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★5 | 風の谷のナウシカ(1984/日) | 地政学的広がりと歴史的時間軸を精緻に設定して巨大なクロニクルの一端を垣間見たようなロマンティシズムが発生。清冽な風吹く空と澱む腐海の高低差の表現とそこを縦横に飛翔するダイナミズム。ナウシカの無為と余りに人間的な脇役陣。対比は須らく成功した。 | 鷂, 寒山拾得, DSCH | [投票(3)] |
★4 | その手に触れるまで(2019/ベルギー=仏) | イスラム原理主義が西欧的に鈍化されるべきとまでは言ってないが、それが排他的テロルに接続することへの不承認。況してや未成熟な子どもの洗脳への怒りの表明。マシーン化した彼は脇目も振らずに直走る。直截描法が活劇性に至る。そして帰結する少年らしさ。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | あゝ 野麦峠(1979/日) | 女工哀史的な情緒がだだ漏れる被虐もあるが一方で優良工女の争いがしのぶVS美枝子の両極激突に表象されるのが骨太で女性讃歌へと接続される。製糸工場のセットは健闘だが美学的昇華には至らぬがストーリーテラー薩夫の熟達の剛力がカバーした。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 見知らぬ乗客(1951/米) | ムード身上のチャンドラーが当然の如く機能せずプロット主導のヒッチが統御した映画は物語のロジックを喪失し寄る辺ない凡庸に陥る。出演者にも華が無い。極言すれば「メリーゴーランド」と「テニスの観客席」と「サングラス」以外は全く平板で退屈。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | ギャラクシー・クエスト(1999/米) | お真面目なリックマンやウィーバーに意外性があるという程度の50年代コメディの無毒性再生利用。以上でも以下でもないから幾何級数的な無限逸脱の破綻スパイラルを望むべくもない。これでは閉じた世界で自足する準オタッキー御用達の汎用品だぜ。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★3 | アフター・アース(2013/米) | 「帰れ」という父の言葉を無視する崖の場が転機となり物語が転がるはずが、ありきたりな展開を消化するだけに終わってる。伝承譚としても世代交代の説話としても父スミスの役不足が決定的。しかし、ジェイデン可愛いやの親バカ映画は不快ではない。 | IN4MATION | [投票(1)] |
★5 | グラン・ブルー(1988/仏) | 3人が世界各地で点描される前半がスケールとロマンティシズムを内包した悠久の映画的ダイナミズムを示現している。中盤、男2人に女1人のルーティーン展開になりかけたのだが最後は全てを振り切り神話の世界に越境。その永遠の絶対性を映画は獲得している。 | t3b, セント | [投票(2)] |
★2 | ザ・ロック(1996/米) | ジャンル定形の要素を並べただけでオリジナリティゼロなのにしてやったりの大見得を切る。パターン化したマニュアル通りの作劇には心底ウンザリ。劣化AIが作った代物めいて馬鹿なりにでも破綻してみろと言いたくなる。役者も安牌が揃って何の面白味もない。 | t3b | [投票(1)] |
★4 | コロンバス(2017/米) | 鬱屈を殺し諦念に至った彼女が男への心情吐露を反復することで自己解放に至る物語でヘイリー・ルーの顔と体型と特定分野への傾倒のバランスがチョウの欲情を抑制し真ダンディズムを獲得させる。ただモダニズム建築の映像定着が淡泊に過ぎ物足りない。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 赤い鳥逃げた?(1973/日) | モラトリアムとアウトローな末路を誂えた下町食堂の定食の趣だが、いいかげん定職につかんと俺みたくなっちまうぞーと芳雄に言わせて単なるポーズが露見。温泉宿のシロクロ撮影会の最果てが見たかった。紛い物の連鎖の中かおりのおっぱいだけが真実。 | ゑぎ, 寒山拾得 | [投票(2)] |
