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★2アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン(2009/仏)美的感覚の特異なことは認めるが、私のそれとはあまりに懸け離れている。中心的被写体と背景の視覚的な均衡を欠いた画作りが気持ち悪い、など。また「痛み」の映画であるなら暴力演出にはもっと鋭さがほしい。サイコキラーの造型が紋切型に収まるのも退屈。男優らはやたら半裸に剥かれる。つまり、そういう映画である。わっこ[投票(1)]
★4世代(1955/ポーランド)シャープな黒白と一貫したアクション(所作)演出。満載された映画的な道具立てとトピック(「列車」「銃撃戦」「犬」「遊園地」「労働」「恋」「別れ」「成長」)。あるいは野心的な第一カットのカメラワーク。『めまい』を先取りしたかのような「階段」。政治のことなんぞ知らん。これは紛れもなく映画大好き青年でなくては撮れない映画だ。寒山拾得[投票(1)]
★4グッドフェローズ(1990/米)あまりに笑顔が醜いレイ・リオッタに業腹で「呪われよ」と念じていた私には落ち目になってゆく後半の展開のほうが俄然乗れる(リオッタもちょいジョニー・デップ似になる)。堂々と狂気を演じられたジョー・ペシは儲け役。同程度にキレてるのに常人のように振舞うロバート・デ・ニーロの地金の確かさも見直す。 [review]ぽんしゅう, ダリア, けにろん[投票(3)]
★3スーパー・チューズデー 正義を売った日(2011/米)今さらこんな話を得意気に語られてもスキャンダル性には乏しく、メロドラマと胸を張るには感情演出が脆弱に過ぎる。甘っちょろいなら甘っちょろいなりにもっとノワール感が欲しい。助演に徹したジョージ・クルーニーの位置取りは新鮮だが、製作者としての嗅覚には疑問符がつく。顔面アップ過多も裏目だ。chokobo, ぽんしゅう[投票(2)]
★5ソルト(2010/米)アンジェリーナ・ジョリーの超人オリンピック。アクションシーンの手ブレ撮影に「ロバート・エルスウィットにこんなことやらせるなよ」と拒否反応が出かかるが、よく見ればどのカットもとても丹念に撮られている。相変わらず性的すぎるジョリーさんの無心理アクション釣瓶打ちを存分に堪能する。 [review]Orpheus, moot, サイモン64, ぽんしゅうほか6 名[投票(6)]
★3パイレーツ・ロック(2009/英=独)思ったよりも六割増しで馬鹿映画。海賊ラジオ局を舞台とする必然性に乏しい挿話群はその連携においてもちぐはぐで、キャラクタの造型には深度が認められない。馬鹿すぎて幸福感が減じてもいる。しかし何とも人のよさそうな顔ばかりが並んでいてどうにも憎めない。友情がどうのと云われて鼻白まないのもそのためだ。 [review]Orpheus, chilidog, tkcrows, けにろん[投票(4)]
★4アンドレイ・ルブリョフ(1967/露)鐘造り少年こそが真に感動的なのだ。爪を噛みながら落ち着きなく歩き回り、巨大な不安に根拠なき矜持で立ち向かう。彼の一挙手一投足がテーマを推し進める。第二部冒頭のタタール人襲撃シーンは希代のアクション演出家タルコフスキー最良の仕事。黒白とカラーの使い分けはタルコフスキーで最も安直だが最も意義深い。赤い戦車, ina, ジョー・チップ[投票(3)]
★4クレイジーズ(2010/米)一九六四年に世界の終末を告げ知らせたヴェラ・リンの歌声は二〇一〇年ジョニー・キャッシュに引き継がれて映画は幕を開く。「また会いましょう」。個々の演出も手堅い。スモールタウン壊滅の絶望展開に夫婦の絆を彫り込むアメリカ映画の手捌き。川底の飛行機が『遊星よりの物体X』の氷中円盤を想わす。わっこ[投票(1)]
★4ミラーズ・クロッシング(1990/米)美術デニス・ガスナーと衣装リチャード・ホーナングの堅実な仕事によって大真面目なギャング映画のフォルムを保つ一方で、物語の推進力としてはジョン・タトゥーロのキャラクタを採用するあたりが現代的でありコーエン的なのだろう。ガブリエル・バーンアルバート・フィニーの微妙かつ絶妙に紋切型を回避した造型もよい。DSCH, chokobo, NOM, きわ[投票(4)]
★5鴛鴦歌合戦(1939/日)理想郷の映画。映画の理想郷。市川春代片岡千恵蔵ももちろん大好きだけど、このディック・ミネの造型がなければ映画はここまで愛すべきものにならない。とても敵役とは思えない愛しさ憎めなさ。一面に広がる和傘の幸福感も堪らない。服部富子も可愛いよ。幸せすぎて涙が止まらない。こんな世界に住んでみたい。水那岐, ナム太郎[投票(2)]
