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disjunctiveさんのお気に入りコメント(22/39)

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016/米)★4 「ところで、ジェダイが主導するSWって、実はつまらないと思わないかね?」byギャレス・エドワーズ(想像) 無名の「ならず者」が織り成すSW。敵が圧倒的に強くないと燃えないじゃないですか。綺麗事だけじゃないはずじゃないですか。当事者は仲良し優等生だけですか。そもそも戦争じゃないですか。死に痛みはないんですか。他所では佳作程度の映画かもしれないが、SWという枠組でコレをやる意気に加点。 [review] (DSCH)[投票(7)]
地獄でなぜ悪い(2013/日)★5 リアリズムがファンタジーにより惨殺され、更なるファンタジーにより異化され、粛清させられる「楽しい地獄」。星野源(孤高の弱者のフリ!)の軽快な主題歌に乗り飛び交う生首には、涙すら禁じ得ない映画天国の再生が垣間見える。國村、友近、二階堂、堤が血達磨と化して見栄を切るなか、独善に哄笑する映画馬鹿の突き抜けた黒さも愛しい。 (水那岐)[投票(5)]
哭声 コクソン(2016/韓国=米)★3 常識人が描いた薄味の狂信。クライマックスの延々続くカット・バックに辟易とした。 [review] (寒山拾得)[投票(3)]
沈黙 -サイレンス-(2016/米)★3 どうも演出家が長崎と魔界を取り違えているらしいのは、云うまでもなく乙なものである。同様に、日本人の演出家であれば呪縛的に逃れられなかったであろう時代劇的演技のコードから自由であるところに徳高さが好もしく滲み出る。平生の現代劇芝居と寸分違わぬ菅田俊浅野忠信に金銀のメダルを捧げたい。 (3819695)[投票(4)]
三重スパイ(2004/仏=ギリシャ=伊=露=スペイン)★4 室内劇という限定された状況が不条理を醸し出し、冷徹な編集と相まって酷薄が極まる。省略の方法論の見事な達成。 [review] (寒山拾得)[投票(1)]
4デイズ(2010/米)★3 昨今残酷表現にはいろいろとうるさいので拷問の描写は肩透かしだが、その一方、核爆弾の場所を探すべきFBIの担当(キャリー・アン・モス)は人道主義者と全体主義者の間をどっちつかずで行ったり来たり、その姿にいらいらしてしまう。尋問のプロ"H"(サミュエル・L・ジャクソン)の演技にもなにか迷いが感じられる。 (サイモン64)[投票(1)]
ワイルド・ブリット(1990/香港)★5 自転車の回想シーンには涙。『ウェストサイド物語』みたいなムチャな冒頭から、様々な映画ジャンルを横断しつつ描かれる野郎3人組の物語。葉巻爆弾もあるぜ。 [review] (ペンクロフ)[投票(1)]
お嬢さん(2016/韓国)★4トビー・フーパー塚本晋也、あるいは楳図かずお先生や伊藤潤二先生の漫画が瞭らかにしているように)原理的にはワンカットに並存できるはずの「恐怖」と「笑い」が、パク・チャヌクにあってはトレードオフにあるようだ。むろんその性分は憎めないが、面白さの最大化にとっては決定的な障碍でもある。 [review] (3819695)[投票(5)]
お嬢さん(2016/韓国)★5 どんでん返し構造のみならず清順仕様かと見紛うキッチュお下劣意匠と濃厚濡れ場と異様な変態日本語によるパラレルワールド感が混然となり怒涛のように押し寄せる。しかし混濁世界から彼女たちは飛翔するのだ。一方男たちは地獄の底でのたうち死滅する。 (けにろん)[投票(4)]
ミュージアム(2016/日)★3 予告編を見て以来、サイコサスペンスもので、ずっと降りしきる雨、すごい工夫して殺した屍体、傷だらけの刑事、謎のメッセージ……と、2016年にもなって『セブン』を日本でやろうとしているように見えるその蛮勇は見届けねばなるまいと期待していたのだった。 [review] (MSRkb)[投票(2)]
