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DSCHさんの人気コメント: 更新順(12/23)

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★4劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス(2014/フィンランド=仏)「そっ・・・それじゃ、何にも着てないみたいじゃないか!」これが本人にとってはギャグになってないというのがいい。大体においてレベルの高いギャグはそういうもので、この手の笑いに事欠かない。色彩担当は結構原作に寄せにいっているが、それでも改めて原点を紐解くと、トーベ・ヤンソン先生の偉大さがわかる。3819695[投票(1)]
★5ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001/米)異常なほど緻密な空間構成と、意外なほど危なっかしいカメラワークの使いこなしの両立はキューブリック先生の再来かとすら思ってしまう。突き崩された積み木の家を元通りにしようとしたら元通りにならずに歪んでいるが、みな何となく微笑んで、それぞれが別の方向を向いているけど心は一つ。辛辣だけど、本当に真摯で優しい人間でなければこういう物語は作れない。この愛の寓話を完全な技巧に乗せた全てに拍手。 [review]週一本, HW, 3819695, Orpheus[投票(4)]
★3わらの犬(1971/米)主人公が理性を失う過程を描いている、という評が多いようだが、私には暴力を振るうことが理にかなう状態まで追い込まれることを待っているように見える。暴力は狂気や野蛮のみによって行われるものではない。理性的だからこそ振るう暴力がある。「僕の家」の秩序=理はそうやって守られる。暴力は平等というアイロニー。爆音のステレオによる禍々しい祝祭感の凄まじさ。 [review]煽尼采, けにろん, 寒山拾得, ぽんしゅう[投票(4)]
★5スター・ウォーズ フォースの覚醒(2015/米)核である英雄が失われ、世界が分裂・拡散する時代のスターウオーズ。そして歴史が繰り返される無常。「お約束」と「ファンサービス」がここまで時代性を得て変奏されるのは『ダークナイト』以来・・・という評も狙って作られてると思しき小癪さだが、残念ながら僕はそういうの大好き。遺憾ながら(笑)最高の興業的新作にしてルーカスの神話を相対化する最高のリメイクでもある。 [review]Myrath, pori, Sigenoriyuki, ゑぎほか12 名[投票(12)]
★5キル・ビル(2003/米=日)突き抜けたバイオレンス・ファンタジーによるリアリズム批評の中に、強靭な芯が一本。深作も香港もアニメもマカロニも、全ては「情念」のために。なんか過激なギミック雑多にかき集めれば誰か喜んでくれるんじゃね?という浅薄さから程遠い、真摯な映画。求心力としての「情念」そのもの、ユマの澄んだ瞳に射抜かれる。こんなカッコいい映画だったのかと。 [review]ゑぎ, 3819695, けにろん, 週一本[投票(4)]
★2バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014/米)開幕のテロップの扱いやイカロスの暗喩から『気狂いピエロ』を意識している。ではどうするの、と見始めたが、アンナ・カリーナの代わりにエマ・ストーンがいる。つまりゲージュツだ映画だ高尚だ低俗だのの文系厨二の自己愛と懊悩を徹底的には嗤い飛ばしてくれず、最終的には寄り添って悲しんでおしまい。脱構築にもトレースにもならず、カビ臭い価値観だ。ゴダールとタランティーノに蜂の巣にされるべき映画だと思う。 [review]週一本, 3819695[投票(2)]
★4ドッグヴィル(2003/デンマーク=スウェーデン=仏=ノルウェー=オランダ=フィンランド=独=伊=日=米)グレースも観客も断罪カタルシスを感じた時点で、み〜んな全敗。でもごめんなさい。こんな罰当たりな映画ばかり、正しいと思ってしまうのです。(更にちょっと加筆) [review]さなぎ, Ryu-Zen, ゑぎ, けにろんほか5 名[投票(5)]
★4名探偵ホームズ劇場版 ミセス・ハドソン人質事件/ドーバー海峡の大空中戦!(1986/日=伊)天才は全く衰えていないにせよ、『もののけ姫』以来失われて久しいアクションのユーモアや明るいナンセンスがなつかしく、嬉しいやら寂しいやら。「鬼ごっこ」をやりたいがためだけのキャラ設定の割り切りが『カリオストロ』と同列で潔く、ホームズとハドソンさんの余裕あるキャラ造詣がアクションと好相性。ハドソンさん19歳!という昔ながらのロリコン気質に拍手喝采。じつにけしからん。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★2クリーピー 偽りの隣人(2016/日)完全に骨抜きにされたライト版『CURE』。「どこまでも行くぞーっ!」からの膝カックン。わたくし、黒沢監督には終わらない負の拡散で世界を滅ぼして欲しいのですが。 [review]寒山拾得, ジョニー・でぶ, ぽんしゅう, Sigenoriyukiほか5 名[投票(5)]
★4黒猫・白猫(1998/独=仏=ユーゴスラビア)アンダーグラウンド』へのアンサーソング。主役は美しくも青くもないドナウ河だと思う。ドナウは語る、「ここにとどまる必要はない」と。よい旅を! [review]プロキオン14, 3819695[投票(2)]
