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煽尼采さんの人気コメント: 投票数順(1/30)

人気コメント投票者
★5グラン・トリノ(2008/米)「アメリカは、あらゆる時代・土地・国民の抜粋を収集し、サンプルを提示する。そこでは、最も単純であるような愛の物語が、様々な州、様々な人々や部族を巻き込む」(ジル・ドゥルーズ)。アメリカの終焉と新生、断裂と連結の象徴としての、グラン・トリノ。 [review]DSCH, Orpheus, ホッチkiss, makoto7774ほか17 名[投票(17)]
★4善き人のためのソナタ(2006/独)「耳をそばだてる者」が聴いてしまったソナタが象徴する、芸術の無償さ。どの役も、独特の人間臭さを醸し出していて、長尺にも関わらず、人物を見ているだけでも飽きない。意外にユーモアもあり、それがまた、人間の切ない在り方を浮き立たせる。 [review]おーい粗茶, KEI, Orpheus, tomonoriほか13 名[投票(13)]
★3ダークナイト ライジング(2012/米=英)脳ミソも筋肉も引き締まらぬベインにカリスマ性は乏しく、やる気があるのか無いのか曖昧なバットマンの苦悩は、前作の本物感や崇高さが欠落。「革命」を前作レベルの倫理的葛藤をもって描けぬ大風呂敷たたみ損ねが致命的。(シリーズ前二作にも言及→) [review]まー, 佐保家, がちお, 浅草12階の幽霊ほか12 名[投票(12)]
★5バリー・リンドン(1975/米)一兵卒の一炊の夢。二つの母子の物語。 [review]緑雨, サイモン64, たわば, DSCHほか12 名[投票(12)]
★4時をかける少女(2006/日)テーマは、過去の修復――から、時間の共有へ。芳山和子(大林版ヒロイン)の職業。キャッチボール。衝突や転倒の危険を孕みながら突っ走るヒロインの、身勝手と純粋、つまりは青春。 [review]モノリス砥石, Orpheus, ヒエロ, 奈良鹿男ほか10 名[投票(10)]
★3スペース カウボーイ(2000/米)宇宙という所は、暗く、冷たく、果てなく、空虚な、「人間的なもの」を完全に拒絶する極限空間なのだが、それをイーストウッドが撮ると、宇宙の闇まで人肌の温もりを得てしまう。その人間味のお陰で、宇宙行きまでは愉しめるのだが。 [review]緑雨, 死ぬまでシネマ, 赤い戦車, 太陽と戦慄ほか8 名[投票(8)]
★3河童のクゥと夏休み(2007/日)クゥが、家族にとって、外から眺めて見る可愛らしさなどという感情とは別の対象として描かれているのがいい。クゥ以上に、妹もまったく可愛げがない。生きる事は、気色悪さや煩わしさと不可分なのだ。 [review]KEI, tredair, ペペロンチーノ, DSCHほか8 名[投票(8)]
★4ジョーズ(1975/米)弦楽器の二音の反復の速まりが緊迫感を呼び、そこに被さる管楽器の鈍い音が、水中を横切る鮫の巨体を思わせる。足場のない海に半裸で浮かぶという、無防備な状況。鮫がいつどこに現れるか分からないせいで、何もない海自体が恐怖の対象として人間を包囲する。 [review]赤い戦車, おーい粗茶, 3819695, わっこほか8 名[投票(8)]
★4天国と地獄(1963/日)外観は、格差問題を織り込んだ社会派サスペンスだが、実は人間の心理の純然たる闇、その内なる天国と地獄が描かれている。僕には、犯人の動機らしきものが見えた気がした( [review]にて詳説)。 [review]Orpheus, づん, 荒馬大介, inaほか8 名[投票(8)]
★4松ヶ根乱射事件(2006/日)これは、事件。 [review]クワドラAS, パグのしっぽ, Santa Monica, NOMほか8 名[投票(8)]
