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★3川の底からこんにちは(2009/日)俳優としての芯の部分に明朗さを持たない満島ひかりは基本的にコメディエンヌには向いていないと思う。前半は白々しく、後半は痛々しい。それがこの役柄に相応しいとの見方は否定しないが。笑いを獲ることにかけては遠藤雅(はじめ長谷川朝晴かと思った)のほうがよほど達者だ。特に序盤の台詞回しは絶妙。 [review]disjunctive, 煽尼采, けにろん[投票(3)]
★4ザ・タウン(2010/米)スコセッシのギャングスタ映画でもあり『現金に体を張れ』でもありといったところに、高密度のアクション・シークェンスとレベッカ・ホールの存在が独自色を加えている。主演俳優としての自身にこの潔癖なキャラクタをあてがう演出家ベン・アフレックは厚かましいが、そのナルシシズムが却って頼もしい。 [review]ナム太郎, disjunctive, Orpheus, 緑雨ほか6 名[投票(6)]
★5浮草(1959/日)中村鴈治郎! [review]irodori, けにろん, ナム太郎, shionoほか8 名[投票(8)]
★3ビルマの竪琴(総集編)(1956/日)「模倣」すなわち「差異の無化を目指すことと、それにもかかわらず/それゆえに無化不能な差異が顕わになること」の強靭な曖昧さ。悲痛な滑稽さ。 [review]寒山拾得, KEI[投票(2)]
★4インターステラー(2014/米)フランシス・フォード・コッポラ地獄の黙示録』のように、マイケル・チミノ天国の門』のように、浪漫と無謀の総量にかけて『インターステラー』は歴史に自らの碑を打ち立てるだろう。クリストファー・ノーランはつくづくドン・キホーテだ。しかし彼のサンチョ・パンサたちはことごとく有能であった。 [review]週一本, DSCH, moot, jollyjokerほか10 名[投票(10)]
★3アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜(2013/英)ロマンティック・コメディ仕様に装備を整えたレイチェル・マクアダムスは現役最強だなあ。まさか前髪を切りすぎて登場するとはなあ。寝巻姿はさすがにズルいよなあ。などと終始うかうかしていると、いつしか『父ありき』的風景にはどうも「水辺」が必須らしい、というお話になっていてベソをかかされる。緑雨, jollyjoker[投票(2)]
★4血槍富士(1955/日)実に微笑ましく、それなりに感動的でもあるものとして物語は終わったはずだった。だが壮絶なクライマックスはまるでエピローグのように「付け足され」てしまう。片岡千恵蔵の立回りの感動的な不格好。その直前に瞬間的に挿入される顔面アップカットの絶望的な凄み。そして樽から噴き出した酒によって場は「泥沼」となるのだ!けにろん, 寒山拾得[投票(2)]
★4フォックスキャッチャー(2014/米)「見どころある役者には違いないが、お前は格好よろしく主人公を気取ってよい柄ではない」と思われ続けたチャニング・テイタムが、外鼻・頭髪・鬚髯の細工にも頼らず、素材勝負で一世一代の当たり役を務める。素材、それすなわち、愚鈍に一徹な暗い光を宿した瞳、土管のごとく異様に発達した頸囲である。KEI, 緑雨, けにろん, jollyjoker[投票(4)]
★4アジョシ(2010/韓国)百万遍も繰り返された物語、ほとんど神話である。ゆえに勢力図はむしろもっと単純でよい。代わりにウォンビンの遁世理由と卓越した暴力技術の因果関係を強化して、暴力への疑義を持たせたい。これでは簡単に強さを見せすぎである。が、『許されざる者』でなく『96時間』を目指すというのなら話は別だ。おーい粗茶, disjunctive, けにろん[投票(3)]
★3ハウス・ジャック・ビルト(2018/デンマーク=仏=独=スウェーデン)Jack第一の殺人の凶器がjackであるなど地口的な発想がハートウォーミングだ。「家」やら「地獄」やら、抽象観念を具体描写に変換する術に芸を凝らすことなく最短距離を突っ切りたがる猪突感も可笑しい。ラース・フォン・トリアーには確かに才能がある。ただしそれは四齣漫画作家に最も適した才能だろう。おーい粗茶, ゑぎ[投票(2)]
