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★4 | パピヨン(1973/米=仏) | 娑婆と監獄を往還しつつどんどんと詫び寂びの境地に到達する構造が秀でているのだが、その為の導入の囚人護送の一大モブが効いてる。刷り込まれたマックィーン=脱獄定理が基底を固めるが最後のドガの万感を込めた表情もホフマン最良の演技のひとつ。 | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★3 | ザ・ウォーク(2015/米) | スッカスカ話を1点突破すれば絶対映画の領域にもと思ったが所詮ハリウッドマターでなるわけない。凡述懐をレヴィットで語らせるW役満振り込み的ハコテン演出。CG全依存の鳥飛来に何の意味があろう。チャップリンの爪の垢でも煎じて飲めばいい。
| jollyjoker | [投票(1)] |
★4 | 男と女(1966/仏) | 主役2人の微妙なエッジの効き加減がモノクロ画面とシンクロして甘さを緩衝。そのうえでルルーシュは砂糖菓子のようなボサノバを流し恰好つけまくりのソフトフォーカスをこれでもかと垂れ流し臆面もない。ヌーベルバーグに倦んだ時代に現れた新古典主義。 | いくけん | [投票(1)] |
★3 | 二・二六事件 脱出(1962/日) | 「二・二六」を背景に描いて事件への客観的視座を確保し得ているところが良い。青年将校は徒にファナティックでもヒロイックでもない。健さん始め後の任侠面子の神妙演技への違和感も三國とのコラボで均衡を保つ。ただサスペンスは甘い。 | Sigenoriyuki | [投票(1)] |
★5 | ナイト&デイ(2010/米) | 60年代ハリウッド製ロマンス・アクションの最良形での復刻であり、フランケンハイマーを彷彿とさせるアクション演出の重量感も好ましい。そして、白馬の王子願望の成就が行き遅れ感あるキャメロンにより成される現代へのキャッチーなセンスこそ肝。 | Orpheus | [投票(1)] |
★4 | ローマの休日(1953/米) | 不可触人だが超可愛く、幼気な処女でオキャンで明るい。全オヤジが夢見る女の子との出会いの理想郷。漲るエロ願望は1度のキスで無理に充足させ、分別ある保護者的立場に身を窶す。ラストペックの万感の屈託と充足のオードリー。男には余りに切ない。 | jollyjoker | [投票(1)] |
★3 | 刑務所の中(2002/日) | 一種の諦念に彩られた諧謔の世界という意図があからさまで、しかも、演じるのが安易なる売れ線バイプレーヤーのオールスターとあっては余りに工夫が無さすぎ。画面造形も平凡。 | jollyjoker, disjunctive, 青山実花, TOMIMORI | [投票(4)] |
★4 | 永遠〈とわ〉に美しく(1992/米) | 途中からどこまでやるのかという底の知れなさも漂いだす腐臭混じりの凄惨の徹底が際立つ怪作。『BTF2』で片鱗を見せたゼメキスのダークサイドがより先鋭化され凝結した。主役3人皆良いが隠し玉イザベラ・ロッセリーニの置き所も的を射て嬉しい。 | DSCH, t3b | [投票(2)] |
★3 | 薄氷の殺人(2014/中国=香港) | 内実が希求した表現ではなく全てに狙ってる感がそこはかとなく漂う。白昼の花火も観覧車も砕炭工場やスケート場も絵面としては蠱惑的だがズシンと来ない。ミステリーとして成立させる気は端から無なさそな凡展開で、ドン詰まりな男と女の物語としても及び腰。 | 煽尼采, 寒山拾得, ペペロンチーノ | [投票(3)] |
★5 | トゥモロー・ワールド(2006/米) | 多くの長回しが何かを見せんが為に周到に構築されている点にまず唸ったが、そんなことをもブッ飛ばす後半の怒濤の展開。キュアロンはSFという衣を脱ぎ捨て現在世界の混沌と対峙する。そして、訪れる確信的な希望にこそ涙せねばならない。今だからこそ。 | jollyjoker, DSCH, はしぼそがらす, ナム太郎ほか15 名 | [投票(15)] |