★3キック・アス(2010/英=米)少女(殆ど幼女という印象さえ時に受ける)の口にするダーティワードや暴力(予想より露悪的でなく、単にリアル)は不思議なスパイスとしてまぁいいかと思えてしまうが、それより倫理的かつ映画的な違和感を覚えるのは、過激な行動の一方で主体性が曖昧な点。 [review]緑雨, わっこ, MSRkb, DSCHほか7 名[投票(7)]
★3地球が静止する日(2008/米)人間的な幸不幸を超越した存在によって与えられる運命。霧と光に漂白された空間へ歩み入る人間。同監督の『エミリー・ローズ』と通底する作品。だが序盤の形而上的なスペクタクル性にひき込まれかけた頃に登場した‘奴’の造形の、無言のバカ映画宣言。 [review]stag-B, これで最後, Orpheus, ババロアミルクほか7 名[投票(7)]
★2ハンサム★スーツ(2008/日)紋切り型の筋書き、懐かしいギャグ、TVタレントが複数カメオ出演、と、観客のお茶の間的な日常に奉仕するサービス精神には、映画としての心意気は乏しい。この凡庸さは善良さの裏返しでもあるが、容姿至上主義に対して善意至上主義を貫く単純さも何か嫌。 [review]まりな, ちわわ, 鎌倉ルパン, のこのこほか7 名[投票(7)]
★4太陽(2005/露=伊=仏=スイス)強いられた一人芝居として、虚空に‘日本’を描かされる天皇。しかし彼は、ロシア人監督が考えるような、唯一神的な存在だったんだろうか。 [review]けにろん, モノリス砥石, グラント・リー・バッファロー, 夢ギドラほか7 名[投票(7)]
★3パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)パラサイトする過程が流麗とも呼べるほどで楽しめるのだが、それを可能にする半地下一家の連携の見事さは、合理性に徹しており、全篇通して、どこか疑似家族的に見えるのは意図的なのか何なのか。そして「計画」の後は失速。 [review]DSCH, 緑雨, irodori, ほか6 名[投票(6)]
★3カメラを止めるな!(2017/日)この作品、絶対に1mmも内容を漏らしてはならないという強烈なコードがかかっているようで、忖度してコメント欄では何も言いません(笑)。ただ、そんな悪い作品とは言わないけれど、これが社会現象化したという現実が憂鬱。なぜならこれは、 [review]DSCH, Orpheus, ぽんしゅう, けにろんほか6 名[投票(6)]
★3ディストラクション・ベイビーズ(2016/日)獲物を物色しながら徘徊を続け、いったん殴り合ったら勝つまで執拗に挑み続ける柳楽優弥は、だが、一方的な狩猟者ではない。カメラは、返り討ちに遭った彼の、血塗れの顔に浮かぶ充実感を捉える。 [review]DSCH, ゑぎ, tredair, ぽんしゅうほか6 名[投票(6)]
★4秋刀魚の味(1962/日)頻繁に同一語句を反復する台詞回しが刻む小津的リズムはカット割にも表れ、効率的に物語を語る上では幾らか不要な(この「幾らか」という微妙さが絶妙なのだが)筈のカットが映画的時空間を現出する。不気味な傑作。 [review]irodori, 緑雨, 3819695, ぽんしゅうほか6 名[投票(6)]
★3冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009/香港=仏)実に明快な作品。顔を確認するという行為で繋がれる絆と記憶。顔を見合って食卓を囲むこと。この二つの反復が情動をかき立てる。 [review]ゑぎ, MSRkb, ハム, HWほか6 名[投票(6)]
★4晩春(1949/日)魔物のようにさえ思える紀子(原節子)だが、彼女は自身の立場の不安定さに喘ぐ存在でもある。表情の振り幅の大きさ、彼女自身の動揺によって、映画全体を動揺させる眩暈的なダイナミズム。 [review]おーい粗茶, 緑雨, 寒山拾得, 3819695ほか6 名[投票(6)]