コメンテータ
ランキング
HELP

disjunctiveさんのお気に入りコメント(23/40)

悪童日記(2013/独=ハンガリー)★3 原作がほとんど文体の戦略でもって成り立ったような小説だけに、小説はいかに映画化されるべきかという昔ながらの問題が一入に顕在的だ。要するに、人物や風景が実在感を伴って表象されるのは映画の主要な武器だが、創意工夫もなしに小説『悪童日記』にそれを適用するのは果たして賢明の策だったろうか。 [review] (3819695)[投票(4)]
悪童日記(2013/独=ハンガリー)★4 ナチ支配下の東欧で状況を見つめる双子の冷視線は否応なく『ブリキの太鼓』のトリックスター少年オスカルを連想させるが、言うほど弾ける訳でもない。真摯な作風は原作への遠慮の裏返しとも言え、それは映画としてどうなのかとも思う。毒のブローアップ不足。 (けにろん)[投票(2)]
リスボンに誘われて(2013/独=スイス=ポルトガル)★3 物語の中心を占める「不在者」が説得性を欠いたまま祀り上げられる『永遠の0』と同種の構造が不誠実だ。ここで説得性とは、何よりもまず当該人物の被写体的魅力に依拠する。ジャック・ヒューストンのそれはジェレミー・アイアンズに大差で劣っている。後景を等閑視したアップカットを除いて撮影は上々。 (3819695)[投票(1)]
ブルージャスミン(2013/米)★5 ユダヤ・ジョーク版「ボヴァリー夫人は私だ」。内視鏡検査が楽しみと語るお婆さんが素晴らしい。 [review] (寒山拾得)[投票(3)]
ズートピア(2016/米)★3 ウォルト・ディズニー・カンパニーは子供向けアニメーションや愚民向け遊園地を通して、長年にわたり差別的偏見やステレオタイプを世界に浸透拡散させてきた悪の秘密結社である。 [review] (ペンクロフ)[投票(8)]
バージニア・ウルフなんかこわくない(1966/米)★4 こいつらどんだけ胃強いねん。深夜1時のパーティ開けから未明まで飲み続けで罵り苛み合うハイテンションな荒み。いきつくとこまでいった事件後の夫の予想外行動を契機に明かされる心の深淵に横たわるトラウマ。胡散臭いがリズバートン故の説得力。 (けにろん)[投票(2)]
あの日のように抱きしめて(2014/独)★2 ニーナ・ホスに期待し過ぎた。既視感のあるショット多用で、ただ雰囲気に酔いそうな話。脚本にも無理があるんじゃね?といったテイタラク。 (jollyjoker)[投票(1)]
インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016/米)★3 90年代的大味ハリウッド映画をそのまま持ってきたような脚本で、登場人物の知能指数は低く、空中戦はことごとくつまらなく、お得意の破壊描写も今や後進のブラッド・ペイトンのような演出家に劣っている。しかし感動した。こんないい加減な内容でありながら観客を飽きさせず最後まで引っ張り続けるローランド・エメリッヒの力量に感動した。 [review] (Sigenoriyuki)[投票(1)]
テッド(2012/米)★3 設定は抜群に面白いし下ネタ満載で可笑しいんだけど、その勢いだけなのか半分観たあたりですっかり飽きた。その後の展開が想像つくのも悪い方に作用し、さらに退屈さを増す。一番の見所は、テッドが椅子によじ登ってくるりと向きを変えて座る、精巧な動き。この座り方には本当に感心した。 (ダリア)[投票(1)]
アンジェリカの微笑み(2010/ポルトガル=スペイン=仏=ブラジル)★4 雨、というよりは、雨音の慕わしさ。窓、扉、鏡。写真、なにより映画の画面という世界を縁取ってみせる枠組。青年の世界は厳密に縁取られ、したがって青年の実存は世界から切り離される。やはり世界を縁取るサウンド。古典的な合成エフェクトで構成された超現実主義的な独特の空中遊泳は、死せる女の肖像がそのまま「映画」の寓意であることを示す。“死に至る為”にこそある疾走の為の疾走。ハッピーエンド。 ()[投票(4)]
