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DSCHさんの人気コメント: 投票数順(8/23)

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★4一度も撃ってません(2019/日)15年くらい前、新宿の某天ぷら屋の前に、「なんかすっげえおっかないけど異様にカッコいい、いかにも只者ではなさそうなおっさん」が佇んでいて、恐々遠くから見入ったら石橋さんだったことがあります。まんま、この感じでした。趣味が良いとはとても言えぬファーをまとった見知らぬ女性と夜の街に消えたのです。 [review]セント, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★4ブルータル・ジャスティス(2018/米=カナダ)顛末語りの根底にあると思われる社会観が少し煙たい(※)ものの、面白い。グダグダな喋りの緩さ、おかしさと呵責ないアクションの緩急の「間」による翻弄。片頬だけ上げて皮肉に嗤う「たちの悪い冗談」としての人生。タランティーノコーエンの後に来たるべくして来た象徴的なアメリカ映画。覆面二人の異様な迫力とカラッカラに乾いたブラックユーモアがたまらない。撮影も相当いい。 [review]disjunctive, 袋のうさぎ, ゑぎ[投票(3)]
★3ミッドサマー(2019/米=スウェーデン)狂気とは確信である。当事者には忌避される理由がわからないから隠そうともしない。全てが開けっぴろげに晒される。闇がない、白夜。聖域がない。壁がない。同じ共同体の暴力でも、空間の扱いについて、幾多の壁で仕切られる『ローズマリーの赤ちゃん』の都市的空間(聖域の集合体)との対比から見ると前半は面白いが、後半はそのコンセプトと矛盾していく。 [review]おーい粗茶, ぽんしゅう, disjunctive[投票(3)]
★4家族ゲーム(1983/日)「日常」は「違和」により捏造され、「違和」は「普通」のものとして取り澄ましている。この違和を「全て終わってしまえばいいのに」の視点で炙り出せば、あらゆる事象が異様で醜悪な怪奇映画に。まるで黒沢清の画面(影響受けてる?)。優作は「違和の人」ということも再確認。 [review]週一本, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★3バットマン・リターンズ(1992/米)世界への呪詛は願望の裏返しだ。根っこの根っこでは愛されたい。しかし自分は愛されることのないフリークスだ、と決定的にとどめを刺された時の絶望。しかしその絶望は、安堵にも似ている。「獣達」それぞれの「帰郷」には胸を突かれる思いがする。やはりよく出来た作品ではないと思うが、殴り書きされた呪詛に寄せる慈しみはバートン随一。週一本, ぽんしゅう, 水那岐[投票(3)]
★5Away(2019/ラトビア)死んで、生まれて、見て(まっすぐな瞳!)、聴いて、感じて、練習して、走って、走って、立ち止まって、想う。そしてまた走る。五感に訴える世界創出(とりわけ風)。世界に生きることそのものを凝縮し、その秘密に触れる驚異的にシンプルな寓話。また、徹底した「速度」の映画だ。「日本版スタッフ」は問答無用で縛り首。情状酌量の余地無し。 [review]プロキオン14, おーい粗茶, 月魚[投票(3)]
★2来る(2018/日)映画の神的なぼぎわんがいるなら、監督が食われるのが相応しい。「だって、あんた、嘘つきやから。」 [review]おーい粗茶, ロープブレーク, ゑぎ[投票(3)]
★4万引き家族(2018/日)血縁という呪い、あるいは祝福。狭間を垣間見た佐々木みゆの眼差しの果てに何を見出すか。そのことに思いを馳せられるかが重要。 [review]寒山拾得, けにろん, 水那岐[投票(3)]
★4ボーダーライン(2015/米)善も、悪も、混沌のままに制度化=秩序化され、維持される。悪は善として、善は悪として。境界線上に立つものだけが、全てを知っている。国家が形骸化してなお、制度化が、カルテル側も、対するアメリカも、「家族」の論理に基づいている限り、この物語に終わりはないだろう。 [review]jollyjoker, 週一本, けにろん[投票(3)]
★4アトミック・ブロンド(2017/米)氷風呂。ウォッカのオンザロック。ワインクーラーの中の●●。クールに見せかけて燃えるように熱いというアイテムがロレインのキャラクタを説明している。そのマンガ的なあざとさを説得的にモノにしてしまうセロン女史の完璧さ。アイドル映画として十分なところブテラさんとの弩級の顔合わせで完全に鼻血案件化。 [review]3819695, おーい粗茶, けにろん[投票(3)]