★3幸せなひとりぼっち(2015/スウェーデン)主人公にとっては望まざるものだったところの作中人物(自分に関係する人)の増殖ぶりが、取りも直さず映画の幸せとなる。回想場面に物語展開の負荷がかかりすぎるのはやはり厳しいが、奥さんの素敵造型で幾分か補償されている。あと、ねこ。このねこは好き勝手に振舞っているというよりも演技派ですね。irodori, jollyjoker, けにろん[投票(3)]
★3ドリーム(2016/米)概念としての「人種差別」「計算」が「遠方の手洗場」や「巨大黒板」「梯子」を用いてアクションに翻訳されるなど、題材の映画的鋳造にかけては模範解答を示している。宇宙飛行計画の最難関を「帰還」に据えた作劇は、科学的事実である以前にアメリカ映画の主題「帰宅」の変奏を視野に収める企みだろう。ロープブレーク, 緑雨, すやすや[投票(3)]
★3スラムドッグ$ミリオネア(2008/英)やっぱりダニー・ボイルには才能がない。というのは云い過ぎにしても、少なくとも映画勘の鈍さは明白だろう。『ミリオンズ』に続いて「顔面」の点で主演俳優の選択を決定的に誤っている。また、この程度のキャラクタや撮影では私は心を揺さぶられない。音楽の使い方もちょっと恥ずかしい。 [review]24, ゑぎ, るぱぱ, 山ちゃんほか18 名[投票(18)]
★3ホドロフスキーのサイコマジック(2019/仏)善き詐欺師ホドロフスキーの演出大全。生肉散布、南瓜粉砕、身体着色。サイコマジックは総じてお片付けが大変だ。「汚す」「散らかす」は概して文明人が厭う行為ゆえ癒しの糸口もある。などと云えば一理ありげに聞こえるが、同時に映画的演出でもある。こうも集成すると類型化の趨向が気遣わしくあれど。ぽんしゅう, ゑぎ[投票(2)]
★4リップヴァンウィンクルの花嫁(2016/日)ある種のファンタジーながら、物語はいたずらに現実らしさを踏み越えない範囲で運用されている。それにもかかわらず「長大な上映時間」だけでは説明のつかない(むろん、主因ではあるだろうが)得体知れずの著大なスケール感に圧される。このあたりの印象は安藤桃子0.5ミリ』と相通ずるものがある。 [review]週一本, けにろん, ペペロンチーノ[投票(3)]
★5ミツバチのささやき(1972/スペイン)たとえば、母親が自転車で駅に向かうところから列車の到着までを綴るカメラワークと「蒸気」の画面。「井戸の家」初登場カットのカメラポジション。ここまで映画の純度を高める作業に傾注すれば寡作になるのは必然だ。エリセの唯一の欠点は「映画」を知りすぎていることだろう。すべての風景に心を引き裂かれる。 [review]tredair, 緑雨, ゑぎ[投票(3)]
★3グラディエーター(2000/米)ショットの質よりショットの数で勝負する映画。しかし、その質にしても決してよいものがないではないのだ。にもかかわらず「あくまで俺は数で勝負するぜ!」という姿勢を崩さないリドリー・スコット。志が高いのやら低いのやら。 [review]irodori, jollyjoker, おーい粗茶, DSCH[投票(4)]
★3デッド・ドント・ダイ(2019/米)出演者のおおよそは把握したつもりで見に行ったが、エスター・バリントまで出ているなんて誰も教えてくれなかったじゃないか! 不覚にも『カーマイン・ストリート・ギター』を見逃した私にとっては本に久々の再会だ。不敵な表情の可愛らしさは『ストレンジャー・ザン・パラダイス』から変わっていない。 [review]ゑぎ, ナム太郎, ぽんしゅう, けにろん[投票(4)]
★5エル・スール −南−(1983/スペイン=仏)「窓」の作家としてのエリセ。最後の昼食シーンが「窓辺」の席で繰り広げられねばならないのは当然だ。なんと繊細な光の扱い! 全ショットの力の平均値は『ミツバチのささやき』を上回る。最高度の繊細さが「これ以外にはありえない」強靭な画面を生む。映画を駆動する「謎」も快い。最良の探偵映画のように。さず, 緑雨, chokobo, inaほか5 名[投票(5)]
★5冬冬の夏休み(1984/台湾)ホウ・シャオシェンの凄さを体感するにはこれを見るのが手っ取り早いだろう。演出による葛藤やもどかしさ、焦燥、さらには笑いの創出はキアロスタミを、冒頭卒業式シーンにおける望遠レンズでの空間把握などはカサヴェテスをそれぞれ想起させる。現代にも通用する八〇年代映画の最先端。まったくもって驚きの連続。 [review]irodori, 寒山拾得, , ケネスほか5 名[投票(5)]