コメンテータ
ランキング
HELP

3819695さんのお気に入りコメント(38/180)

ニンフォマニアック Vol.2(2013/デンマーク=独=仏=ベルギー=英)★3 大風呂敷を広げた挙句、結局はありふれた物語性に帰依するしかないという馬脚を現した。白黒・SMと、らしいネタを点描してみせるのだが一応の域を出るものでもない。トリアーは病気なのかもしれぬが変態ではないのだと思う。ラストのうっちゃりに加点。 (けにろん)[投票(2)]
巨神兵 東京に現わる(2012/日)★4 綾波的亡霊的独白、質量感のない破壊、世界の薄味な実在感などの不評要素は、『シン・ゴジラ』と対をなす「破壊を現実として実感出来ない現代的東京の気分」と解釈した。終盤の爆破連打はほとんど夢の中の出来事のようだ。ダラダラと延命する世界、その「終わり」の手触りの希薄さ。成る程、これも一つの「東京」ではないかと。(渋谷から破壊されるというのが良い。) [review] (DSCH)[投票(1)]
レヴェナント:蘇えりし者(2015/米)★4 災厄の起原がレオの技量不足にあると見なしてしまえば、恨みの持って行きどころがなくなる。技術的な関心に終始するとなると、一定しないレオの造形がノイズとなってしまう。冒頭の彼と、中盤の逃走者としての彼と、終盤のハンターとしての彼が別人に見える。 [review] (disjunctive)[投票(3)]
リアリティのダンス(2013/チリ=仏)★4 ミュージカルの厚顔さというべき当事者感覚の欠落で掻き立てられる冒頭のパメラ・フローレスに対する苛立ちが、課題を設定し解決するサイクルに彼女が放り込まれると解消してしまう。人間に好意を獲得させる技法が随所で奏効しているのだ。 [review] (disjunctive)[投票(3)]
お早よう(1959/日)★5 喜劇らしい脇役天国に全編見せ場のテンコ盛り [review] (寒山拾得)[投票(4)]
アンジェリカの微笑み(2010/ポルトガル=スペイン=仏=ブラジル)★4 被写体となったオッサンらが心なしかノリノリになってしまう。あれがいい。静物画の遠近法で生活感のない点景となった人物がかえって徳を構成していて、点景であるがゆえに葛藤が形成されないことが語り手の好意に見える。 [review] (disjunctive)[投票(3)]
秋刀魚の味(1962/日)★4 軍艦マーチにあわせて敬礼しながら体をくねらせてリズムとる風呂上がりの岸田今日子、楽しげなその姿が脳裏から離れない。 [review] (緑雨)[投票(5)]
三姉妹〜雲南の子(2012/香港=仏)★4 確かに凄まじい貧困ぶりだが子供たちに暗さはない。ボロボロの布団や底の抜けた長靴に愚痴をこぼしながらも現実を現実としてやり過ごし、泥にまみれながら豚や山羊を追う姿はまるで「命」と戯れているようにさえ見える。ただし、それは決して強さなどではない。 [review] (ぽんしゅう)[投票(3)]
三姉妹〜雲南の子(2012/香港=仏)★5 陳腐な反政府思想などどこへやらとばかりにこの心を捉えるのは、どんな状況下でもたくましく生き続ける彼女達の生命力。その力が決して飽きない豊かな画面設計や数々の音と相まりひと時も目を離せない。英語など理解しない親が買う洋服の文字の皮肉さにも泣く。 (ナム太郎)[投票(1)]
彼岸花(1958/日)★3 松竹ヌーヴェルヴァーグの若手に突き上げられる重役の自嘲と観れば一興 [review] (寒山拾得)[投票(3)]
ズートピア(2016/米)★4 事態の進行も物語の教条性もキツネにより多くのものが付託されていて、ウサギが当事者だとは言い難い。にもかかわらずウサギの視点で語られるから、キツネの段取りが万能すぎて、物事が円滑に進み過ぎるように見えてしまう。 [review] (disjunctive)[投票(3)]
フレンチアルプスで起きたこと(2014/スウェーデン=仏=デンマーク=ノルウェー)★4 夫婦の間のこの不穏な空気、ある!アメリカ人は女が泣きわめいて離婚となるけれど、本作ではちょっと違う展開で二人の関係を紡ぐ点が面白い。なかったことにできないし、したくない。大声で発散させても、結局はお互いとことんつきつめないとダメなんだ、よね?つながっていたと思い込んでいた絆喪失と再生?の物語。 [review] (jollyjoker)[投票(1)]
クロッシング(2009/米)★4 「善か、悪か」ではなく、「より善か、より悪か」。それが問題だ。"Finest"なる者は存在しない。少なくともこの世界では存在しえない。 [review] (DSCH)[投票(2)]
マイ・バック・ページ(2011/日)★3 時代は若返ったのだろうか、一体。 [review] (寒山拾得)[投票(3)]
めぐり逢わせのお弁当(2013/インド=仏=独)★4 個人的にはダッバ(タイトルでもあるお弁当)がフックになって観ようと思っていたわけで。 [review] (HAL9000)[投票(1)]
ペイルライダー(1985/米)★4 「神がやらぬのなら俺がやる」。この「奇跡」は「わざわい」のようであり、「わざわい」は「奇跡」のようでもある。神を否定し、人ならざる力をふるい、死を執行し、交わらず、振り返らず去る孤独。厳しい物語である。 [review] (DSCH)[投票(3)]
魚影の群れ(1983/日)★5 円環を描く未解決事件、80年代に投げ出された神話的異物。 [review] (寒山拾得)[投票(4)]
トム・アット・ザ・ファーム(2013/カナダ=仏)★3 開映後しばらく、『砂の女』めいた不条理の律する恐怖劇かと思いながら画面を眺めていたが、フランシスの意外な弱さを取り上げるまでもなくそれは錯覚だった。それと同時にこの作品は文学的色彩をポップな音楽で偽装しつつ、実は文学でなくノーマルな映画的芝居に変質していることに気づく。単なるスリラーであると見れば、高尚さをかなぐり捨てた低俗さは立派な武器になってくれるだろう。 (水那岐)[投票(2)]
白熱(1949/米)★4 冒頭の車と列車が織りなす強盗劇のダイナミズムで圧倒し、ジェームズ・キャグニー一家の異様さで魅了する導入の妙。トリック入獄、獄中騒動、トロイの木馬とサプライズの連打。対するは潜入捜査の人力と科学の技、電波網のコラボ。息つく暇なしとはこのこと。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
限りなき追跡(1953/米)★3 途中からからむ先住民やメキシコ女も、いまひとつ効果的に機能せず「追跡劇」としては凡庸。ロック・ハドソンの前途に対するフィリップ・ケイリーの妬みと、古き南部への回帰願望にもう少し説得力があれば、むしろ「逃走劇」として深みが出たかもしれない。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]