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DSCHさんの人気コメント: 更新順(8/23)

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★5ビッグ・リボウスキ(1998/米)何故「ボウリング」なのか。いや、「ボウリング」でなければ語れない物語。「人間のコメディ」によって、「湾岸後」、「イラク」を予言した物語。怪作。 [review]サイモン64, SOAP, 3819695, けにろんほか5 名[投票(5)]
★4孤狼の血(2018/日)役所大先生の右も左もなぎ倒す全能感が次第にクセになり、戸惑う松坂との対比で黒い笑いのリズムを生む前半。キッタナイ役所大先生が大好きな私には最高のアイドル映画で、石橋御大との対峙など、願ってもない顔合わせが垂涎モノ。それでも、時代の中でこうあるしかない、汚れ承知の義だったという吐露と顛末も期待通りの絶対アイドル映画。 [review]けにろん[投票(1)]
★5ルパン三世 カリオストロの城(1979/日)感動して涙が出た、みたいなことは珍しくないのだが、痛快過ぎて涙が出た、というのは、私の乏しい映画経験の中からではこの作品の他にはにわかに思い出せない。「すり抜けながらかっさらえ!」とか、「人間にしちゃ、やるね」とか、犬とペンギンの戦いとか、タイムマシンの話ぐらい、か。 [review]ぽんしゅう, ナム太郎, ペンクロフ, けにろんほか5 名[投票(5)]
★4エイリアン:コヴェナント(2017/米=英)容赦ないグロはともかく、キーマンがちょっと他に例を見ないレベルで狂っており、このキレ振りは凄いとワクワクしながら見た。私のSF偏差値は全然高くないので詳しい方には序の口なのかもしれないが、手塚治虫が本気で病的な側面を晒したのに触れたような感触がある。 [review]袋のうさぎ[投票(1)]
★4インヒアレント・ヴァイス(2014/米)インヒアレント・ヴァイス、内在する欠陥。卵は割れる、船は沈む、国家は堕落する。中毒にしては治し、罪を犯しては贖罪する病魔。陽気に病んだ過渡期のアメリカ、象徴の迷路とクスリの酩酊の中で、それでも最後は明晰にドックは語りかける。「結局俺にはこれしかなかった。失われたり変質したりしたかもしれないが。で、あんたはどんな時代の、どんな愛を生きてんの?」実はセンチメンタルなPTAらしさが嬉しい一本。 [review]jollyjoker, けにろん, ペペロンチーノ, 週一本[投票(4)]
★5グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)「韓国的である」ことへの警戒フィルタを、「あまりにも韓国的である」直情によって見事に突破されたことを告白せねばならない。不条理を前に爆発する怒りはしかし更なる不条理に阻まれ、思い描いた威力を持って相手に届かない。このニヒリズムを前にしてこそ、想いを新たにする。「どんなに滑稽でも泣き叫び歯ぎしりしながら全力で家族を守れ」と。それは望むと望まざるに関わらず、意外な形で、しかし必ず世界を変えるのだ。 [review]おーい粗茶, 3819695, 寒山拾得, 袋のうさぎほか5 名[投票(5)]
★4帰ってきたヒトラー(2015/独)「ヒトラー」は既に身近だということよりも、SNS、YouTubeのメディア双方向性時代に、誰もが軽薄な「ゲッベルス」になり得るということの提示が、時勢を踏まえて優れているのではないか。 歴史的文脈も踏まえず「一理ある」とヒトラーに共鳴する悪意なき「発信者」の跳梁にゾッとさせられる。選んだ時にはもう遅い。歴史は既に死んだ、という暗い感慨が残る。 [review]YO--CHAN, 寒山拾得, シーチキン, ぽんしゅう[投票(4)]
★3ショーン・オブ・ザ・デッド(2004/英)ロメロ版を観ないと確信を持って言えないのだけど、「zから始まるアレ」と頑なに"zombie"の呼称を避けるのは、ロメロへの敬意と共に"living dead"という呼称が醸すイメージを重視するからだろう。「蘇った死体」、ではなく「死んだように生きる生者」。だからアポカリプス以前も以後も、世界はさほど変わらない。このコンセプトを踏まえた諧謔的な開幕と終幕は傑作。 [review]おーい粗茶[投票(1)]
★3ディパーテッド(2006/米)「ちょっと散歩に行ってくる」的風情で両手を血に染めて現れるニコルソン親父。ぶらり御大のトボケ顔や構図も相まって醸し出されるどす黒い笑い。この、血に退屈したキレキレ感には「有難や」と落涙して悦んだが、それ以外ほとんど印象に残っていない。テクは確かと思うが、「心」の面で突き抜けるものを感じない。もっとも、落下ショットは心技ともに傑出していたかもしれないが。 [review]おーい粗茶, ぽんしゅう[投票(2)]
★4タクシードライバー(1976/米)「あなたは歩く矛盾ね」。きれいはきたない、きたないはきれい・・・矛盾を平然と同居させるトラヴィスのグロテスクな「正義」。ネオンの色のように、内実をよそに、その評価は移り変わる。昼と夜、陰と陽、聖と邪、善と悪、いずれもどちらが「裏」でも「表」でもなく、不眠症の熱で潤んだ瞳の中で、ぐちゃぐちゃに混濁していく。その混沌は「街そのもの」でもある。 [review]3819695, ぽんしゅう, さず, jollyjokerほか6 名[投票(6)]
