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けにろんさんの人気コメント: 更新順(60/143)

人気コメント投票者
★5地球は女で回ってる(1997/米)フェリーニのようなものではなく混沌とした内実が希求する表現が深層のところで合致し吹っ切れた領域に突入したアレンの里程標。ゲスな女狂いは必至こくメガネ親爺の七転八倒によって緩衝され小説世界のナンセンスと混濁してフィナーレに雪崩れ込む。ぽんしゅう[投票(1)]
★3幸せなひとりぼっち(2015/スウェーデン)偏屈老人の自己回復の話として、帯びた社会性に一応は納得する出来なのだが、急旋回に男と女房と隣人の暦年話になってくのが戸惑う。筋としてそこが本質なのではと思えるから。技術系男子と文学系女子の馴れ初めからの交々は余りに端折った感が拭えず惜しい。jollyjoker[投票(1)]
★2東京戦争戦後秘話(1970/日)60年安保ド真ん中で撮られた『夜と霧』の10年後に於ける対置作として企てられたのだが熱波は去り己も醒めてな〜んにもなくって御免なさいってなもんである。遺書であるフィルムには写すべきものは無く迷宮への誘いに大島自身が嵌まり込んで漂泊する。寒山拾得[投票(1)]
★5ムーンライズ・キングダム(2012/米)潔癖すぎるまでの構図や美術を始めとした世界観、笑わない低温な人物群などがタチを思わせるが、境界超え寸前の猥雑なエロティシズムや狂気手前の偏執も混在してる。ミクロな世界で閉じてるかに見せつつ、実はマクロな世界の変容を暗示する。したたかだ。ゑぎ, disjunctive, DSCH, セント[投票(4)]
★5ツィゴイネルワイゼン(1980/日)清順の内在に根差したらしき処から降って涌いたかの如くに確固たる認識で高等遊民を描いた昭和モダニズム世界が現出した点。それが、その技法上の破綻した個性と融合し模倣を許さぬ幽幻に到達した点。孤高の男の追随不可能な映画。DSCH, chokobo, worianne[投票(3)]
★3小説吉田学校(1983/日)森繁の渾身な成りきりこそ見物だが、クソ真面目な森谷山本のような寝技が出来得る訳なく抑揚の無いエピソードの断片的なつなぎ合わせに終わった。角栄・佐藤・中曽根など不要で三木武吉との確執こそど真中に据えるべきなのに如何にもな迎合だ。寒山拾得[投票(1)]
★5映画に愛をこめて アメリカの夜(1973/仏=伊)入れ子「パメラ」は茶番であるが、役者が役者を監督が監督を演じるメタ批評性が映画にダイナミズムを与える。絶頂期トリュフォーが才能の余禄で撮ったようなもんだが映画の神は皮肉にも降臨。自画自賛話を聞かされ気持ちいいのは人徳以外の何物でもない。3819695, セント[投票(2)]
★5トゥルー・クライム(1999/米)ウッズとの掛け合いのグルーヴの役者同士たる幸せに感化され分泌&放出されたアドレナリンはワシントンとの対面シーンでの馴染みの噛み殺す滾る怒りに再分泌される。女癖も余裕でかましハリウッドベーシックなラストは余韻と詠嘆が滲み小粋そのもの。サイモン64, 青山実花[投票(2)]
★5グレイテスト・ショーマン(2017/米)キャッチーな名曲を朗々と謳い上げる快楽が全篇を支配し演出も絶妙な反リアリズム。差別に対し生半可なスタンスなのだが少年時代の林檎を手渡し雑踏に消える彼女の鮮烈なイメージが疑義を上塗る。圧倒的なものを圧倒的に描き被虐は真実を照射するカーニバル。月魚, てれぐのしす, ぽんしゅう, ぱーこ[投票(4)]
★4アリスのレストラン(1969/米)反体制というほどの気構えもないフラワーなヒッピーライフは同年の『イージー・ライダー』と合わせ鏡でベトナム時代の楽天主義も一方の真実だったのだろう。良血アーロ・ガスリーの品良いおぼっちゃん顔が見た世界だとしても。それでもラストはシニカル。ぽんしゅう[投票(1)]
