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★4 | ボーイ・ミーツ・ガール(1983/仏) | 完璧な題。時代を問わず映画はボーイ・ミーツ・ガールを語ってきたわけだが、これほどボーイがガールにミーツするだけで「映画」は事足りると証明した作品は少ない。唐突なアクションの導入(友人の投げ飛ばし、ミレーユ・ペリエのダンス等)や冴えた室内撮影(コピー機室、キッチン等)など、画面の充実も周到に図られている。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007/英=仏) | 面白い。作劇にもアクション設計にもこれほどアイデアを詰め込んだ映画は決して多くない。エドガー・ライトの方法論を集約的に云えば、所謂「お約束」とそのお約束に対する「裏切り」の偏差を巧みに按配する、ということになるだろうが、むろんそれを行うのは云うほど容易いことではない。 [review] | disjunctive, ホッチkiss, DSCH, 赤い戦車ほか7 名 | [投票(7)] |
★5 | ブロンコ・ビリー(1980/米) | イーストウッドの最高傑作を決めることなんて畏れ多くて私にはとてもできないが、しかし単純に最も好きなイーストウッド映画を選べ、と云われたら、私はこの作品を挙げるだろう。どこまでも優しく、厳しい映画。 [review] | 週一本, まー, ナム太郎 | [投票(3)] |
★4 | ダーティファイター(1978/米) | これ以上のオランウータン映画があるだろうか。イーストウッドとウータンのダブル主演という前衛的すぎる企画。ウータンの演技も完璧だが、それを見つめるイーストウッドの優しい目がいい。彼がこんなに優しい目を見せる映画は続篇および『ブロンコ・ビリー』のいくつかのシーンを除いて他にない。もう胸キュンである。 | KEI, 死ぬまでシネマ | [投票(2)] |
★4 | 女の座(1962/日) | (『娘・妻・母』+『乱れる』)×『東京物語』。という無粋な要約からは零れ落ちてしまうこの映画の魅力とは、たとえば男優たち。天才俳優笠智衆はこれぐらいやって当然として、嘘臭い博多弁を操る三橋達也は驚愕的に面白いし、小林桂樹はやっぱり巧い。絶妙に胡散臭い宝田明、伝家の宝刀加東大介も。 [review] | ゑぎ, 寒山拾得, 直人 | [投票(3)] |
★4 | ファーゴ(1996/米) | 映画史に残るような傑作ではないにしても、作り手の「悪意」をここまで作品に落とし込むことができるというのはやはり並大抵の技術でできることではないし、何より演出と脚本が噛み合っている証拠だろう。 [review] | 週一本 | [投票(1)] |
★3 | 恐るべき子供たち(1949/仏) | 「芝居がかった」物語世界を構築するための手段とは云え、この大仰な音楽の使い方とナレーション過多はやはり好きになれない。エドゥアール・デルミットも適役か疑問だ。しかしこのアンリ・ドカエ撮影の独創性を認めないわけにはいかないし、「屏風」をはじめ空間演出にはメルヴィルの才気が窺える。 | KEI, ゑぎ | [投票(2)] |
★3 | バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014/米) | 演出意図を越えた予想外の事態を期待してではなく、すべてが演出意図の下に抑え込まれることで初めて成立するロングテイク撮影は、それ相応の演出力を伴わない限り豊かな実りをもたらすことはないだろう。また、この筋を全うしたいのならば、自己愛の沼に自足した主人公に対する追い込みも決定的に甘い。 | ロープブレーク, 週一本, DSCH, 寒山拾得 | [投票(4)] |
★4 | クライ・マッチョ(2021/米) | とまれ「イーストウッド×動物」の映画である。クリント・イーストウッドと動物を取り合わせた図像が宝船級の福々しい縁起物であることは『ダーティファイター』以来の公知事項だが、彼の監督兼出演作がこの美質を押し出すのは(西部劇の馬を除いて)稀だった。然り、『クライ・マッチョ』は事件である。 [review] | けにろん, ゑぎ, jollyjoker, DSCHほか7 名 | [投票(7)] |
