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DSCHさんの人気コメント: 更新順(6/22)

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★3アップグレード(2018/米)寄生、義体化やネットとの融合、新生命体、仮想現実と現実の融解というテーマ上でまさしくけにろんさんご指摘の『寄生獣』であり『GHOST IN THE SHELL』なのだが、人間性や実存への執拗なこだわりこそが熱さを生むのに、それが薄くてイマイチつまらぬなと思っていたら人間性の駆逐こそが肝だったというつまらなさというか面白さというか。 [review]irodori, けにろん[投票(2)]
★3パシフィック・リム(2013/米)デルトロの作家性で異形を叩きのめすって感じがピンと来ない。異形と交感(交歓)したり蹂躙される方に適性があるから、芦田愛菜がゴリッゴリにクトゥルフで触手モリモリな「カイジュウ」とドリフト・シンクロしたらシンクロ率100%で「精神汚染が・・・」とか人類の敵に回って「薙ぎ払え!」みたいな方が楽しいんじゃないかと思った・・・まあ私の方に適性がないのでしょう。 [review]disjunctive, ロープブレーク[投票(2)]
★3ミスティック・リバー(2003/米)「友人」、「家族」という「理解を前提とされる”はず”」の関係性の一切が破綻しており、「理解」は「誤解」という狭く淀んだ空間で腐り果て、苛立ちの中で都合のよい「共犯関係=正義」に変質する。「一瞬の過ちと不条理」を発端に「無数の一瞬の過ち」を経て生まれた闇の中で、苦しむ者と、苦しむ者と関係ないフリをする人間達(「ともだち」をすら含む)の業が確実に「街」を蝕んでいく。元より「街」とはそういうものなのか。 [review]おーい粗茶, 3819695[投票(2)]
★3マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015/豪)「今、ここを楽園にしろ!考えるな!走れ!戦え!死ね!生きろ!」というアジが臆面もなく炸裂する山場30分には流石に鼻血が出て、「何か」を呼び覚まされる。この原始的単純さは崇高であり、作り手の熱量には敬意を払うべき。面白いのは間違いないのだが、 [review]おーい粗茶, ゑぎ, KEI, ロープブレークほか6 名[投票(6)]
★4シンドラーのリスト(1993/米)選んで救うこと。選んで殺すこと。あるいは無差別に殺すこと。徹底された「選別」の映画なのだが、事象の切り貼りである「映画」もまた「選別」だとすれば?選別の究極を描くと同時にスピルバーグの一つの映画論でもある気がする。このシンドラーとスピルバーグは同一人物なのだ。 [review]pori, おーい粗茶, jollyjoker, ぽんしゅうほか8 名[投票(8)]
★2マグニフィセント・セブン(2016/米)私利私怨を超えて尊厳や大義のためだったとするなら、恐れや「正義」への疑念を跳ね除ける情念と挿話の彫り込みが少ない、あるいは矛盾があって説得力がない。結構駄目な映画に見える。どの辺が現代的なのだろう。この中途半端だとイーストウッド先生あたりにドヤされるんじゃないだろうか。原作もこんなものなのだろうか? [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★21917 命をかけた伝令(2019/英=米)リアルな時間、空間、臨場感、事件を演出しようとして、却って貧相な映画的作為が浮き彫りになってしまうというか。映画のリアルって絶対こういうことじゃない。言葉は悪いが、ディズニー・リゾートのアトラクションに乗っている気分になった。ハッタリの極みの果てにリアルを顕現させて欲しい。「心」を感じない、この監督らしい映画。disjunctive, ぽんしゅう[投票(2)]
★4ロシュフォールの恋人たち(1967/仏)導入、至極当然のように、極めてシームレスに群舞が始まる。というより、既に映画が始まるはるか前から、群舞は始まっていたのだ。人が、というより「世界」が、フレームの外でも踊っている。一片のペシミズムも曇りも濁りもない、ただただ世界に広がる幸福を映す試み。まるで世界が笑いかけているかのよう。 [review]袋のうさぎ, ゑぎ, 緑雨, プロキオン14ほか7 名[投票(7)]
★2ジョン・ウィック:パラベラム(2019/米)ヤヤンさんとセセプさんの登場で腰が抜けた。とんだ八百長試合だ。出力20%くらいだろう。許し難い。お芝居じゃなく命のやりとりが観たいのに。微妙に『キル・ビル』に喧嘩売ってるのも堪忍袋の緒に過大なストレス。フィッシュバーンが「インターネット」とか「IPアドレス」とか言い出すシーンが一番面白かった。ところで背中押す人が悉く無策で殺られるのはなぜなのか。鈍感力?ロープブレーク[投票(1)]
