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DSCHさんの人気コメント: 更新順(13/22)

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★3回路(2001/日)「生死」という血の通った言葉を「いる」「いない」の無機的な二択に変換。ここには「血」がなく「染み」だけがある。どこに「いる」のか、どこに「いない」のか、「いる」のに「いない」、「いない」のに 「いる」、そして境界の喪失に至って現出する「永遠」という牢獄。冷血黒沢の虚無の顕れる残忍な編集、カメラ、色の枯れ果てた死相(思想)の蠱惑には抗しがたい。意識の立ち位置の混乱のみによって観る者を揺さぶる力業。 [review]Ikkyū, 3819695[投票(2)]
★3M★A★S★H(1970/米)弱い犬ほどよく吠える。現実から自衛するために装備する「狂気と無感覚」の矛先が向かうのは外か内か。いずれにしても現実(戦争)は非現実と化し、狂気によってもたらされる「正気」が錯覚的「現実」を危うい次元で繋留する。この「弱さの実験」は流石で、悪ふざけのインフレに差し挟まれる手術シーンの軽口が崖っぷちの爪先立ち感を現出するが、手の内が分かった後も終始同テンポでは息苦しく、必ずしも巧くないのが★残★念★。 [review]週一本, おーい粗茶, Orpheus[投票(3)]
★4フィツカラルド(1982/独)「映画的な瞬間」「偉業」は往々にして「神殺し」的であり、「バチ当たり」的なものと思う。理(コトワリ)に反し、「下に行くはずのものが上に行く」、そのアクションのベクトルが、ここでは「神殺し」のテーマに直結して強化される。人は「バチ当たり」を目の当たりにしたくて映画を観るのではないでしょうか。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★5ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013/米)陰惨なポルノになりそうなところ、「ハメれどもラリれども、我が×××満たされざり、凝っと×××をみる」的にウェットな実存の哀しみに溺れさせたり、憐れみの視線を送ったりしない。神の影を微塵も感じさせないこのドライな一貫性は偉いと思う。ここには罪悪というものがない。レオは史上最高値。圧倒的な軽佻浮薄と軟体動物ギャグ。破廉恥!3819695, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★2続 夕陽のガンマン 地獄の決斗(1966/伊)マカロニ弥次喜多珍道中(コント集)。「珍」と「ガチ」のバランスが悪い。キャラクタの博覧会だけでは、私は逝けません。 [review]けにろん, Sigenoriyuki[投票(2)]
★4巨神兵 東京に現わる(2012/日)綾波的亡霊的独白、質量感のない破壊、世界の薄味な実在感などの不評要素は、『シン・ゴジラ』と対をなす「破壊を現実として実感出来ない現代的東京の気分」と解釈した。終盤の爆破連打はほとんど夢の中の出来事のようだ。ダラダラと延命する世界、その「終わり」の手触りの希薄さ。成る程、これも一つの「東京」ではないかと。(渋谷から破壊されるというのが良い。) [review]3819695[投票(1)]
★4クロッシング(2009/米)「善か、悪か」ではなく、「より善か、より悪か」。それが問題だ。"Finest"なる者は存在しない。少なくともこの世界では存在しえない。 [review]3819695, シーチキン[投票(2)]
★4ペイルライダー(1985/米)「神がやらぬのなら俺がやる」。この「奇跡」は「わざわい」のようであり、「わざわい」は「奇跡」のようでもある。神を否定し、人ならざる力をふるい、死を執行し、交わらず、振り返らず去る孤独。厳しい物語である。 [review]3819695, ぽんしゅう, 週一本[投票(3)]
★4ファインディング・ドリー(2016/米)「直感」による危機への対処という作劇の軸はエキサイティングになりそうだがそうでもなく、前作同様に単調。というか展開が後出しじゃんけん式にならざるをえず、呆然と眺める他ないのだ。「記憶」の神秘に触れる必殺技が終盤まで炸裂しないのも痛い(「乳母車」で涙腺を破壊することくらい、本来造作もないはず)、のであるが、 [review]プロキオン14, けにろん[投票(2)]
★5映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム(2015/英=仏)このところ、本家『ウォレスとグルミット』で喋らせ過ぎ感のあったアードマン、渾身の原点回帰。写真、8mmというアイテムで開幕から全力で腹筋と涙腺を壊しにかかってくるが、何より「ここにはアクションしかない」という衝撃がある。崖っ淵の攻防は『黄金狂時代』に匹敵、かつ情感まで加えて凌駕すらする。そしてアードマンの「涙」の質感はいつも僕を動揺させる。なんちゅういい映画や・・・(追伸:牧場主LOVE。)3819695, ナム太郎[投票(2)]
