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DSCHさんの人気コメント: 更新順(14/23)

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★4ランボー(1982/米)アメリカの自己否定。現実認識が激しく混乱した米国製ベトナム育ちの山狩り専門のモンスターvs根も葉もない異者恐怖と排斥を「狩り」への潜在的暴力欲求に結びつけてしまう保安官。どちらも「後遺症」の産物だが、イラクを経た今は保安官の造形も優れていると思う。そして任務は終わった、と大佐が言う。任務?「任務」とは?極めて重く虚しい設問。pori[投票(1)]
★4その男、凶暴につき(1989/日)ギャグと恐怖の境界線で暴力を爪先立ちさせる無敵の手腕を感じさせる。わずかに(ここ重要)不気味なコント寄りの前半から真性の暴力に至る後半への匙加減の繊細さと危うさに鼓動が早くなる。生きたいでも死にたいでも殺したいでも殺されたいでもない、あるいはそれら全てのような、濃密な空虚の気分。逆光で武を捉えるカメラの禍々しさには黒沢清もビックリだろう。pori, 週一本, ゑぎ, まーほか5 名[投票(5)]
★4月と少年(2011/米)パパ、お月様とって!』の発想をピクサー的にリミックスした感じ。アイデアとユーモア勝負で特に含蓄があるわけではない(それ故に感動のある)絵本を読むのと同質の喜びを尊重しつつ、じいちゃん、おやじの「道具」をキーに「継承」のドラマを軽やかに組み込み、時の流れに思いを馳せさせるのがピクサー印。宝物にしたい短編。絵も音も美しい。3819695[投票(1)]
★5WALL・E ウォーリー(2008/米)ブレードランナー』のレプリカントが写真をかき集めるように、ウォーリーは貪るようにガラクタ(人類の記憶)を集め、束の間の星空を録画(記憶)する。もちろん目と手の映画なのだが、結末を待つまでもなくこれは記憶についての物語でもある。記憶が人を形作る。人が人であることの記憶を無くした人類の誰よりも「人」として描かれる「機械」の一挙手一投足にハッとさせられる。「人が人であることを思い出せ」と。 [review]3819695, jollyjoker[投票(2)]
★2戦争のはらわた(1977/独=英)時計じかけのオレンジ』の「矯正(強制)映画」みたいなアルトラ全開の開幕、綺麗事を排した反骨には感じ入るが、演出と僕の嗜好の相性の悪さを決定的に思い知らされた。何が起こっているのか分からない。国家×個人×大義×敵味方の概念が交差し破壊され相対化された地点のカオスの物語だから、誰が誰を撃ってるのか分からないのは演出上正しいのだと歯を食いしばって肯定しようとしたが駄目だった。混沌にも作法が必要では。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4インサイド・ヘッド(2015/米)イロトリドリノセカイ。小さくて巨大な冒険。 [review]jollyjoker, 3819695[投票(2)]
★3マッドマックス(1979/豪)果てしなく続く荒野と道、車輪の回転が示唆する憎悪の無限連鎖。いったん狂気に入れば一方通行で限界を超えて加速し続ける。B級な画面が中和しなければとても観ていられない怖さ。でも、もっと観ていられないくらい怖い方が正解ではないのか。ラストの一本道は『わらの犬』と双璧だが、もっと丁寧に撮って欲しいところまで似ている。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4エクソシスト(1973/米)人間の心に潜む憎悪を媒介にして憑依し、渡り歩くことで永遠の命を得る「悪魔」。根本が実体を持たない象徴悪との精神的戦いであるだけに、次に「悪魔」になるのは「わたし」かもしれない、という他人事でない普遍的寓意を獲得する。「悪魔」自体が怖ろしいのではなく「悪魔」に魅入られる「人間」が怖ろしいのだ。 [review]おーい粗茶, たわば, けにろん, 煽尼采[投票(4)]
★5チャッピー(2015/米=メキシコ=南アフリカ)ヨハネスブルグというカオス的「現実」を創作の強みとして持つブロムガンプの『ピノキオ』。絶対良い。ぐちゃぐちゃだが、これぞ監督の持ち味で、混沌の世界の中心で立ち竦むチャッピーの姿に切々と沁みる叙情性を与えている。未整理のまま怒りを叩きつける純情なベタさ、粗さがたまらない。掃き溜めに咲く花のようなベッドサイドストーリーを筆頭に、正直涙が止まらなかった。コプリーの演技も◎。ぽんしゅう[投票(1)]
