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★5 | 不思議惑星キン・ザ・ザ(1986/露) | ああ。なんて不毛なんだ。その可笑しさと表裏一体の恐ろしさ。提示の匙加減が素晴らしい。 [review] | けにろん, ゑぎ, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★5 | イリュージョニスト(2010/英=仏) | 失われる時代へのレクイエム。 [review] | KEI, 3819695, ペペロンチーノ | [投票(3)] |
★4 | タクシー運転手 約束は海を越えて(2017/韓国) | 「息子」の言によればいくつかの事実は異なり、描写の公平性はバランスを欠く。終盤の暴走でもいったん「うーん」と腕組みをしてしまったし、虐殺描写時のスローも好ましい演出には思えない。だが、作品の全体を見渡せば些細なことのように思える。それぐらい、目で見て伝えることの困難さ、崇高さや、小さな力のバトンを繋いでいくことに寄せる思いの強さを娯楽で伝えようとする気概に打たれた。いい映画だと思いました。 [review] | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★5 | エイリアン(1979/米) | 改めて認識した特異点は、エロティックな演出の間合い。無垢な、剥き出しの生理。その生々しさが無機的な宇宙船の美術と対照して映え、密室で昇華、凝縮されていく。そして、そのグロテスクはヒト、生物そのもののグロテスクさも逆照射し、潜在的な暴力と性への嫌悪が刺激される。ただの「ホラーの金字塔」ではない。 [review] | Myrath, ジョンケイ, ゑぎ, ぽんしゅうほか7 名 | [投票(7)] |
★4 | アシュラ(2016/韓国) | 血と金の海の中で哄笑するジョンミンの、倫理観の欠片もない明るい闇とでも言うべき振り切れが核になって目が離せない。ボタンの掛け違いで無常に至るのはコーエン的テンプレだし冷静に観れば無理があるが、屑が屑なりの信念をぶつけ合う化学反応と強引な胆力で押し切る。 [review] | ペンクロフ, ぽんしゅう, disjunctive, けにろん | [投票(4)] |
★4 | 宮本から君へ(2019/日) | したり顔の他者の理解、介入を拒絶する「聖域」の「愛(と便宜的に呼ばれるもの)」を描いて究極的。新井英樹の世界の住人には異様な「筋」が通っている。共感できない、理解できない、でもそこには汚濁が突如聖性に変換される瞬間があって、その時いつも僕は立ち竦む。狼狽える。心がかき乱される。そういう得体のしれない「動揺」を与えてくれるものは、そうそうない。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★4 | 雪の女王(1957/露) | 「女性」ゲルダによる凍りついた心の「無血開城」とカイのだらしない「男性」描写が宮崎御大のルーツには違いない。一方で最も哀れを誘うのは、孤独と高潔の鎧で身を固めた「雪の女王」の「氷解」と山賊の少女の「強がり」。二人ともさぞ苦しかったことだろう。こちらに思いを馳せてしまう分、アンデルセン的残酷と悲哀が際立つ。画の美しさは特筆。 | KEI | [投票(1)] |
★5 | シン・エヴァンゲリオン劇場版(2021/日) | 私たちは、あの時以来、シンに補完されたのだろうか。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。この言葉はあの時を経て変質したのだ。私たちはまたしても絶望すら忘れて、「シンジ」に全てを負わせていないか。シンの補完は、ここ、リアルで行われるべきなのだ。虚構と現実の渚、絶望と希望の相補が行われる、まさにここで。巻き戻せなくても、続けることはできる。連弾の反復練習のように、少しずつ上手くなる。少しずつ、少しずつ。 [review] | Myrath, ロープブレーク, サイモン64, おーい粗茶ほか5 名 | [投票(5)] |
★4 | 初恋(2019/日) | 死んだつもりで生きるより、生きるために生きる方が難しい。怖いだろ、でもそれが生なんだぜ。走り抜けろ!・・・って何マジになってるの三池さん、という驚きと喜び。少なくとも私には若干照れの入っただけのマジ映画。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 家族ゲーム(1983/日) | 「日常」は「違和」により捏造され、「違和」は「普通」のものとして取り澄ましている。この違和を「全て終わってしまえばいいのに」の視点で炙り出せば、あらゆる事象が異様で醜悪な怪奇映画に。まるで黒沢清の画面(影響受けてる?)。優作は「違和の人」ということも再確認。
[review] | 週一本, ぽんしゅう, けにろん | [投票(3)] |