★5インターステラー(2014/米)マーフィーの法則=起こりうることは起こるー転じて、「起こりうることは起こす」。そのままノーランの映画製作の矜持なのだろう。作劇にも演出にもこの哲学が最大限・確信的に息づいている。キュアロンの『Gravity』もそうであったように、「重力」は軛でありながらそれを越える「意志」でもある。そしてアクションに意志が漲る。もう激しく好み。この情感がハッタリなら、僕は頭を丸めて映画を観ることをやめる。 [review]3819695, ぽんしゅう[投票(2)]
★5ノーカントリー(2007/米)死神(運命)の冷酷な精度。 [review]おーい粗茶, 緑雨, ぱーこ, worianneほか6 名[投票(6)]
★4ランボー(1982/米)アメリカの自己否定。現実認識が激しく混乱した米国製ベトナム育ちの山狩り専門のモンスターvs根も葉もない異者恐怖と排斥を「狩り」への潜在的暴力欲求に結びつけてしまう保安官。どちらも「後遺症」の産物だが、イラクを経た今は保安官の造形も優れていると思う。そして任務は終わった、と大佐が言う。任務?「任務」とは?極めて重く虚しい設問。pori[投票(1)]
★4その男、凶暴につき(1989/日)ギャグと恐怖の境界線で暴力を爪先立ちさせる無敵の手腕を感じさせる。わずかに(ここ重要)不気味なコント寄りの前半から真性の暴力に至る後半への匙加減の繊細さと危うさに鼓動が早くなる。生きたいでも死にたいでも殺したいでも殺されたいでもない、あるいはそれら全てのような、濃密な空虚の気分。逆光で武を捉えるカメラの禍々しさには黒沢清もビックリだろう。pori, 週一本, ゑぎ, まーほか5 名[投票(5)]
★4月と少年(2011/米)パパ、お月様とって!』の発想をピクサー的にリミックスした感じ。アイデアとユーモア勝負で特に含蓄があるわけではない(それ故に感動のある)絵本を読むのと同質の喜びを尊重しつつ、じいちゃん、おやじの「道具」をキーに「継承」のドラマを軽やかに組み込み、時の流れに思いを馳せさせるのがピクサー印。宝物にしたい短編。絵も音も美しい。3819695[投票(1)]
★5WALL・E ウォーリー(2008/米)ブレードランナー』のレプリカントが写真をかき集めるように、ウォーリーは貪るようにガラクタ(人類の記憶)を集め、束の間の星空を録画(記憶)する。もちろん目と手の映画なのだが、結末を待つまでもなくこれは記憶についての物語でもある。記憶が人を形作る。人が人であることの記憶を無くした人類の誰よりも「人」として描かれる「機械」の一挙手一投足にハッとさせられる。「人が人であることを思い出せ」と。 [review]3819695, jollyjoker[投票(2)]
★2戦争のはらわた(1977/独=英)時計じかけのオレンジ』の「矯正(強制)映画」みたいなアルトラ全開の開幕、綺麗事を排した反骨には感じ入るが、演出と僕の嗜好の相性の悪さを決定的に思い知らされた。何が起こっているのか分からない。国家×個人×大義×敵味方の概念が交差し破壊され相対化された地点のカオスの物語だから、誰が誰を撃ってるのか分からないのは演出上正しいのだと歯を食いしばって肯定しようとしたが駄目だった。混沌にも作法が必要では。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4インサイド・ヘッド(2015/米)イロトリドリノセカイ。小さくて巨大な冒険。 [review]jollyjoker, 3819695[投票(2)]
★3マッドマックス(1979/豪)果てしなく続く荒野と道、車輪の回転が示唆する憎悪の無限連鎖。いったん狂気に入れば一方通行で限界を超えて加速し続ける。B級な画面が中和しなければとても観ていられない怖さ。でも、もっと観ていられないくらい怖い方が正解ではないのか。ラストの一本道は『わらの犬』と双璧だが、もっと丁寧に撮って欲しいところまで似ている。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4エクソシスト(1973/米)人間の心に潜む憎悪を媒介にして憑依し、渡り歩くことで永遠の命を得る「悪魔」。根本が実体を持たない象徴悪との精神的戦いであるだけに、次に「悪魔」になるのは「わたし」かもしれない、という他人事でない普遍的寓意を獲得する。「悪魔」自体が怖ろしいのではなく「悪魔」に魅入られる「人間」が怖ろしいのだ。 [review]おーい粗茶, たわば, けにろん, 煽尼采[投票(4)]