夜顔(2006/仏=ポルトガル)★4 老醜と変態が滲み出るかの如きピッコリのアル中演技から一瞬たりとも目が放せず、それだけでも必要十分だが、怒涛の終盤に叩き込まれた意匠(箱や雄鶏)が醸すブニュエルへのオマージュ。2人の爺さんのシュール趣向の奇跡的シンクロ。たまらない。 (けにろん)[投票(4)]
夜顔(2006/仏=ポルトガル)★4 ここにおいて物語の経済学は完膚なきまでに葬り去られる。長すぎるフィックス・速すぎる切り返し・ミシェル・ピコリの身体/顔面・鏡・照明、がかたちづくる「無駄な/過剰な」カット群の魔力。それがつまりは、とりあえず「映画」と呼ばれている何ものかである。 (3819695)[投票(1)]
ブロンド少女は過激に美しく(2009/ポルトガル=スペイン=仏)★4 画面の中の画面の様な「窓」という縁取の枠組が、男女二人を結びつけたと言ってもいい。窓は四角形に視界をきりとることで、きりとられた対象を一個の肖像として仕立てる。画面の中で全ては生起する(全てを描写する)というサイレント映画的モラル。リカルド・トレパの少女を見初めた瞬間の正に「見初めた」表情。 ()[投票(1)]
ブロンド少女は過激に美しく(2009/ポルトガル=スペイン=仏)★5 根性悪に見えても清新な気概を持ち、無垢な魂の裏には悪魔が潜む。仄かにズレた間合いの居心地悪さと一筋縄ではいかない狂気の片鱗を散りばめたオリヴェイラ節の最高度の凝縮と結実。畳み掛けるラスト3カットの内包する映画性は最早神の領域。 (けにろん)[投票(3)]
家族の灯り(2012/仏)★4 テーブルの上のランプや街のガス燈といった現代の光とは違う光源を基にした光の扱い。(いや太陽光も月光も現代とは異なるという認識でいいのかも知れない。つまり現在とは違う光を志向していると。)また家の外の舗道や家の外観の美術装置も美しく、レナート・ベルタによる柔らかな光の回り具合は絶品だ。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
フューリー(2014/米)★3 心やさしき新米兵が、苛烈な戦場下で人間性を失う葛藤と戦いながら成長し、生き抜いていく。基本プロットはガンダムその他で使い古されたもの。 [review] (緑雨)[投票(1)]
新仁義なき戦い 組長最後の日(1976/日)★4 十三の路上や空港でのアクションの夢見るようなタッチが素晴らしく、ラストの荒んだイロニーも見事。鉛色の文太が際立っており、前半を引っ張る藤岡琢也桜木健一もいい。新三部作では随一の出来。 (寒山拾得)[投票(1)]
悪童日記(2013/独=ハンガリー)★3 原作がほとんど文体の戦略でもって成り立ったような小説だけに、小説はいかに映画化されるべきかという昔ながらの問題が一入に顕在的だ。要するに、人物や風景が実在感を伴って表象されるのは映画の主要な武器だが、創意工夫もなしに小説『悪童日記』にそれを適用するのは果たして賢明の策だったろうか。 [review] (3819695)[投票(4)]
悪童日記(2013/独=ハンガリー)★4 ナチ支配下の東欧で状況を見つめる双子の冷視線は否応なく『ブリキの太鼓』のトリックスター少年オスカルを連想させるが、言うほど弾ける訳でもない。真摯な作風は原作への遠慮の裏返しとも言え、それは映画としてどうなのかとも思う。毒のブローアップ不足。 (けにろん)[投票(2)]
リスボンに誘われて(2013/独=スイス=ポルトガル)★3 物語の中心を占める「不在者」が説得性を欠いたまま祀り上げられる『永遠の0』と同種の構造が不誠実だ。ここで説得性とは、何よりもまず当該人物の被写体的魅力に依拠する。ジャック・ヒューストンのそれはジェレミー・アイアンズに大差で劣っている。後景を等閑視したアップカットを除いて撮影は上々。 (3819695)[投票(1)]