★4 | ベイビー・ドライバー(2017/米) | 男と女と車一台あれば映画はできるかもしれないが、音楽があれば、もっといいだろう。甘口な中弛みは否めないが、映画の基本的な興奮に立ち返ったアクションは秀逸。即ち、アクション、編集、音楽のシンクロの快楽。リズムとしての映画。殊勲賞は編集だと思う。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | アド・アストラ(2019/米) | 無限の夢も底なしの狂気もない御都合ミニマム収斂で膝カックンなのだが、狙ってこっちに行ったのが明らかなのがむしろ天晴れ(マーロン・ブランドが出てくると映画が壊れてしまう)。ホイットマさんにしろブラピにしろ、ガワだけでこれだけ見せるのは凄い。それでも『火の鳥』くらいあっちに逝ってこいが観たかった。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | クワイエット・プレイス(2018/米) | 音は生の営みそのもの。生あるところに音がある。さて、この映画で最も「大音量」だったのはどの場面だったか。 [review] | ゑぎ, t3b, おーい粗茶, けにろん | [投票(4)] |
★3 | バットマン・リターンズ(1992/米) | 世界への呪詛は願望の裏返しだ。根っこの根っこでは愛されたい。しかし自分は愛されることのないフリークスだ、と決定的にとどめを刺された時の絶望。しかしその絶望は、安堵にも似ている。「獣達」それぞれの「帰郷」には胸を突かれる思いがする。やはりよく出来た作品ではないと思うが、殴り書きされた呪詛に寄せる慈しみはバートン随一。 | 週一本, ぽんしゅう, 水那岐 | [投票(3)] |
★4 | ブギーナイツ(1997/米) | どんな姑息でクソッタレな人生でも、それと決めて始めてしまったら続けるしかない。一見華やかで脳天気なセックスとドラッグの饗宴はしかし、いずれ勃たなくなる男根が象徴する終わりや破綻への恐怖の裏返しのようだ。終わりを予感しながら「騒ぎ続ける夜」の、何という残酷さ。しかし、そんな人生達にも帰る家はある。というより、彼らは寄り添って家を「作る」だろう。優しい物語。
[review] | けにろん, 週一本, jollyjoker | [投票(3)] |
★4 | 96時間(2008/仏) | 荒れ狂うプロ、毒を以て毒を制す。暴力という毒への疑義抜きに毒を語るのは今時野蛮か無自覚と思うが、そのへん眼中に一回入れた上でぶっ飛ばしている感がある。銃口を外道に向けるニーソンの落ちくぼんで昏い眼窩などの一匙演出が的確。昨今、正義の暴力をエンタメに仕上げる難しさを思うと、なかなかに困難な「快感と倫理」のバランス上でつま先立ちするスリル感を覚える。ニーソンという人選はその印象の絶対条件。 [review] | おーい粗茶, 3819695, けにろん | [投票(3)] |
★4 | プロメテウス(2012/米) | 単なるSFスリラーではなく、「エイリアン」という生命体を鏡として、ヒトを含む生命そのもののグロテスクや母の強さ(恐ろしさ)を裏テーマとして扱ってきた。ギーガーのデザインと切り離せないそのテーマを、改めて説明したという意味では買い。そして、デイヴィッドの造詣が良く、手塚治虫的という意外な余韻が残される。超個人的だが。 [review] | t3b, おーい粗茶, シーチキン, けにろん | [投票(4)] |
★4 | ぼくのエリ 200歳の少女(2008/スウェーデン) | およそ説明のつかない、あらゆる意味付けや価値観・倫理感を超越して他者の理解を寄せ付けない排他的な「理解」こそ「愛」と呼びうる局面があるのであって、その観察の的確な実践と言える。字義通りの空腹のみならず、殺意、孤独、あらゆる「飢え」が表出する。それを「みたす」ことへの二律背反する感情。作品内で展開される「行為」の全てが深く、見応えがある。 [review] | irodori, Myrath, プロキオン14, 袋のうさぎほか5 名 | [投票(5)] |
★4 | JUNK HEAD(2017/日) | 「ヌルヌル」、「グチュグチュ」「ザラザラ」、「ブヨブヨ」・・・優れたストップモーションアニメが全てそうであるように、「触覚」の描写が素晴らしい。その偏執は物語ともマッチしている。無機的な世界に対比される、グロテスクながら生き生きした有機物の際立つ生(性)の本能、その手触り。贅沢な彫琢がされた地獄で遊ぶ。これも一つの映画的天国。三バカのフィギュア欲しい。 [review] | ぽんしゅう, プロキオン14, ペンクロフ, ゑぎほか5 名 | [投票(5)] |
★3 | ヴィジット(2015/米) | 「俺たち、お互い(家族)のこと、何にも知らないね・・・」(『おそ松さん』第一期13話「トド松のライン」より) [review] | けにろん | [投票(1)] |