★3バトルシップ(2012/米)侵略者側の行動規範や目的がいまいち不明瞭で、もしかして宇宙人さん可哀想なのではとすら思ってしまうのだが、SF的示唆もろとも四の五の言わずにぶっ潰すという脳筋ぶりがいっそ清々しい。とにかく昨今珍しいレベルで威勢がよく、このテのにありがちな国粋的きな臭さもなくてカラッとしており、ベタの崇高さを教えてくれる。浅野も冗談を楽しんでいる空気が愉快。爺連の素晴らしさは言うに及ばず。 [review]クワドラAS, disjunctive, けにろん[投票(3)]
★5ツィゴイネルワイゼン(1980/日)女を軸に「右往左往」する男達。右へ左へ、奥へ手前へ。彷徨のうちにどっちを向いているのか分からなくなる。迷子にならずに腰を落ち着けたいなら、死ぬしかない。女を支配しているつもりが、支配され、逃避し続ける原田と、彼岸と此岸の境界で爪先立ちし、此岸に必死にしがみつく藤田。哀しく、恐ろしく、可笑しいエロスとタナトスの戯画。「肉の極みは骨ですよ」 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得, けにろん[投票(3)]
★5犬ヶ島(2018/米)子どもや被虐者による世界の再構築を偏執的美術とアクションで物語るスタイルを自己トレースしつつも、オフビートに見せかけた裏の熱が最高値だ。それは劇伴や涙の圧倒的な質感でいや増し、棄てられた者の逆襲に寄せる情感は全盛期のティム・バートンを遂に凌ぐ。「出陣×出産」のシークエンス以降、涙が止まらなくなってしまった。久々の臨界突破。ゑぎ, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★3北陸代理戦争(1976/日)鬼面の御陣乗太鼓の異様な開幕。雪と血の予感。おお北陸じゃ、この本気に復讐劇を絡ませるなら相当だと身を乗り出したが、西村晃ハナ肇のマンガが過ぎて一貫せず食い合わせが悪い(面白いが)。この点、高橋洋子が徹底して映画を掌握している。主人公はほとんど彼女だろう。基本的に素朴なかわいさなのだが、見せ場で物凄い表情を見せる。まさに鬼面。 [review]ぽんしゅう, ゑぎ, けにろん[投票(3)]
★2パーフェクト・ワールド(1993/米)イーストウッドだからと持ち上げると、却って失礼なくらい弛緩した映画だと思う。全ては御大の八方美人と逃げに起因。ローラ・ダーンを起用しながらこの有様なのも気に入らない。 [review]disjunctive, けにろん, 袋のうさぎ[投票(3)]
★4ゼロ・ダーク・サーティ(2012/米)誰かが与えられた「役割」の中で「ベストを尽くす」ことで、誰かが死ぬ。それがイスラムの自爆テロであるか、米の諜報作戦であるか、過ちであるか正しさであるかに関わらず。それが世界のシンプルな「機能」として終わらない様の残酷。何のための「ベスト」なのか。茫漠としてわからぬまま、何もかも間違っているような、正しいような・・・はっきりしているのは終わらない「機能」の正確さと個の隷従の悲劇のみ。 [review]袋のうさぎ, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★4県警対組織暴力(1975/日)「県警vs組織暴力」ではなく「県警with組織暴力」といった手触りの開幕から次第に「vs」に至らしめるのは、「戦後的なるもの」を葬り去ろうとする「60年代」という「時代」。仁義も大義も時代の転換期に古びた言い訳と堕し、文太松方のブレた遠吠えは、「こんにちは赤ちゃん」の快哉にかき消される。ここでも男は時代に殺されたのである。 [review]ゑぎ, ぽんしゅう, 寒山拾得[投票(3)]
★5不思議惑星キン・ザ・ザ(1986/露)ああ。なんて不毛なんだ。その可笑しさと表裏一体の恐ろしさ。提示の匙加減が素晴らしい。 [review]けにろん, ゑぎ, ぽんしゅう[投票(3)]
★4希望の国(2012/日=英=香港)言葉も情報も意味と力を破壊されたあの時、言葉はあらゆる目的のために再構築された。希望を謳う言葉を疑い、憎みながら縋らざるを得ない弱さを抱きしめ、言葉の無力に苛まれながら、それでも園子温は「希望は嘘をつくことがあるが、絶望は嘘をつかない。希望はそこから始めなければならない」と言い切った。言葉の人としての、血を吐くような吐露と思う。万人向けの解ではない。それでいい、それがいいと思う。 [review]ぽんしゅう, けにろん, 寒山拾得[投票(3)]
★3南極料理人(2009/日)美談的な解釈も頷くところではあるが、芹沢明子のカメラのせいで、ユルい噺に見せかけた怪奇映画に見えてしまう。投げ出された唐揚げやバターを貪るオッさんの件はチャップリンが靴紐を啜るのと同質の食欲のグロテスクがある。少なくとも期待してしまうし、見え方もそうなのだが、語り手にはその気はない(気づいていない)ように見える。 [review]disjunctive, jollyjoker, ぽんしゅう[投票(3)]