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★4 | 名探偵ゴッド・アイ(2013/香港) | 確かに私は『盲探』を見に来たはずだったが、しかし今まさに上映されつつあるこれは東山紀之『喰いタン』のリメイクではないのか。という疑念が生まれてしまうほどジョニー・トーの食道楽ぶりはますます激しさを増し、ますます機能的でない(物語に回収されない)食事がますます映画を豊かに彩っている。 [review] | MSRkb | [投票(1)] |
★4 | ガントレット(1977/米) | 珠玉のラブストーリー。御都合主義の見本のような展開だが、イーストウッドの演出はそれを男の執念と愛の強さゆえのものとして語ることに成功している。豪快な物語を支えているのは画作りの繊細さと、イーストウッドとソンドラ・ロックの間に愛が育まれてゆくさまの描写の細やかさだ。 | 緑雨, DSCH, 淑 | [投票(3)] |
★4 | NINE(2009/米) | ダニエル・デイ=ルイスが(純粋にルックス的に)超格好いい。私は七女優と天秤にかけてもデイ=ルイスを取る。音楽は弱い。ニーノ・ロータがいればこれだって傑作風に見えたかも。とりあえず耳に残るのはパンチ力があるケイト・ハドソンの「シネマ・イタリアーノ」か。あと、ジュディ・デンチがいいことを云う。 [review] | プロキオン14, 緑雨, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★5 | メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(2005/米=仏) | 大傑作。トミー・リー・ジョーンズの卓越した演出力に疑問を挟む余地は微塵もない。クリス・メンゲスの撮影も特筆に値する美しさ。演技陣の活躍も目を瞠る。トミー・リー自身の演技からして的確かつ独創的で、彼のキャリア中ベストではないかと思わせるほど。 [review] | DSCH, 赤い戦車, shiono | [投票(3)] |
★3 | 華氏451(1966/英=仏) | SFというジャンル以上に撮影地・使用言語・撮影者ほかスタッフの異なりが非トリュフォー的世界の形成に与っている。ニコラス・ローグのカラー撮影は悪くないもののやはりアルメンドロスこそがベストとの確認もさせられる。一方トリュフォーらしい奇異なデクパージュも認められるが、ここでのそれは功を奏していない。 [review] | ナム太郎, 緑雨, Orpheus, ぽんしゅうほか6 名 | [投票(6)] |
★4 | バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985/米) | 観客と映画の共犯関係。 [review] | jollyjoker, DSCH, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★5 | ミリオンダラー・ベイビー(2004/米) | ミリオンダラー・ベイビー。なんと素敵な題だろうか。イーストウッドに抱きついたヒラリー・スワンクが見せる笑顔を思い浮かべながら「ミリオンダラー・ベイビー」と呟くだけで、私は涙を抑えられなくなる。 [review] | jollyjoker, shiono, 緑雨 | [投票(3)] |
★5 | サイコ(1960/米) | 忘れ去られた場としてのモーテルの、罪や穢れを「洗い流す」はずのシャワールームで起こる惨劇。目指されているのは恐怖の量ではなく、質だ。撮影・演技・音楽・編集・舞台・小道具、ヒッチコックの指揮の下それらすべてはひたすら恐怖の純度を高めるべく按配される。 [review] | DSCH, 緑雨, ダリア, けにろんほか5 名 | [投票(5)] |
★3 | マンハッタン無宿(1968/米) | クリント・イーストウッドの演技は本当にオモロ格好いい。このウォルト・クーガンというキャラクタのふてぶてしさはハリー・キャラハン以上かもしれない。こんな女性への対し方が認められるのはイーストウッドだけだ。 [review] | サイモン64, 緑雨, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★3 | ロープ(1948/米) | 特に見るべきはジェームズ・スチュアート-ジョン・ドール-ファーリー・グレンジャーの三角関係の描き方と照明へのこだわり(終盤、外のネオンによって室内が赤や緑に明滅する、など)。ヒッチコック作品中でも変態度は高いほうだと思う。 [review] | IN4MATION, junojuna | [投票(2)] |
★4 | フローズン・リバー(2008/米) | 国境映画の傑作。飽きもせず西部劇ばかり見ている身からすると、国境なるものは米墨間にあるばかりではないのだという当たり前すぎる事実に目を見開かされる。「保留地」と凍結により交通可能となった「河」を組込むことで、国境は二分化機能を超えた複雑な相貌を持つ。きわめて映画的な地理感覚。 [review] | 緑雨, jollyjoker | [投票(2)] |
★3 | 殺人の告白(2012/韓国) | 悔しいけど笑った。抱腹絶倒のふたつのカーアクション・シーンを主たる武器として、荒唐無稽な筋立てを胆力で完走する。パク・シフという人ではチョン・ジェヨンの向こうを張るには芸不足だが、物語展開はそれも見越している。私の好みを云えば、遺族会の暴走を促進して状況にもっと混沌を持ち込みたい。 | まー, けにろん | [投票(2)] |
★4 | ゼロ・グラビティ(2013/米) | 『スピード』『しあわせの隠れ場所』を凌駕する生涯の代表作を勝ち得たサンドラ・ブロックが一〇〇点に価するならば、私はジョージ・クルーニーに一二〇点を捧げたい。スクリューボール・コメディに由来するクルーニーの「饒舌」は、まとわりつく死(それは「宇宙」と名指される)に抗う全霊の身振りだ。 [review] | ナム太郎, おーい粗茶, セント, Orpheusほか7 名 | [投票(7)] |
★3 | サイド・エフェクト(2013/米) | 北野武『アウトレイジ』公開時の惹句「全員悪人」に倣ってこの映画を表するならば「全員下衆気味」といったところか。主人公兼探偵のジュード・ロウからして下衆気味ゆえ「お前が濡れ衣を着せられて破滅する結末を迎えたとしてもそれはそれで乙だが」と如来のごとき鷹揚な構えで眺めるのが風流人の嗜み。 [review] | Orpheus, じゃくりーぬ, けにろん | [投票(3)] |
★3 | R100(2013/日) | 彩度を落としてグレインを加えた安直なフィルムライク撮影には微笑を浮かべておくが、どうもこの脚本・演出家は長篇を構想する持久力に恵まれていない。中盤以降に強力なプロットツイストを施さねばならないという強迫観念を捨て、核心の着想だけをじっくり展開して八〇分弱の映画を目指したいところだ。 [review] | ぽんしゅう, サイモン64 | [投票(2)] |
★3 | オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜(2013/米) | 老齢にそぐわない頑健な肉体、殊に上半身の厚み。しかしいかんともしがたい身動きの鈍重さ。顔面には幾重にも深い皺が刻まれ、瞳は落ち窪んで一層小さい。それでもなお美しく輝く黄金色の頭髪。こんなことを想うのは私くらいかもしらないが、ロバート・レッドフォードのロジャー・ダルトリー化が著しい。 [review] | jollyjoker | [投票(1)] |
★3 | LUCY ルーシー(2014/仏) | 普通ならば脚本執筆もしくは撮影日程の消化において取り返しのつかないミステイクがあったとしか思えないうつけ映画であっても「これが演出家の構想通りに仕上がった結果なのかもしれない」と惑わせるあたり、さすがのリュック・ベッソン・クォリティだ。虐殺に対する無躊躇も一周回って先を行っている。 | ペペロンチーノ, けにろん | [投票(2)] |
★4 | サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009/米=カナダ) | ジョージ・A・ロメロの西部劇。西部劇の骨格・意匠にゾンビ状況を掛け合わせる作劇や、けれん味に溢れたゾンビ扱い(顔面発火! 乗馬!)も嬉しいが、クラシカルな画面造型と銃撃演出が突出して高水準だ。仮にゾンビが一体も出なくとも満足しただろうほどの演出力。シリーズでも『ゾンビ』に次ぐ傑作。 [review] | Sigenoriyuki, ExproZombiCreator, 赤い戦車 | [投票(3)] |
★3 | モンスターズ 地球外生命体(2010/英) | ジャンル的に振舞うことにはそれなりの効用があって、たとえばこれは怪獣物のふりをすることで、展開される恋愛譚が実際に施された演出以上に繊細に見える。そう思えばホイットニー・エイブルにはキャメロン・ディアスの面影が認められる。スクート・マクネイリーは脂の抜けたジャック・ニコルソンだが。 | Sigenoriyuki, けにろん | [投票(2)] |
★4 | 魚影の群れ(1983/日) | 気象現象(雨・風)や発光体(発炎筒・花火)をもって画面に活力を与える仕方の見事さ。とりわけ緒形拳が十朱幸代を追いかけるシーンの雨と風の強弱! 佐藤浩市死にかけシーンからの「緒形のとっくりセーター」「佐藤の血液」「屋台の提灯」という「赤」の連鎖にもぞくぞくする。力に溢れた映画という意味で、力作。 | ぽんしゅう, 寒山拾得, ゑぎ | [投票(3)] |