★5ブレードランナー(1982/米)自分が誰であるか。「おもいで」と「愛」をかき集めるレプリの姿に決定的に心打たれる。「わたし」を根拠づける記憶や彼を記憶する者達が破壊される時、人は自分が誰であるかを見失う。まっさらな状態に差し戻された孤独な肉体を酸の驟雨に晒し、「生きている」という感覚を得るため刹那の戦いに臨むハウアーフォードの歴史的死闘。物語から深遠な光景を引き出すスコット演出も最高水準。 [review]3819695, ジェリー, けにろん, 赤い戦車ほか5 名[投票(5)]
★4モンスターズ 地球外生命体(2010/英)モニタ越しの「襲撃」。伝聞による「隔離」。ファインダー越しの「死」。「それ」は本当にいるのか。あらゆる「壁」に「封じ込まれた曖昧さ」が世界(日本を含む)において、事態を「本当に」認識することの難しさを提示する。これを克服する手立ては、「歩く」ことより他にない。低予算映画とのことだが、ロードムービーとしての仕立ては必然であり、仮に予算があったとしてもこういう撮られ方以外にないだろう。 [review]けにろん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4ターミネーター2(1991/米)不死の敵との対峙も、「機械」との「愛」の構築も「プログラム=運命」の破綻因子=エラー=人間による戦いであるというコンセプトの軸はやはり熱い。機械と人を分かつもののテーマをもっと掘り下げて欲しいと思いつつ、ただのプログラムから「父」と化す満身創痍のシュワはやはり泣かせる。しかし、機械とヒトの接近において、ロバート・パトリックの造形を介して、おぞましさも併置される演出が面白い。 [review]3819695, ぽんしゅう, けにろん[投票(3)]
★2渇き。(2014/日)虚飾に虚飾を塗り重ねる不遜さは『告白』ではテーマと(図らずも?)合致してる感があったが、改めて底浅を露呈した。一種の不遜さは映画作家の要件だと思うが、空疎であることを偽る技術ではないはずで、虚飾が虚飾でしかない。この監督は映画の何かを冒涜しているように感じるのは私だけだろうか。『パコ』ほど頭にも来ないが、正味どうでもいい。キッタナイ役所さんは大好物なのに、この監督のセンスだとキライになりそう。 [review]ねこすけ, 寒山拾得, 煽尼采, G31ほか5 名[投票(5)]
★4哭声 コクソン(2016/韓国=米)信じる信じないや嘘や本当ではなく、信じたいか信じたくないかの願望。そこに明確な根拠はなく、提示される「あからさまな怪しさ」に人はひたすら引き摺られ、惑わされる。その弱さに「悪霊」は付け込み、しまいには人そのものが「悪霊」になってしまう。真実は常に苦く、願望の前に脆弱である。古典を踏まえ、大袈裟ながら誇張ではなく、事実こんなものだと納得させられる。ラストは泣いた。こんなものに人は勝てないのだ。 [review]袋のうさぎ, けにろん[投票(2)]
★4チェイサー(2008/韓国)テーマからしてポン・ジュノを仰いでいるのは明らかだが、本家に二、三歩及ばず、欠落の穴埋めを既製品のトレースや虚仮おどしに逃げた感も一部否めない。しかし、暴力の様態を極力「打撃」に徹底して「無常と怒り」を文字通り叩きつける演出は明快で正確。暴力のグロテスクなユーモア感も時に本家を凌ぐ。「接近戦」の映画。 [review]袋のうさぎ, ナム太郎, 3819695, 煽尼采ほか5 名[投票(5)]
★5ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢(2008/英)ドMマグロ天然ボケのウォレス氏に言葉を持たないグルミット君がツッコミを入れるためには、とにかく寡黙に忠犬スタイルを貫いて「アクション」するしかない。これほど「アクション」が雄弁なツッコミとして必然化する設定を愉しまない手はない。しかも観客からツッコむ暇だけは絶対に与えないというナンセンスのスピード感と漲る自信。至上の英国ド突き漫才アクション。魅力的過ぎる手触り。参った。怒濤と豊穣の30分。 [review]袋のうさぎ, 3819695[投票(2)]
★5母なる証明(2009/韓国)ポン・ジュノはブレない。信念(母性)を嘲笑う息子(運命)。「笑い」について。『殺人の追憶』、『グエムル』を経て続く無常的運命論第3章。(左記二作とレビュー内容が一部重複し、重大なネタバレを含みます) [review]袋のうさぎ, けにろん, 水那岐[投票(3)]
★5ほえる犬は噛まない(2000/韓国)団地という魔宮でしょうもなくも愛しい奴らが繰り広げる、ささいなようでそうでもない大冒険。ポン・ジュノは映画界屈指のいたずらっ子だ。『殺人の追憶』以降の暗澹たる「大上段」もいいが、天才的いたずらっ子の「原点」がここにある。「必殺ショット」の連打。「面」じゃなくて「小手」の連打。ペ・ドゥナの仏頂面とラストショットで失神寸前。『キル・ビル』のトラックスーツより断然私はイエローパーカを支持する! [review]袋のうさぎ, 寒山拾得, おーい粗茶, ぽんしゅう[投票(4)]
★5CURE/キュア(1997/日)「あんた、誰・・・?」という問いが、人が人であるための鎧「定義づけ」の装甲を一瞬で蝕み破壊する。暗示は世界に氾濫し、満ちたそれはすでに暗示ではない。自明・当然とされたものに理由や倫理の付け入る隙などあろうはずもなく、空虚な充実を形作る殺人と終末の拡散に響くピアノの旋律が、禍々しくも甘やか。憎悪は、ついに憎悪ですらなくなる。この上なく危険で邪悪な作品。 [review]袋のうさぎ, ゑぎ, 3819695, ジェリー[投票(4)]