★5ダークナイト(2008/米)まったく見所を持っていないではないにせよアルチザンともアーティストとも云いがたい平凡な二流監督、などとノーランを侮っていたのは私ひとりではあるまいが、ここはもう率直かつ地に頭をこすりつけて謝りたい。ほんとごめんなさい。完全に打ちのめされた。まったく驚異的な画面造型力であり話術だ。 [review]ハム, まー, Orpheus, chokoboほか16 名[投票(16)]
★4ローラーガールズ・ダイアリー(2009/米)クリント・イーストウッドロバート・レッドフォードシルヴェスター・スタローンメル・ギブソンジュリー・デルピー。優秀な俳優は自動的に優秀な演出家になってしまうものなのだから、ドリュー・バリモアの初監督作に対する不安などはじめからない。アメリカ映画のド真ん中を行くふてぶてしい傑作。 [review]わっこ, べーたん, 赤い戦車, 天河屋ほか6 名[投票(6)]
★4私が、生きる肌(2011/スペイン)変態映画変態映画と世の民は盛んにこれをそう呼ぶらしい。なるほど変態映画である。しかり変態映画であると私も思う。ただの変態映画ではない。たいへんな変態映画であると云ってもよい。しかし今一度立ち止まって考えてみるに、これの何がそれほどまでに変態映画なのか。お話かしら。否。語り口である。 [review]わっこ, シーチキン, 緑雨[投票(3)]
★3ワルキューレ(2008/米=独)面白くなくもない。既知の結末に向かうほかない暗殺ミッション後の物語にあっても、演技演出とシーン転換の呼吸で緊張感の醸成・持続に成功している。また、このような内面を欠いた主人公を成立させることにかけてはトム・クルーズは当代随一だと再々々確認。ずらり並んだおっさん連の顔を味わう映画でもある。 [review]緑雨, けにろん, uko243, aguliiほか7 名[投票(7)]
★4ブラック・スワン(2010/米)何とまあ理路整然とした映画だろう。不可解な箇所、すなわち想像力の跳躍、つまり驚きはただのひとつもない。思いきり不遜に云えば、「鏡」の演出にしても「爪」や「皮膚」など身体的細部に偏執した演出にしても、すべて私のような素人でも思いつくものだ。ほとんど幼稚なまでに行儀のよい親切設計映画。 [review]Orpheus, 山ちゃん, ぽんしゅう, ぱーこほか8 名[投票(8)]
★3モンスターズクラブ(2011/日)シネスコである。このような低予算日本映画のシネスコ作品が近頃あったかしらと記憶を辿り返しても、『死にゆく妻との旅路』くらいしか即座には思い浮かばない。特筆すべきヴィジュアルを持ったシネスコ作『月光ノ仮面』にしても角川映画だから、P&Aを含む予算面でこれらと同列に扱うのは憚られがち。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4宮廷画家ゴヤは見た(2006/米=スペイン)全篇ニヤニヤが止まらない。同じくフォアマンのコスチューム・プレイである『アマデウス』の三倍は面白い。「二転三転する時代の趨勢」「ゴヤの聴力喪失」といった史実を貪欲に取り込んだヴォリウム満点の無謀な脚本を映画的面白さに落とし込む豪腕演出。撮影よし演技よし編集よし音楽よし。 [review]赤い戦車, disjunctive, ぐ〜たらだんな[投票(3)]
★5ビッグ・フィッシュ(2003/米)虚構らしいいいかげんさを嬉々として演じるユアン・マクレガーの風情がよい。女優たち(ジェシカ・ラングヘレナ・ボナム=カーターアリソン・ローマンヘイリー・アン・ネルソン)も皆すばらしい。 [review]DSCH, , ゑぎ, 緑雨ほか5 名[投票(5)]
★4ファウスト(2011/露)アレクサンドル・ソクーロフ式スラップスティック・コメディ。敢えて文学の話をすれば、印象はゲーテというよりもカフカに近い。「執拗なつきまとい」も「取っ組み合い」も優れてカフカ的モティーフで、きわめて明晰な各瞬間の描写がいつの間にか常人の理解を越えた論理展開を示している点もカフカ的だ。 [review]DSCH, けにろん, セント[投票(3)]
★4わたしを離さないで(2010/英=米)物語の出来事は舞台が英国である必然性を持たないが、この英国的なロケ地選定と色彩設計がただならぬ切なさを呼び出す。「生存者(生き残ってしまった者)」の主題も汲み取りたい。子供時代の語りは若干急ぎすぎか。三人の愛憎絡み合う腐れ縁についてはもっと丹念に挿話化して提示したほうが終盤で効く。赤い戦車[投票(1)]