★4 | の・ようなもの のようなもの(2015/日) | 松山主線の物語としては凡庸だし景子も賑やかしに甘んじる。が、しかし伊藤克信が役の志ん魚とシンクロするサディスティック構造が映画にセミドキュ的感興を付与した。森田所縁の演者が1人2人じゃなくてこれでもかと出るのも祝祭的で良い。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | らせん(1998/日) | 喪失感と哀しみに満ちた主人公の設定が良いし、手堅い演出にも好感を持ったが、何分、同時上映された『リング』の恐怖の余韻をブチ壊す安易な「貞子」の解釈で、それが必要以上に本作を不人気にした点は不幸であった。 | t3b, picolax | [投票(2)] |
★5 | マイ・ファニー・レディ(2014/米) | 拡散増幅し行く枝葉の人物群が決して整合的に収斂されるわけでもない。寧ろ放置されとっ散らかってるるのだがボグダノヴィッチは包括的に映画愛で統御し切ってしまう。『大追跡』では未だ生硬だった人物の出し入れがこなれ成熟したまろみを感じるのだ。 | セント, 水那岐 | [投票(2)] |
★5 | オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(2013/英=米) | 愛する妻子をどん底に落とし責任を負った仕事を放っぽらかしても男には断腸の思いで果たさねばならぬ信義則がある。リミッターが振り切れそうな真夜中の疾走と孤独が皮膚感覚で迫る濃厚な86分。アウトバーンからの退路。それでも祝福されるべきは新しい命。 | jollyjoker, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★4 | きみはいい子(2015/日) | 虐待は継承され自己愛が強すぎる親は新たな虐待を産み又、教師や同級の親を排撃し続けるだろう。独居老人は社会性を失い障害を持つ子の親も又居所がない。時代に蔓延する唾棄すべき事象をしかし呉美保は全肯定で捕まえようとする。女には敵わないと思う。 | jollyjoker, 水那岐, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★3 | ニューヨーク、アイラブユー(2008/米=仏) | 単なるオムニバスではなく斬新な構成ではあると思うが、結局、指揮者不在のロンドン・パリ的不統一のガチャ混ぜに終わった。それなら10話の輪切り構成でも良かった気がする。アタルの街角の2挿話が光り岩井の挿話は媚びてる。 | jollyjoker | [投票(1)] |
★4 | 炎のごとく(1981/日) | 雌伏を強いられた加藤泰の精魂を込めたかのようなショットが連発され、シーンごとの造形力は素晴らしいの一語。総決算と言うに相応しい。しかし、話がメリハリ無さ過ぎでダラダラ長いのも又らしいと言えばらし過ぎる遺作。 | ぽんしゅう, 直人, worianne | [投票(3)] |
★3 | 朝やけの詩(1973/日) | 大自然の無邪気賛歌風な小っ恥ずかしさを割り引いても半ドキュメンタルに開拓村の日常を描写した前半に限れば全く素晴らしい。しかし、仲代・佐分利が薩夫チック演技をし始め欣也の東映調が噛み合わない後半で一気に空中分解の様相を呈する。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 戦争のはらわた(1977/独=英) | 物語に於ける個と個の対決のエモーションの発露にアルドリッチ的世界の住人たらんとしても、屹立した個のダンディズムを至上命題とするペキンパーとはベクトルが違うのだ。だから、メリハリに欠ける物語が固執されるスタイルで語られしんどい。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 突撃隊(1962/米) | 曰くありげな屈託キャラで登場するマックィーンだが、全部うっちゃって戦闘状態になっちまうもんだからその設定は回収されない。起承があって転結がない中、兎のようにピョン跳ね走りで駆け抜ける彼がアンビバレントなエネルギーを残留させた。それだけ。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |