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★3 | 男たちの大和 YAMATO(2005/日) | 女達の、彼女らの為に死ぬ覚悟の男達に「死ぬな」と追い縋る演技は真に迫って感動的だが、感傷過多な音楽が乗っかってくるのが鬱陶しい。男達の人物像が一本調子なせいで、血の噴水広場と化す大和の甲板シーンも悲惨さより視覚的な派手さの印象が強い。 [review] | sawa:38, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★4 | 有りがたうさん(1936/日) | これは愛さずにはいられない傑作。バスの“パプパプー、パプパプー”というトボけたクラクションや、観光気分の能天気な劇伴、「ありがとおー」のかけ声の、折り目正しい朗らかさ。それらと見事な明暗を成す、経済的などん底状況。 [review] | TOMIMORI, ジェリー | [投票(2)] |
★3 | どろろ(2007/日) | 肉体と名を持たないという事――アイデンティティーの分裂と分割。「血」の映画。原作を巧みに換骨奪胎した脚本と、無理のある役柄をねじ伏せた柴咲コウの健闘は見事。邦画らしく、CGはペラペラだが。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★3 | ハードキャンディ(2005/米) | オープニングから、洗練された映像に緊迫感が高まる。だけど、得てしてその手のサスペンス物は、何か芯の部分が緩いというか、何も無い映画が多く、この作品も御多分に漏れない。 [review] | Tony-x | [投票(1)] |
★3 | 人のセックスを笑うな(2007/日) | 高橋源一郎が称賛し松浦寿輝が罵倒した原作は「布団の国のお姫様と王様の気分で眠った」まで読んだ。スカした稚拙な文体が鼻につく原作のダラダラ感に倣っているようでいてこの映画、日常を淡々と捉えるミニマムさが却って予測不能性を生じさせる。 [review] | 3819695 | [投票(1)] |
★2 | 嫌われ松子の一生(2006/日) | ゴミおばさん松子の穢れた一生が、或る視点から見つめ直すことで、女神のように燦然と輝きだす瞬間は素晴らしい。顔が出てきただけで瞬間的にキャラが理解できるキャスティングも見事。だが、中谷と中島の組み合わせは不幸だった。 [review] | 代参の男, ぐるぐる, ぐ〜たらだんな, けにろん | [投票(4)] |
★3 | スピード・レーサー(2008/米) | 重量感皆無のマシンが飛んだり跳ねたりするペラペラの画面を眺めるうちに、詰まらなさを通り越して哀しささえ覚えてしまうが、それでもウォシャウスキーの「好きでしょうがないから、作っちゃったよ!」というバカ兄弟ぶり、罪のない稚気はやはり微笑ましい。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★4 | ノーカントリー(2007/米) | アメリカを幽霊が徘徊している。殺人鬼の特異なキャラクター性。彼はその独特な容貌のみならず、姿を見せない事で却って存在感を強烈に示しもする。コーエン作品らしく、今回も嘔吐シーンあり。 [review] | 淑, ぽんしゅう, けにろん | [投票(3)] |
★4 | マンダレイ(2005/デンマーク=スウェーデン=オランダ=仏=独=米) | 「この国はまだ黒人を受け入れる準備が出来ていない」――本作の三年後、初の黒人大統領が選出された。が、アメリカの或る街では、彼が暗殺される日が賭けの対象にされている。 [review] | IN4MATION | [投票(1)] |
★2 | 約三十の嘘(2004/日) | 劇中の「何より人選が大事」という台詞を聞いた瞬間に感じた「舞台はミスキャストで一杯」。開始からタイトルバックまでの演出ぶりから、小粋な犯罪物を目指した意図は感じたが、「センスいいだろう」的アピールが寒い。 [review] | ぽんしゅう, けにろん, 牛乳瓶 | [投票(3)] |
★4 | 砂と霧の家(2003/米) | 「入っていいですか」や「どうぞお入りください」といった何気ない言葉が、これほどまでに残酷に、また優しく、そして緊張感を孕んで聞こえる映画は初めてだ。恐らく、他にそんな映画は無いだろう。映画に於ける繊細さの手本のような作品。 [review] | 死ぬまでシネマ, tredair | [投票(2)] |
★3 | クラッシュ(2005/米=独) | 他者が自分に向ける偏見を先取りしてしまう偏見。差別の解消を図った結果としての逆差別。同じ人種の人間の行為が生むイメージが自分に影響する屈辱。大雑把に見た印象で違う人種と一緒くたにされる事。異なる文脈で反復される、「車から降りろ」。 [review] | シーチキン, 緑雨 | [投票(2)] |
★4 | レスラー(2008/米=仏) | まさにミッキー・ロークの背中を追う映画。 [review] | けにろん, ペペロンチーノ, 3819695 | [投票(3)] |
★2 | ドラゴン怒りの鉄拳(1972/香港) | プログラム・ピクチャーの枠を完全に踏み破った、凶暴さと繊細さのブルース・リー。歪んだ珍妙な日本人が全篇登場し続ける作りに萎える以上に、ガチの演技で挑んだリーの敵として余りに戯画的である事が納得し難い。 [review] | 太陽と戦慄, けにろん | [投票(2)] |
★3 | 長江哀歌(2006/中国) | 全篇これ「間」の映画。ゆっくりと横移動するカメラワーク。繰り返される『壁の破壊』。大きな時間の流れの中で、移動と崩壊によって視界が開けていく、密やかな出来事の呼吸。河は、時間的・空間的隔たりを派生させながら、それ自身は悠々とただ流れ続ける。 [review] | ルクレ, セント | [投票(2)] |
★3 | 按摩と女(1938/日) | 一つ一つのショットの構図が美しく、盲人が主役である事を忘れてしまいそうなくらい視覚的快さに満ちた映画。温泉気分の穏やかさの中に、適度にシニカルさとサスペンスが塗されている匙加減が巧い。のほほんとした雰囲気を保ちながらも、平板さを免れている。 [review] | あちこ | [投票(1)] |
★4 | 裏切り者(2000/米) | 電車の映画。どこか『ゴッドファーザー』part1・2を踏まえた様子も窺える。主人公の境遇の卑近さと裏社会の黒さや、人間関係における信頼と敵意。それらの緻密な描写から醸し出される雰囲気がいい。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 許されざる者(1960/米) | オードリー・ヘップバーンが可愛いらしく、妙にハイレベルなアイドル映画として観ても楽しい。だがアイドル映画と呼ぶにはどこか倒錯的で歪んだ面が覗けて見える点にも惹かれる。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 息子の部屋(2001/仏=伊) | スクエアな映画。誠実に、丁寧に撮られた映画、という枠から一歩も出ようとしないのが、やや窮屈。演出は繊細だが、余りに手堅すぎる。観るべきはやはり、その枠を抜け出してより詩情を獲得した、終盤のシークェンスだ。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ペルセポリス(2007/仏=米) | 僕らにはテレビ画面の向こう側の世界でしかない、爆撃、拷問、宗教戒律、等々に対し、ヒロインのマルジが徹底して「普通」である事の新鮮さ。半面、マルジの日常そのものが普通の環境に移った途端、単なる普通の女子日記と化すのが難。 [review] | 3819695 | [投票(1)] |