キャプテン・フィリップス(2013/米)★3 丸腰の民間タンカーに、たった数名とはいえ武装した海賊が乗り込んでくるのを為す術もなく待ち受けるしかない。その絶望感がひしひしと伝わってくる序盤の緊迫は絶品。 [review] (緑雨)[投票(1)]
ベティ・サイズモア(2000/米)★3 レニーを見に行ったのに今更ながらフリーマンに魅せられてしまった。がしかし、ショック状態という設定にせよ思い込みの激しさに真実味が感じらず、最初こそハードな描写もあったが追う2人が良い人すぎて対比が効いてない。要はブレてるんですなあ。 (けにろん)[投票(1)]
シビル・ウォー キャプテン・アメリカ(2016/米)★2 何度も画面真ん中にデカデカと白文字で地名を表示するのはそうでもしなければ場所が移動したとすらわからない、地形や空間、気候を生かした場面を設計できていないことの現れか。アップ主体の狭苦しい画面が示すとおり、人間関係も結局パパ・ママ・トモダチに終始する世界の狭さ。民衆の視点がまるで描かれていないくせに、ヒーローへの同情をあおり続ける演出・脚本は不愉快極まる。 [review] (Sigenoriyuki)[投票(4)]
三姉妹〜雲南の子(2012/香港=仏)★4 長女のハードボイルドな存在感(度重なる咳き込みが『幕末太陽傳フランキー堺のように物悲しいヒロイズムを裏打ちする)が風景の強度に拮抗する。妹たちの喚き、家畜の嘶き、原野に吹渡る風の音が鼓膜を挑発するが、予測不能の挙動で画面に驚きを提供する「動物」の映画としても指折りの豊かさを誇る。 (3819695)[投票(3)]
永遠の語らい(2003/ポルトガル=仏=伊)★5 モノトーンな母娘の地中海クルーズ遺跡巡りの合間に順次登場する欧州3大年増が、いきなり主旋律に転換する作劇に面食らうも、その圧倒的迫力とマルコヴィッチの腹芸に参る。しかも、急転直下な終盤のいい加減さに確かに喰えん爺いだと納得。 (けにろん)[投票(4)]
永遠の語らい(2003/ポルトガル=仏=伊)★4 確かに物語の刺激は結末部に集中している。しかし画面の刺激は全篇にわたって横溢しており、「字幕を追う」ことではなくもっぱら「画面を視る」ことに視覚を費やす観客にとっては退屈を覚えている暇など一瞬もありはしない。一言で云えばショットの強度が高いということだが。 [review] (3819695)[投票(4)]
永遠の語らい(2003/ポルトガル=仏=伊)★4 圧倒的な画面の映画。例によって会話は殆どどうでもいいと思う。まず第一にレオノール・シルヴェイラとその娘がとても美しく、その美しさは彼女達が映っているだけで画面の緊張が維持されるといった美しさなのだ。あゝ映画とは見ることの快楽だ。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
永遠の語らい(2003/ポルトガル=仏=伊)★3 ある意味、最後までゆったりしている。鷹揚に構えているのか、単にボケてしまっているのか、どっちかわからなくなるあたりが、この監督の魅力の一つにさえ感じる。 (グラント・リー・バッファロー)[投票(1)]
トム・アット・ザ・ファーム(2013/カナダ=仏)★3 開映後しばらく、『砂の女』めいた不条理の律する恐怖劇かと思いながら画面を眺めていたが、フランシスの意外な弱さを取り上げるまでもなくそれは錯覚だった。それと同時にこの作品は文学的色彩をポップな音楽で偽装しつつ、実は文学でなくノーマルな映画的芝居に変質していることに気づく。単なるスリラーであると見れば、高尚さをかなぐり捨てた低俗さは立派な武器になってくれるだろう。 (水那岐)[投票(2)]
イントゥ・ザ・ストーム(2014/米)★3 最早どんなに凄いことがスクリーン内で起こっても所詮CGやろとしか思えぬが、竜巻ハンターのピートが今際の際に見る静謐世界には心打たれた。ならば、至福の表情こそ必須だったと思うのだが。兄弟のキャラクター造形もいい。大体あんな感じと納得させるね。 (けにろん)[投票(2)]