★2エル・トポ(1969/メキシコ)これを百万回観ても、『火の鳥』を一回読む価値に及ばないと思う。贖罪の件などゲンナリするほどのナルシシズムで、宗教とはそういうものという皮肉があるでもなく正攻法なおかげで、結局半端な優等生映画に堕している。故に悪趣味が悪趣味でしかないという矛盾。ロケの異常なセンスは買う。 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得[投票(2)]
★4冷たい熱帯魚(2010/日)「巨人」か「迷える子羊」か。何だそこに着地するのか・・・って実話だから仕方ないのか。どこまで盛ってるか知らないですけど。マーラー?私は嫌いです。 [review]おーい粗茶, セント[投票(2)]
★5風立ちぬ(2013/日)実際のところ、監督は世界を滅ぼしたいのだろうと思っていた。最後に何か撮るなら、タタリ神として、終わる世界を描いて欲しいと思っていた。だってすごく面白そうだから。でも、今、業を見据えて、翼が呪いから解放される日、未来を確信する「風」を描いた映画を託してくれたことが嬉しい。それも掛け値なしの本当の言葉で。『ナウシカ』のあの日のように「風」は止まないのだ。最高傑作と思う。(原作未読) [review]ALOHA, pori, 3819695, 緑雨ほか11 名[投票(11)]
★4ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009/米)「後出しじゃんけん的設定」が可能にする「状況」のつるべ撃ちの面白さ。時系列で翻弄されてもちいとも面白くないはずだ。「呑んじゃった」後だから良い。少なくとも鉄板ネタを一回捻る志の高さが嬉しい。大騒ぎすべき水準ではないし、懐疑的な輩をねじ伏せる腕力はないと思うけど、徹頭徹尾阿呆でありながらギリギリ悪ノリせず(ほぼ)必然の範囲で慎ましいという良心的なスタイルは素直に歓迎したい。 [review]ぽんしゅう, 緑雨, 煽尼采, 3819695[投票(4)]
★4ローズマリーの赤ちゃん(1968/米)「侵入」そして「つわり」の映画。現代都市を密室・聖域の集積の完成形と解釈するなら、この気色悪さはやはり都市に生きる我々だから感じるものだ。隔てる壁を超え、部屋という空間のみならず、五感、果ては胎内まで「侵入」する他者。そして他者の密室・聖域に取り込まれる。恐怖というよりも、嫌悪感。共同体によるレイプ。精緻過ぎるポランスキーの技に次第に吐き気を催してくる。ホラーというカテゴライズには若干疑問符。 [review]Orpheus, ぽんしゅう, ジェリー, 山ちゃんほか5 名[投票(5)]
★3TOKYO TRIBE(2014/日)血と暴力の世界でLOVE&PEACEを勝ち取りたければ、代償として血塗れになるしかない。ヌルい言説に対する的厳しさは汲んだ。屍を越えたLOVE&PEACEこそ本物だ。でも、実際に収斂までされると机上の空論的で空々しく、情念が湧き上がらない。照れ隠しの猥雑演出やギャグの滑り、タラへの目配せもいい加減キツい。園ってばホント助平、と感心もしたし、地獄の描き方に腹の据わりも感じたけど。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★5うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984/日)やはり傑作だろう。「夢」という名の共同幻想の中でまどろむ都市への疑義。押井の原風景。その夢は「ビューティフル」かもしれないが、醒めなければ実はまどろみの中で腐り果てるだけなのだ。「夢」とは甘やかで強い。この後ろ髪ひかれる甘酸っぱさは、「夢」を描いたものとして極めて正しい味付けであり、そして押井にとって最も優しい作品なのかもしれない。 [review]Orpheus, アブサン, ダリア, セントほか5 名[投票(5)]
★5気狂いピエロ(1965/仏)最強のアイドル映画。 [review]寒山拾得, ジェリー, ペペロンチーノ, けにろん[投票(4)]
★4ダーティハリー(1971/米)無人のスタジアムは、実はハリーと犯人の<観戦者>つまりハリーに守られた映画内市民と、映画を<観る>我々で埋め尽くされている。世界の中心を示唆するロングショット。「神が殺らなきゃ誰が殺る。お楽しみだな、視姦者共」ということだろう。冒頭、街の全てを見下ろすビルの屋上に銃を携えて佇む犯人と警官達。街<世界>はそうして出来ている、という詠嘆。『ダークナイト』に接続する物語。 [review]けにろん[投票(1)]
★4オールド・ボーイ(2003/韓国)「―×→」と「健康に良い復讐のススメ」。 [review]おーい粗茶, ぽんしゅう[投票(2)]
★4息もできない(2008/韓国)修羅的反面教師として生きる覚悟。でも死ぬ準備は出来ていない。その屈折した偉大と人間くさい矛盾。アンチ・バイオレンス映画の一つのカタチ。意外なほどユーモアが目を引く。 [review]アブサン, 水那岐[投票(2)]