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ジェリーさんの人気コメント: 更新順(5/60)

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★3キングダム(2019/日)漫画っぽいストレートさがよい。主人公が強く勇敢だが思慮浅い感じが出ており、東西の神話伝説のヒーロー像のスタディぶりが分かる。悪役のバラエティも豊富。美術は大出来。特に山の民のデザインコンセプトが秀逸。アクションシーンは中国剣劇映画に僅かに及ばないがそれでも時間を忘れることができた。けにろん[投票(1)]
★5奇跡(1955/デンマーク)卑小で欠落の多い生き物ゆえにこそ訪れる恩寵。神の息遣いが伝わる宗教劇の傑作。登場人物の心の中の嵐が、粛々としたリズムの中で手に取るようにわかる。台詞一つ一つの駆動力の高さが桁違い。緩やかなパンニング、禁欲的なミディアムショット、固定焦点距離の絵作りなのにシーケンス転換は驚異的に鮮やか。寒山拾得, ぽんしゅう[投票(2)]
★4フェイシズ(1968/米)刺激に対する反応の生物としての人間が描かれる。単なる肉と化した人体。しかしそもそも人間は肉であったはずだ。人間にそのことを絵画で気づかせたのがベーコンだとすれば、映画で成し遂げたのはカサヴェテス。とびっきりの斬新さに富んだ技法含めて彼をナチュラリストと呼びたい。jollyjoker[投票(1)]
★5原爆の子(1952/日)上映時間の殆ど9割はトーンを抑え、被爆の光景や火災シーン(正確にはその直前の滝沢修の演技)を近接撮影や全編通じて唯一の手持ちキャメラ撮影でトーンを上げる。声高さを排除し静謐さを基調として人物の強い感情を浮上させる手綱捌きが優れている。 [review]ペンクロフ[投票(1)]
★4アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー)何かを手に入れた瞬間に失われる別の何かかけがえのないものへの鎮魂曲。人間にとって時間は単線ではない。悲しいことに「今」が成立するためには、「ありえたかもしれない今」が不可欠なのだ。緑雨, DSCH, ロープブレーク, くたーほか6 名[投票(6)]
★4黒蘭の女(1938/米)帰郷したヘンリー・フォンダを囲んでの晩餐会の後、庭に出たヘンリー・フォンダを追うベティ・デイビス。誰もいなかったはずの玄関にキャメラが緩やかにパンするとそこに彼女がすっと立っている。ワイラー演出の最深部がこのワンシーンに結晶している。 [review]マカロン, りかちゅ[投票(2)]
★4トップガン マーヴェリック(2022/米)キャスティングがいい。将軍達はみな合格。とりわけアイスマンの登場は36年ぶりの続編に深さをあたえた。正直もっと泣けたのは、ジェニファー・コネリーの起用であった。お美しいです。スクリーンXで見て良かった。音響の良い施設であることも大事。そういう映画だし、それでこそ映画。 [review]緑雨[投票(1)]
★3ならず者(1943/米)素人臭さが伴うのだが妙に説明くさい構図に味がある。縛られた娘のところに、ビリー・ザ・キッドが戻ってくる俯瞰ショットなど、今の映画ならカットで割る筈だ。善人とも悪人ともつかぬ男たちが、撃つべき時に撃たない奇抜なストーリーなのもくせ強い。音楽ベタに使いすぎ。けにろん, ゑぎ[投票(2)]
★4アメリカン・スナイパー(2014/米)この映画にふさわしい賛辞とは何かを考え、誇張の抑制という言葉を思いついた。生々しい事実を映画にしてしまうことが暴挙と知っているゆえの慎みと謙虚さを、クリント・イーストウッドはこれまでの作品以上に大事にしている。主人公が照準スコープを凝視するときの瞳孔の奥のゆらめきを言葉にできたらと思わずにいられない。ゑぎ[投票(1)]
