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煽尼采さんの人気コメント: 投票数順(17/30)

人気コメント投票者
★5ミツバチのささやき(1972/スペイン)映画内映画としての『フランケンシュタイン』という構造。人造人間、機械仕掛けの奇蹟。現実の生命と、うたかたの幻影の曖昧な境界――。それはまさに、映画の事。息苦しいほどの、映画美の結晶体。光と影で構築された蜂の巣に閉じ込められる観客。 [review]tredair, かねぼう[投票(2)]
★3ラストキング・オブ・スコットランド(2006/英)「黒いジャイアン」とも呼ぶべき強引さと人懐っこさを兼ね備えたアミンの魅力爆発。フォレスト・ウィティカーの演技をもっともっと観ていたいと思える。主人公がお調子者の白人のボンボンという、まるで共感を呼ばない人物だというのもあるが。 [review]DSCH, CRIMSON[投票(2)]
★5鬼火(1963/仏)エリック・サティの、沈黙よりも静謐な音の響き。この映画に於ける映像の連なりもまた、その種の静けさを湛えている。「愛撫とは、この上なくそこに在るものを、不在として求める焦燥である」(E.レヴィナス)。届かない愛撫としての彷徨。 [review]けにろん, chokobo[投票(2)]
★4いつか読書する日(2004/日)早朝の、薄暗い藍に染まった町の色。牛乳瓶の鳴る音。自転車の回る車輪で円を描く橙色の光。導入部から観客を映画的な幸福感で包み込んでくれる。地味な作風のようでいて、画面は色彩の愉しみに充ちている。 [review]chokobo, ナム太郎[投票(2)]
★4ガス燈(1944/米)ガス燈の柔らかな灯りが照らすバーグマンの顔。この茫漠とした照明が、狂気と正気の定かならぬ事と一体となる。夜霧が更に灯りを茫洋とさせる街路の美しさも何もかも、ヒロインの不安と疑惑の息苦しさを表わし、観客の喉元を真綿で締め上げるように苛む。 [review]3819695, りかちゅ[投票(2)]
★5見えざる敵(1912/米)ギッシュ姉妹のデビュー作であり、まだ幼さの残るその可憐さは、鮮烈な印象を与える。モノクロームで映し出されたその華奢な美貌は、サイレントという事も加わって、人形のような、人間離れした美しさがある。また、三つの空間を繋ぐクロスカットも見事。 [review]ゑぎ, Sigenoriyuki[投票(2)]
★3炎のランナー(1981/英)様々な宗教や民族の意地が絡むオリンピック競技を、政治的にではなく、飽く迄も個々の選手の意志の闘いとして描いている点が好感触。競技の勝敗そのものよりも、断固とした意志をもってスタートを切るまでの過程に焦点を合わせた映画だと言えるだろう。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★3大統領の陰謀(1976/米)効果音やBGMも控えめで、事の発端となる事件の描かれ方さえ地味なのが、却って面白い。記者の仕事は、人から聞いて集めた些細な情報を繋ぎ合わせる地味な作業なのだと痛感。ディープスロートという超越的な存在によって初めてサスペンスとして成立している。 [review]けにろん, 死ぬまでシネマ[投票(2)]
★3刑事ジョン・ブック 目撃者(1985/米)ともかく、緩やかな編集のリズムが心地好い。原題の「witness」は「目撃者」の他に「…を経験する」の意味もあるらしく、実際、この映画のサスペンス的要素は、観客にジョン・ブックを通してアーミッシュの生き方を擬似体験させる為の仕掛けとも思える。 [review]ぽんしゅう, CRIMSON[投票(2)]
★3キネマの天地(1986/日)インテリ用語(?)である「映画」ではなく、大衆の慰めとなる「活動写真」の方へ。だが当のこの作品自体が余りにもベタなせいで、どこか自己弁護にも思えるのがやや難。新人女優に如何に演技を付けていくかの過程には惹き込まれる。りかちゅ, けにろん[投票(2)]
★4夕陽のギャングたち(1971/伊)クローズアップの、露悪的な破壊性から、抒情によって画面を埋め尽くす演出に至る、様々な効果。殆どシュールなまでのショットの数々。そして、ショットなるものを撹乱させる爆破と煙。しかし邦題の「夕陽」の印象、特に無し。 [review]赤い戦車, おーい粗茶[投票(2)]
★4アフリカの女王(1951/英=米)蒸気船の、カッカッカッカッ...と、力強いような、心許ないような音を絶えず鳴り響かせるエンジン音が、物語の通奏低音となる。メロドラマである事と冒険活劇である事とが完全に一致した秀作。 [review]ぽんしゅう, ジェリー[投票(2)]
★4大列車強盗(1903/米)舞台劇のような平板な構図と、遠近感を活かした優れた構図が、当然のように連なる生硬さには、やはり時代というものを感じはする。それにしても銃という物は、フレームの内と外の間に出来事を展開させる点では、優れた小道具(真似しちゃダメだけど)。 [review]けにろん, 赤い戦車[投票(2)]
★4赤ん坊の食事(1895/仏)このフィルムの「微笑ましさ」は、演じられる情景の微笑ましさのみならず、構図にも依る。フレームの外へ出ていく被写体がなく、左右に居る両親の視線も、画面の中心に居る赤ちゃんに向けて注がれている、という、赤ちゃん中心主義の構図。構図はドラマだ。ぽんしゅう, 3819695[投票(2)]
★3長江哀歌(2006/中国)全篇これ「間」の映画。ゆっくりと横移動するカメラワーク。繰り返される『壁の破壊』。大きな時間の流れの中で、移動と崩壊によって視界が開けていく、密やかな出来事の呼吸。河は、時間的・空間的隔たりを派生させながら、それ自身は悠々とただ流れ続ける。 [review]ルクレ, セント[投票(2)]
★3SF ボディ・スナッチャー(1978/米)視聴覚的な、肌を這うような不気味さの演出にはこだわりが感じられる。隣人が、或る日別人に見えてしまう、という精神病理学的な不安には、あまり興味が無さそうだ。 [review]MSRkb, ダリア[投票(2)]
★3サイドカーに犬(2007/日)少女期の薫を演じた松本花奈は成人後のミムラの面立ちと連続性があり、この細かいリアリティにまず好印象。控えめな少女の、相手を見つめる目に宿る訴求力。その彼女を輝かせる光の眩さは、ヨーコ(竹内結子)の存在そのもの。 [review]ぐ〜たらだんな, パッチ[投票(2)]
★4一瞬の夢(1997/中国=香港)人生の空虚さを埋める気さえ湧かないほど空虚なままに、雑然とした町を漂う青年。彼と何の接点も持とうとしないように流れる放送。映像と音とが、全く別の時間上を往く、この徹底的な空疎。だが映画的には、豊潤な色彩と時の密度に充たされている。 [review]ナム太郎, ぽんしゅう[投票(2)]
★3赤い風車(1952/英=米)絵画的かつ音楽的。シンクロする音と映像によって描かれる、シンクロし得ない二つの世界のもどかしさ。 [review]ジェリー, 3819695[投票(2)]
★58 1/2(1963/伊)「我々の心から唇へと上り来る詩句は、実は、記憶からやって来たものなのだ。(…)未来とは過去が人間の眼に見せる錯迷した相貌に過ぎない」(サルトルのマラルメ論草稿) [review]irodori, 寒山拾得[投票(2)]