★4SUPER 8 スーパーエイト(2011/米)クソな大人の世界に純情で風穴を開け、ひょんな事件の破壊を経て再生に至り、少年達は大人になる。そして、世界はそこまでクソでもない。正直粗いが、コートニー&エルの突出が決定的で、マニュアル感から脱却。吸血もいいがメイクシーンのトキメキが最高でキュンキュンする。しかしタイトルの掘り下げは浅い。そこが悪い意味でスピルバーグ的。3819695, けにろん[投票(2)]
★4マジック・イン・ムーンライト(2014/米=英)厭世家が「恋」にとらわれるという掴みはベタでも、「恋は超常現象」とする語りが楽しく、ニーチェ信奉など細部とのギャップがいちいち可笑しい。撮影もノリノリで暖かい陽光の恋フィルタ全開、「超常現象」的マジカルビジョンを提示。何より「人生にはウソも必要でしょ?」という皮肉のない哲学の優しさが沁みる。主演は最高。ファースがベートーヴェン7番を勧める所が個人的にツボ。私も好きです。緑雨, ペペロンチーノ, ぽんしゅう, けにろん[投票(4)]
★4戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)「音」に生きるしかないシュピルマンの過敏な「耳」に寄り添って観れば、戦争は人間的な音が歪められ、拡大され、遮断され、最後には死滅する風景として捉えられる。音が死にゆく過程の描写は「恐怖のミュージカル」。そして、音が、つまり生命が死んだ世界に抗うように響く「最後の音楽」。この状況下で、打算に基づいて感動することなど出来やしない。 [review]おーい粗茶, ダリア, ぽんしゅう, 煽尼采ほか6 名[投票(6)]
★5仁義なき戦い 代理戦争(1973/日)混迷が深まれば深まるほど、その愚行に注がれるエネルギーの大きさのグロテスクが際立つ。何のためかも大義も忘れ、ひたすら騙し合い、殺しあう。何故そんなに一生懸命なのか。もはや無常感に己の道を振り返る暇もなく、行き場をなくしたエネルギーが連鎖爆発する。怒りや哀しみを通り越して命の浪費を楽しんでいるような情念の徹底を前に、人間って不思議な生き物だという感想が浮かんだ。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★3ファンタスティック・プラネット(1973/仏=チェコスロバキア)生態系の気色悪さや酷薄は先行する手塚先生の作品群(特に『火の鳥 宇宙編』)の二番煎じでしかないような気がするが、人間が「駆除」される(「虐殺」ではない)、というあっけらかんなテンションには開いた口が塞がらなくなる。圧倒的な力による排除はこういった滑稽さで表現されるほうがリアルなのかも。音楽が妙にオシャレ。寒山拾得, 3819695[投票(2)]
★2武器人間(2013/オランダ=米=チェコ)コンセプト画に唆られて観てしまったが、悉く悪い方向に予想を超えていく。冗談が真理を超える瞬間はない。ファウンド・フッテージの技法は演出・撮影下手の言い訳に過ぎず、クリーチャーも含め、まともなアクション演出はおよそ存在しないものと言っていい。もとよりZ級なので人造人間の悲哀など望むべくもない。この意味で、「フランケンシュタイン」を排した邦題は正解かもしれない。「ポッドマン」は哀しくて少し笑える。けにろん[投票(1)]
★2ドライヴ(2011/米)寡黙でカッコイイ、というよりもボーッとして愚鈍にすら見えるゴスリングに絶句。キャラのみならず彼を切り取るスローモーションや編集がまずい。で、こういう類型的キャラへの脱臼的批評性がある訳でもなく正攻法なのが苦しい。何度も街を俯瞰で撮りながら「街」を全く描けていないのもみみっちく、ジャンル的に致命的と思う。パールマンも不憫だが「マリガンは俺の嫁」的な戯言は一つ、弄しておきたい。かわいい。KEI, 3819695, jollyjoker[投票(3)]
★4不思議の国のアリス(1951/米)ブレインストーミング的に乱射されるキレた戯言が、突如ぞっとするようなフレーズを紡ぎ出す。「はじまりとおわりがひっついた〜」「生まれなかった日に乾杯!」etc。時計(理性?)を破壊するシーンの恐怖感が輪をかけて快感。もちろん原作の力だが、明るい狂騒演出に妥協なく徹して深淵をのぞきこむ、ディズニーの「ドラッグムービー力」の高さに感嘆。落下しながら「心配ないわ〜w」と手を振るアリスがクレイジーで萌える。寒山拾得[投票(1)]
★5ウエスタン(1969/米=伊)全てが是「演出」の映画。含意などほとんどどうでもいい。一つの頂点であることは間違いないだろう。圧倒的没入感。一種の自己陶酔映画の極致。これぞ娯楽映画。モリコーネの「演歌」は必聴。 [review]でん, けにろん, ペンクロフ, ぽんしゅうほか7 名[投票(7)]
★2ジョン・ウィック(2014/米=カナダ=中国)身の丈なりに生身で頑張るのが健気だが、物語が求める水準と乖離しており不憫。伝説などと大上段に振りかぶっているが「腕が落ちてね」なる台詞が笑えない冗談に。コレがレジェンドなら『ザ・レイド』の下っ端などは何と評されるべきか想像もつかない。機知も非情さも飢えも乏しく、デフォーすら盆暗に描く無礼と下着姿で狙われるキアヌ、字幕強調のセンスの悪さなど呆然ポイント多数。車を用いた「格闘戦」は若干新鮮。アブサン, けにろん[投票(2)]