックホールのような闇描写は影を潜め、明るいが、どこか現代に即さぬ白々しさが漂う。 [review]おーい粗茶, MSRkb, ゑぎ, ロープブレークほか8 名[投票(8)]
★4冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009/香港=仏)アクションのギミックにこだわるだけでなく「記憶を喪った男に復讐の意味はあるのか?」というキャッチフレーズにもう少し目を向けてみる。「忘却は心を洗う石鹸なり」という言葉と、紛争・憎悪の螺旋、コステロの苦悩を重ねてみる。彼は本当は「忘れたい」のではないか? [review]3819695[投票(1)]