★3 | キッズ・オールライト(2010/米) | その類稀なルックスが却って役柄の幅を狭めてしまわぬかと懸念されたミア・ワシコウスカだが、至って普通のお嬢さんを実に魅力的に演じている。私は『アリス・イン・ワンダーランド』よりも、表情の変化ぶりを見ているだけで愉しいこちらのほうを買う。ジュリアン・ムーアもよい年齢の重ね方をしている。 [review] | KEI, 緑雨, 煽尼采 | [投票(3)] |
★3 | 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969/日) | 『江戸川乱歩全集』とはこれまた云い得て妙だが、これが理解可能な範囲での奇想天外であるのは演出家が律儀に奇想天外を目指しているためであり、さらにはその「趣味」が一貫しているから。良くも悪くも心底驚かされるのは手術シーンにおける意図不明なストップモーションの使い方くらいだ。 [review] | ゑぎ, ペンクロフ, disjunctive, おーい粗茶 | [投票(4)] |
★4 | ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993/米) | 「デザイン」の映画。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★5 | グラン・トリノ(2008/米) | これは『ラスト・シューティスト』ではないのだ。かつてジョン・ウェインがロン・ハワードにそうしたように、イーストウッドは少年に「銃の撃ち方」を教えることをしない。彼が教えてみせるのは「恋愛の始め方」であり「男の話し方」に過ぎない。『グラン・トリノ』は世界一感動的な「教育」の映画だ。 [review] | pori, jollyjoker, kazya-f, DSCHほか27 名 | [投票(27)] |
★4 | イージー・ライダー(1969/米) | あるシーンの最後のカットと次のシーンの最初のカットが痙攣的に細かく行きつ戻りつしながらシーン移行する繋ぎはいまだに目新しいかしら(模倣する意義のある機会が少ないだけかも)。その酩酊的・運命論的な編集感覚はエディターのドン・キャンバーンよりデニス・ホッパーの主導によるものと思いたい。 [review] | pinkmoon, 緑雨, ゑぎ, jollyjokerほか9 名 | [投票(9)] |
★4 | チェイサー(2008/韓国) | 物語を転がす要因がもっぱら警察の無能さであるという点が作劇の稚拙さとして批判を集めるだろうし、またそれが現代韓国の社会批判として構想されたものだったにしても特に感心はしない。しかしとても面白い。観客が嫌悪感を抱くであろうこともものともしない、面白さに対してひたすら貪欲な姿勢に敬服する。が、しかし。 [review] | おーい粗茶, 死ぬまでシネマ, uyo, ナム太郎ほか9 名 | [投票(9)] |
★3 | 四季(1969/露) | キャラクタと「白」の多重露光的な重なりが美しい。 | KEI | [投票(1)] |
★4 | イリュージョニスト(2010/英=仏) | ジャック・タチは本当に自らをこのタチシェフに重ねていたのか、「タチシェフ」がタチの本名であることを鑑みても、彼の映画のファンからすればそれは大いに疑問だ。なぜなら彼は決して時代遅れの芸人などではなく、最先端の映画作家だったから。そして彼もまたそれを誇りにしていただろうと思われるから。 [review] | KEI, わっこ, 赤い戦車 | [投票(3)] |
★3 | 海水浴(1895/仏) | 波と少年らの「斜め前後」の運動と飛び込みの「上下」の運動の同時的成立が目指されている。これは立派なアクション映画。 | KEI | [投票(1)] |
★4 | 田舎司祭の日記(1951/仏) | ブレッソンらしからぬ、とつい口走りたくなってしまうほど「饒舌な」映画。それは何も溢れんばかりのモノローグのみを指して云っているのではない。残酷に人物に寄るトラックアップ。ディゾルヴ繋ぎ。定石を踏まえた音楽の使い方。だが、それらがこの映画の魅力でもある。後年の厳格さこそないが、これは極めて「正確な」饒舌だ。 | 週一本, けにろん | [投票(2)] |
★3 | 壁の破壊(1895/仏) | 私が見たことのある作品に限って云えば、リュミエールの映画には必ずスペクタルの存在が認められるのだが、ここではとても分かりやすい形でそのスペクタクルが提示されている。 | KEI | [投票(1)] |