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★4東京の女(1933/日)岡田嘉子!貞淑そうに見えてどことなく淫靡。善悪定かならぬ大人の魅力を感じさせる女優だ。誰が何をしているかわからない都会の迷宮は、彼女の暗い瞳の奥に口を開けている。りかちゅ[投票(1)]
★4ぼくの伯父さん(1958/仏=伊)雰囲気が小津に似ているので吃驚!モダンと古臭さの共存。原色を使っても渋い色彩感覚。仕事嫌いの遊び好き。子供や犬への愛。しかし軽い憂鬱と韜晦はタチならではの味だ。けにろん[投票(1)]
★4タロットカード殺人事件(2006/英=米)美しくも卑劣。そんな英国上流階級の枯れ具合が彼には心地良いのだろう。好きな女に赤い水着を着せて探偵ゴッコ。この糞つまらない世間を他所に、アレン爺は乙な余生を送っている。MM, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★5甘い生活(1960/伊=仏)大衆はメディアの扇動に踊り、上流階級は退廃に沈む。そしてマルチェッロはとどかない夢にただ苛立つ。神なき繁栄。茶番の日々。バブル時代、私は学生でしたがまさにこんな感じでした。けにろん, ダリア[投票(2)]
★4地獄の黙示録(1979/米)鳴り響くワルキューレとともに解き放たれる攻撃本能。見境のない凄惨な暴力。超現実的なまでに壮大な浪費。正気を失ってゆく兵隊たち…。彼らを狂わせたものは何だったのか?― [review]ロープブレーク, カレルレン, sawa:38, くたーほか9 名[投票(9)]
★4華麗なる激情(1964/伊=米)権力者は現実を超えられず、芸術家は金がなければ創作できない。画家とパトロンの関係は愛憎交々。完璧なる世界の創造を夢見る傲慢な二人。まさに「画伯と猊下の異常な愛情」。 りかちゅ[投票(1)]
★4乱れる(1964/日)これぞメロドラマの様式美。過去と結婚したかのようなヒロイン。真綿で絞められるようなその敗北。クレシェンドで高まる情感。そして、中空に凍りつく結末。成瀬の職人技の冴えを見た。t3b, 直人[投票(2)]
★4秀子の車掌さん(1941/日)煙草の置き場所ひとつにも明らかな成瀬の洒落たセンス。白いシャツ、ベルトに挿んだハンカチ、下駄履きでゆく畦道。戦前のある種の映画のモダンさ・明るさにはいつも驚かされる。ジェリー[投票(1)]
★4クィーン(2006/英=仏=伊)女王と国民の間にあるアンビバレントな愛。私たちは今も「君主」というドラマを欲している。たとえ、現代における彼らの役割が「厳粛なる敗北」を演じること以外に何もないとしても…。G31[投票(1)]
★4陥し穴と振り子(1983/チェコスロバキア)時計仕掛けの地獄。歯車・錘り・滑車・梃子…カラクリに宿る非情の意思。チャチな造りが余計に恐ろしい。これほどの悪意あるものを人間が作ったとは思えないが、では一体誰が…。いくけん[投票(1)]
★4宮本武蔵・一乗寺の決斗(1964/日)死者の目で見た白黒の世界は異様に覚醒している。蟹のように二刀を構え泥田を走る姿に、戦時中のニュースフィルムと同質のグロテスクさと悲劇的な美しさが宿る。凄惨な赤も強烈だ。sawa:38, けにろん[投票(2)]
★3ドラゴン危機一発(1971/香港)『田舎のカンフー大将怒髪天』または『カンフー番長・地獄の双手突き』に改題すべき。恐ろしく垢抜けない上に出来もヘロヘロ。まあ、ブルース・リーが観られればそれでいいのだが。けにろん[投票(1)]
★4用心棒(1961/日)戦後の日本映画には数少ない格好よさ。荒々しい山並み、からっ風、舞い上がる関東ローム層の砂塵…これは関西では作れない。ここにカラフルなヒロインがいれば完璧だったのだが。chokobo, けにろん[投票(2)]
★4隠し砦の三悪人(1958/日)なんとモダンなのか!難関をくぐり抜ける機知と大胆。スピードと力強さ。奇想溢れる造形美。『インディ・ジョーンズ』よりも『スター・ウォーズ』よりも、遊びに徹した黒澤はこんなにも面白い。chokobo[投票(1)]
★5ひなぎく(1966/チェコスロバキア)とことんフザケ倒す語り口こそが反逆の表れ。最高の復讐とは優雅に生きること。ワヤクチャのカット割りは明るい悲惨に満ち、ひらめくイメージには捨て身の美しさが…。しかし出口は無い。ボイス母, レディ・スターダスト, 浅草12階の幽霊[投票(3)]
★5ハワイ・マレー沖海戦(1942/日)日本映画における叙事詩の最高峰。存在を賭した戦いの渦中にいた人々の血のどよめきが伝わってくる。愚かさも含めて、虚飾のない姿に震撼した。白がこんなに美しい映画は他にない。ゑぎ[投票(1)]
★5流れる(1956/日)致命的な事柄をなんでもないことのようにサラリと描く。この世のしがらみも川の流れを堰くことはできないのだ、と。日本映画で最もハードボイルドな描写をするのは成瀬巳喜男かもしれない。ジェリー, G31, けにろん, 緑雨[投票(4)]
★3楊貴妃(1955/日)アメリカ的グラマーではなく東洋的豊満。桃のように妖艶。それでいて侵し難い気品。出来が悪いのは、京マチ子の美しさにさすがの溝口も呑まれてしまったから、と解釈してあげたい。ジェリー, りかちゅ[投票(2)]
★4続・荒野の用心棒(1966/伊=スペイン)泥濘のゴーストタウン・大虐殺・十字架・私刑・娼婦達のホクロ・墓標の飾り細工…等などが渾然一体となって暗く、重く、倒錯した美を醸し出す。ネロの碧い眼は被虐の中でこそ映える。sawa:38, ゑぎ[投票(2)]
★4鶴八鶴次郎(1938/日)山田五十鈴の、指で挟んだ煙草を口元へ持ってゆく仕草、煙を吐きながら人の話に聞き入る風情、吸殻をきゅっと揉み消す手つき、その格好良さ・コケットリー。それだけでも観る価値はある。3819695[投票(1)]