★3ゴーストランドの惨劇(2018/仏=カナダ)人は人形ではない。傷つければ血が出るし、何より魂が傷つく。人は人だからこそ、その傷ついた小さな体と魂で、この醜い世界で逆襲するのだ。スリラーのためのスリラーでなく、このジャンルが忘れていた当たり前を見直そうとする批評性をシナリオに感じる。真摯だが二度観たい映画ではない。けにろん[投票(1)]
★5Away(2019/ラトビア)死んで、生まれて、見て(まっすぐな瞳!)、聴いて、感じて、練習して、走って、走って、立ち止まって、想う。そしてまた走る。五感に訴える世界創出(とりわけ風)。世界に生きることそのものを凝縮し、その秘密に触れる驚異的にシンプルな寓話。また、徹底した「速度」の映画だ。「日本版スタッフ」は問答無用で縛り首。情状酌量の余地無し。 [review]プロキオン14, おーい粗茶, 月魚[投票(3)]
★4教授のおかしな妄想殺人(2015/米)エマ・ストーンの続投からも分かる通り、『マジック・イン・ムーンライト』の対となる作品。「ミューズ(笑)」を軸に、男の厭世のこじれの反動が陰に振れるか、陽に振れるかのケース比較の解説で、これは前者に解放されてしまったほう。頭がいいのか悪いのか、こっちにハマってしまう、際どく哀しいおかしさ。ハンナ・アーレント曰く「悪は凡庸」。 [review]ロープブレーク, けにろん[投票(2)]
★3インセプション(2010/米)レオの懊悩に「巻き込まれる」のは予定調和を避ける意味で良いとしても、最後まで引っ張って結局予定調和なのはある意味驚き。結局「何となく全てが巧くいった」その様子を呆けて眺める他なく、その過程にカタルシスを感じられず。映画に「ルール」を要求しすぎ。チーム・ディカプー、『パプリカ』に完敗。画の密度は買う。ロープブレーク, おーい粗茶, Bunge, けにろん[投票(4)]
★4鉄男 TETSUO(1989/日)無機物のグロテスクな有機感(濡れた鋼)。呼応しあう鉄と肉の怒号と交歓。「都市への怒り」→「強くなりたい」→「鉄と肉の融合(媾合)」という 短絡性が確信に結びつくとき、馬鹿馬鹿しい程のエネルギーが生まれ、鉄は肉に、肉は鉄になる「新世界」へ。ある都市論の可視化が鉄肉愛憎表裏一体 のセックスと戦いに至ったという力業。ぐちゃぐちゃだが一貫してる。タイトルからしてエッチ。御苦労。 [review]irodori, 寒山拾得, けにろん[投票(3)]
★3キングスマン(2015/英)素敵なおじ様のオンパレードで鼻の下が伸びるが、それだけだ。キレッキレなどと謳っているが、イメージギャップとグロで幻惑するだけの手管で飽きる。『キックアス』の遺産でしのいでいるだけだ。何より「見せ場」と思われる教会の大立ち回りが作劇上エモーションの高まりに何ら寄与しないといういい加減さは致命的な後退である。暴力を弄んでいるだけのようでその実そうではないタランティーノとの差が歴然。 [review]おーい粗茶, kiona, ナム太郎, 袋のうさぎほか6 名[投票(6)]
★2カサノバ(1976/伊)散々派手な口上を述べ、奇天烈BGMに乗せて披露した性技について大使よりいただくご講評が「お前の正常位には独創性がない」。この渾身の一発ギャグ以上のものがほとんどない。化粧、衣装、お追従、いかがわしい知識、下品で退屈な宴、あらゆる虚飾で隠される貧弱な肉体。何もなし得ず、ただただ醜く哀しいだけ。 [review]けにろん[投票(1)]
★4悪魔のいけにえ(1974/米)凶兆・・・顔を持たない「何か」に、世界は切り刻まれる。全てが喰らい尽くされるまで。 [review]ゑぎ, 袋のうさぎ[投票(2)]
★4ヘイトフル・エイト(2015/米)実にヘイトフル。歴史に沈潜した憎悪に作用され、疑心と殺意が濃縮されゆく会話劇の「言葉の暴力」が、行くとこまで行った感があって凄まじい。白も黒も、嘘と赤い血に沈む上でしか和音を奏でることはしないという、ピアノの鍵盤と不協和音混じりの「聖しこの夜」が示唆する恐るべき「アメリカ的」帰結。文学的な前のめり感がかなり強いが、相応の旨みと凄みが出た。にしてもタラ先生の最近の荒ぶり方は一体何なのだろう。 [review]おーい粗茶, ロープブレーク, ぽんしゅう, jollyjokerほか5 名[投票(5)]
★3ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007/日)時間的制約の中でフェティシズムへの偏向が生む「欠落」と奇妙な「充足」。得体が知れない不気味な作品。 [review]けにろん, おーい粗茶, , disjunctiveほか5 名[投票(5)]
★4哀しき獣(2010/韓国)延吉(中国)の朝鮮族街と、密入国の窓口となる韓国の場末では、殆ど街の色に違いはない。その近接感に関わらず、濃い「遠くに来ちまった」感。それは後戻りできない物語を高速カット割で煽って運び去るスタイルが的確な上、朝鮮族による、「民族/国家」の近いようで遠い、憎悪と羨望の微妙な距離認識を正確に演出に投影しているからだ。その距離のゼロ化=越境・接近が喰らい合いに至るしかない悲劇。凍えて飢えた画面も◯。 [review]irodori, 緑雨, 3819695, けにろんほか6 名[投票(6)]