★2 | ふたり(1991/日) | ハイビジョンというオモチャを得て大林の悪癖が爆裂。少女世界から大人の女への越境というセンシティヴ且つヴィヴィッドな物語を台無しにした。儚げな中島朋子が絶品だが石田の演技は不可解。クセありすぎの両親のキャスティングにも疑問が残る。 | ペンクロフ | [投票(1)] |
★5 | バーニング 劇場版(2018/韓国) | 適度に春樹意匠は残存させつつ独自世界が延伸する理想形で『いとこ同志』な人物配置にマイルス丸っぽなド真ん中で詠嘆するというNVも侵食する失踪の迷宮。転換点のマジックアワーに拘った光と北情宣放送の幽かな響きの刹那が無辜な地獄への入り口。 | セント, ぽんしゅう, 袋のうさぎ, ナム太郎 | [投票(4)] |
★4 | 恐竜が教えてくれたこと(2019/オランダ) | 少年のひねた終末観は少女の登場で放逐されるが、未だ性への意識が発現する前のこの頃、騎士道精神にのっとり親に背いてでも直走る。結果、上手くいって父ちゃん母ちゃんもハッピーめでたいなである。2人が駆け足で自転車で田園を丘陵を疾走する。清々しい。 | 3819695 | [投票(1)] |
★5 | (秘)色情めす市場(1974/日) | 母娘の確執という閉じた世界は、破綻して爆死する者たちと並置されて浪花ど根性的な生の讃歌へ反転する。舞台の釜ヶ崎・安藤のモノクローム・芹の虚無と台詞廻しの3者が密接不可分な領域で変容・獲得した俯瞰の視座。リアリズムと寓話の奇跡的融合。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★5 | きみの鳥はうたえる(2018/日) | モラトリアムでない完全な閉塞を自覚することもできない今とそこで彼らと彼女は水槽の中の海水魚よろしく浮遊してる。足掻く奴を理解もしたくないしコンビニと遊興場があればいい。攪拌する何かが到来する前の停滞と混沌を刹那な艶で描き切った進行形の哀歌。 | まー, 緑雨, 3819695, 水那岐ほか6 名 | [投票(6)] |
★5 | 夜は短し歩けよ乙女(2017/日) | 独り好き女子を好きになった奥手男というオタク設定は、2人を狂言回しにして古今が融解する京都で虚実が錯綜する文学の裏表に塗され止め処なく拡散していく。その奇矯なイメージの奔流が何時しか2人の情動に作用する。憑物が落ちたような最後のピュアネス。 | おーい粗茶, 水那岐 | [投票(2)] |
★4 | グレン・ミラー物語(1954/米) | サッチモをあれ誰?と言う音楽音痴の彼女が唯一好きな曲は全く趣味じゃなかったという前振りが反転結実するラストの珠玉。丁半博打の人生に張って乗った女の一代記とも見れる。こんな出来た女房じゃ男はやるしかないっす。背景の絵面が悉く気が利いてる。 | jollyjoker | [投票(1)] |
★4 | デッド・ドント・ダイ(2019/米) | アナログ回帰を謳った『パターソン』を換言した物質文明への絶望。ロクなことなりゃせんぜの詠嘆が醸すダウナー&オフビート基調は冴えない楽屋落ちで弥増され直角歩行ティルダへの期待は膝カックンで断ち切られる。懐かしい顔ぶれも交えた総括的お遊び。 | セント, ナム太郎 | [投票(2)] |
★4 | 永遠の門 ゴッホの見た未来(2018/英=仏=米) | 撮影手法に疑問は感じるが熾烈な魂を刻印しようとする思いは感じる。全否定の中で世界から孤絶する絶望に向き合いながら生き急ぐようにキャンパスに色を重ね続けた彼と表層でなく内実で同期する。耳切りから療養院に至る生地獄の果ての刹那な安息が切ない。 | 週一本, おーい粗茶 | [投票(2)] |
★3 | 知りすぎていた男(1956/米) | ヒッチの技法は、どっちかと言うと物語に従属し映画的快感に乏しい。何より主題歌「ケ・セラ・セラ」が屹立した存在感を示す終盤は技巧に耽溺した作家があっけらかんと1音楽に隷属してしまう様が一種歪で異様でさえある。 | jollyjoker, ぽんしゅう | [投票(2)] |