★4怒りの日(1943/デンマーク)魔女という徴(しるし)が機能するシステムが恐ろしい。司祭の家の室内は石牢のように抑圧的だ。各人の部屋のドアは決して同時には開かれない。姑が消えると嫁が現れ、父が引っ込むと息子が登場する。一方で燃え盛るような青草に満ちた屋外のエロチックさ。こうした対比を静謐なトーンに収めて見せる腕の冴えに唸らされた。寒山拾得, けにろん, ぽんしゅう[投票(3)]
★3そして父になる(2013/日)魂が揺るがされるような大きな問題に直面したときに、その人の本性が現れる。登場人物の心に射す影のリアリティが、実に見事である。主人公がようやくスタートラインに立ったところで映画は終わる。我々は本当の物語が始まる以前を見たのに過ぎないのである。緑雨, おーい粗茶[投票(2)]
★5朝が来る(2020/日)展開の起伏が、一般的な起承転結とはおよそ異なる。視点は高く凝視は深い。夫婦を襲った辛い現実とその克服、サスペンス映画の緊張感を漂わせる母親を名乗る人物の登場、そして、前日譚へ。人間が抱える重い課題が鮮やかに展開されていき、希望の可能性が最後に示される。涙なしに鑑賞できないコーダ。浅田美代子の神がかったような演技に目を見張る。セント, けにろん[投票(2)]
★3ジャージー・ボーイズ(2014/米)ターゲット観客は爺婆の夫婦か。保守的な題材を丁寧に作るこの情熱がよく分からんし、メタフィクション的演出が何の効果も発揮しないのだが、俳優のメイクとアメリカンポップスの真髄を軽やかにまとめ上げた演出には不覚にも感動した。けにろん[投票(1)]
★3赤い影(1973/英=伊)血の色のリアルさは私には重要指標だが本作は全く駄目だった。ただ映画における人の死の必然性なるものを一切描かず、偶然としての死を描いてドラマを排した作りが新鮮。潤色は違えど『プレッジ』の遠い祖先を思わせる。ゴシック・サイコ・ホラーなどではないのだ。けにろん[投票(1)]
★5ゴジラ(1954/日)50年ぶりの再見。本作をゴジラシリーズの第1作として評価することを好まない。テーマ的に深い感動を受けた、唯一無二のゴジラ登場作品である。 [review]シーチキン, ぽんしゅう, DSCH, ペンクロフ[投票(4)]
★2ゴジラの逆襲(1955/日)怪獣対決というコンセプトがここで初めて登場した。アンギラスとのストロングスタイルの戦いは見ごたえがあった。しかし、人類との戦いはしょぼかった。 [review]シーチキン[投票(1)]
★4レッド・ドラゴン(2002/米)モチーフは「見ること」。 [review]DSCH, ishou, sawa:38, ババロアミルク[投票(4)]
★4タバコ・ロード(1941/米)主要人物が少しづつ画面から退場し、老夫婦が救貧農場に行くあたりからの美しいロングショットの連打を観ていて、この抒情性を最後に繰り出すために前半〜中盤にかけてのスラップスティック的ともいえる動的シーンの意味があったのかと膝を打った。静と動の振幅のスケールが桁違い。けにろん, ナム太郎[投票(2)]
★1悪人(2010/日)既視感に襲われる手垢のついた犯罪メロドラマ。テーマは分かるにしても、がさつな神経による安手な人物造形で、つまらないことこの上ない。見せられているのは人間ではなく、「マスメディア報道の裏に潜んでいる人間の真実の姿」というステレオタイプであった。pori, ぱーこ, 青山実花, ゑぎ[投票(4)]
★4溺れるナイフ(2016/日)未成年者の際限しらずの可能性が、危うい不安定性の対極ではなく同腹の一対であることが喝破されている。主人公たちは海、川、掘割など水の近傍で描写される。水は創造と破壊の両義的象徴である。こうしたテーマ性と粗削りな語り口、漁村土俗から、1970年代日本映画へのレスペクトを感じさせる。ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]