★2J・エドガー(2011/米)今更、チビでデブでハゲでマザコンでゲイだからといって何だと言うのか。申し訳ないが10年古い。語るべきはアメリカ近代史への言及であり、そこへの歴史的関与のダイナミズムで、垂れ流し的な点描ではない。ナオミ・ワッツの使い捨ても目を覆う。Orpheus, 死ぬまでシネマ, セント, ぽんしゅう[投票(4)]
★5フルスタリョフ、車を!(1998/仏=露)脇かと思えた絶倫ハゲ親爺が主役と解るころ猥雑と過剰のカオスに巻き込まれ脳内マヒ状態に陥るが、一方ハイキー&エッジ効いたモノクロカメラ使いの想外の手管に幻惑させられる。物語の騒乱のあとの諦観的帰結は見てくれ『サテリコン』な本質『甘い生活』か。寒山拾得[投票(1)]
★4ジュリアス・シーザー(1953/米)実に政治と民意の本質をついた話でシェークスピア恐るべし。密議は物陰や軒先で行われ溜まった映画的エモーションは事変後の大群衆を前でのアジで大炸裂。賢人の真摯な吐露はポピュリストに一撃で駆逐される。後方で控えていたブランドの胆力が白眉。ぽんしゅう[投票(1)]
★4焼肉ドラゴン(2018/日)美人3姉妹を軸とする物語は当然に男どもを呼び寄せそこに軋轢が産まれるし在日の被虐はときに悲劇へ繋がる。それでも高度成長下の日本で幾許かの希望を持てた時代への懐旧。自己史と家族史、在日史と半島史を述懐するキム・サンホに全ては収斂するのだ。寒山拾得, セント, ぽんしゅう, 水那岐[投票(4)]
★2女囚さそり けもの部屋(1973/日)冒頭の地下鉄シーンは良い。だが、その後街中を腕ぶら下げて走るは、さそりじゃなくて女の子になっちゃってるのだよ。伊藤演出の本気度の低下は著しい。その後も何に抗うのか不明の物語が綿々と続き白ける。の怪演も今いち活かし切れてない。寒山拾得, ぽんしゅう[投票(2)]
★3夕陽の群盗(1972/米)徴兵拒否した主人公が、とどのつまりロクなもんにならねえって話で身も蓋もない。そういう意味で正しくニューシネマの1篇なのかもしれない。「撃たれて死ぬ」・「撃って殺す」ことのリアリズムと凶事が平穏に唐突に割込む理不尽。ポイントは押さえられてる。ぽんしゅう[投票(1)]
★3女と男の観覧車(2017/米)ウィンスレットの荒びと倦怠は未だしも若造との情事がのめり込んだよに見えず余裕の遊び半分に見え後半の展開がしっくり来ない。一線を越えたかの如きラスト大芝居は空転する。悪魔チックな火遊びガキやトリッキーな照明。ピースは揃ったが噛み合わない。ゑぎ, 赤い戦車[投票(2)]
★4ロミオとジュリエット(1968/英=伊)それほど感興が涌かない古典題材もアイデア次第で蘇る。役柄と実年齢が同じ少年少女を使ったという一点でこの映画の勝ちが決まった。若さの弾けんばかりの瑞々しさが画面からほとばしる。一方で入念な考証に基づく美術や衣裳の厚みが文学的格式を堅持した。青山実花[投票(1)]
★5天国と地獄(1963/日)局地的でミニマムな相克なのに切迫と緊張を最大限に加重しロシア文学めいた神の荒野が現出する。テクニックも冴え「こだま」カットインによる省略と急転は4人の脚本家チームが小躍りする様が見えるようだ。一発勝負の苦肉はマルチカメラの臨場感を倍加した。ぽんしゅう[投票(1)]
★4空飛ぶタイヤ(2018/日)巨大企業VS零細企業の図式に留まらず零細の内部分裂と巨大内部での統御崩壊を落とし込んで単視眼な企業講談に陥ることを免れてる。更に財閥系銀行の冷徹なグループ間統治も適宜。関心圏外なディーン一生の気障ったらしい唐変木演技も本質を衝く。死ぬまでシネマ, ぽんしゅう[投票(2)]