姫田真佐久の映画ファンのコメント
寒山拾得のコメント |
死の街を逃れて(1952/日) | 第一級の厭戦映画。細部がリアルで胸に迫ってくる。とんでもない話だ、全く。 [review] | [投票(1)] | |
かぶりつき人生(1968/日) | コミマサ流のストリップとヒモのユルい話。何もかもことごとく突き抜けない徹底してインポテンツな映画。♪私の胸に住む 一匹の狐。 [review] | [投票] | |
濡れた欲情 特出し21人(1974/日) | 思いっ切り散漫にやろうという狙いは好ましいが決まらない。アングラ劇のパフォーマンスほか、ギャグが余り面白くないのがどうにもいけない。W主演が豪華。 | [投票] | |
その人は遠く(1963/日) | 美点は姫田キャメラ。全てのカットがブロマイド級な芦川いづみの顔をあえて映さない風呂場の窓越しの指切りが箆棒に美しい。 [review] | [投票] | |
赤線玉の井 ぬけられます(1974/日) | ロマンポルノ史上屈指の名シーンを三つも収めるヤケッパチ賛歌 [review] | [投票] | |
OL日記 牝猫の情事(1972/日) | シリアス・コメディ・サスペンスとジャンルはシーン毎に猫の目のように替わり収束は投げ出される。脚本レベルでは★1だが、殆ど即興で撮ったんだろうなあと思って観るとなかなかスリリングだった。中川梨絵がやたら妖艶。 [review] | [投票] | |
恋人たちは濡れた(1973/日) | 「二三発、やるか」と股間からギターを突き出す大江徹の清々しさよ。このムルソーはママンすら覚えていない。終盤の方向感覚を失った奔放なキャメラに恍惚とさせられる。 | [投票(1)] | |
悶絶!!どんでん返し(1977/日) | LGBTが日陰者を強いられた時代の産物。当時はもっぱらこういうコメディでしか表現されなかった世界だった。後世は本作をどう評価するのか。 [review] | [投票] | |
危いことなら銭になる(1962/日) | 無責任シリーズへの対抗企画だったのだろうが、カットを割るのも面倒なのかと疑わせる鈍重な演出が蔓延、愉しませてくれない凡作。下膨れの浅丘ルリ子の熱演のみ価値があり、不思議と彼女のギャグだけ面白い。交番前の駐車とか。 | [投票(2)] | |
太陽は狂ってる(1961/日) | 美点は撮影美術で、露出微妙に多めのカラーが埃っぽい街中をとても魅力的に捉えており、影の濃い夜も照明の技が冴えており、芦田邸から溝川抜けて逃げる二人を追いかけるアクションがとてもいい。 [review] | [投票] | |
美しい十代(1964/日) | 美点は風景描写で、工場裏の夕陽や橋の空が息を呑むほど美しい。日活が高レベルなのか、色彩計測の安藤庄平の手腕なのか。おそらく両方なんだろう。 [review] | [投票] | |
「エロ事師たち」より 人類学入門(1966/日) | 面白いのはエロ群像で、女子高生を所望する中村鴈治郎が最高。むっつり助平の役処を演じ続けた彼のキャリアでも多分一番振り切れている。体を「カダラ」と云い続けるミヤコ蝶々も傑作。 [review] | [投票(1)] | |
午前零時の出獄(1950/日) | それなりに面白いホンだが、時間の制約からか編集が淡泊でサクサク仕事をこなしているように見えてしまうし、そも岡田英次にヤクザ役は無茶だろう。初期姫田キャメラはまだ練習中の印象。 [review] | [投票] | |
月夜の傘(1955/日) | ご近所付き合いの由無し事を綴った良作。映画が「文化産業」として良作を求められた時代の穏やかな達成のひとつだろう。なによりオープンセットが素晴らしい。陽当たりのいい、真ん中に井戸のある、理想的な生活空間に見える。 [review] | [投票] | |
黒薔薇昇天(1975/日) | 義一さん原作のホノボノとした艶笑譚。タクシーで日傘をさす谷ナオミが可愛い。ゆるゆる進む観覧車が作品のノンビリしたリズムとマッチしていて絶妙。 | [投票] | |
神阪四郎の犯罪(1956/日) | 三流の裁判劇を闇雲に盛り上げる久松の箆棒な手腕。女優4人の演技合戦から女の怖さが滲み出る。 [review] | [投票] | |
日本列島(1965/日) | 謎解きではなく市井の丁寧な描写の積み重ねに眼目を置き、佐野浅夫らの悲劇を際立たせている。民藝の豪華布陣のなか芦川いづみ好演。姫田のキャメラも素晴らしい。 [review] | [投票(1)] | |
野性の証明(1978/日) | 中野良子と薬師丸ひろ子は私的に声が好きな二大女優。あの顔から何であの声が出るのか不思議。本編そっちのけで聞き惚れる。 [review] | [投票(5)] | |
宵待草(1974/日) | 活弁士伝、アナキスト伝、続『恋人たちは濡れた』、高橋洋子の喜劇版『少女ムシェット』。神代印の大正歌謡のもの凄いセレクト集で、細野晴臣の貢献もあるのだろうか、これだけでも価値高かろう。 [review] | [投票] | |
少女娼婦 けものみち(1980/日) | ミゾグチ系列のポップな画面に神代の鬼畜ぶりが噴出する。1980年に撮られるには余りにも時代遅れの異様さ。場末の焼肉屋で隣のヤクザに説教されたような。 [review] | [投票] | |
逆光線(1956/日) | 狭義の日活太陽族映画5本のひとつだがブルジョア子息の放蕩は関係なく、今こそ評価されるべき先駆的なフェニミズム作。現代的なジレンマがすでに提示されており、いろんな非難を受けて立つ北原三枝のなんと颯爽としていることか。 [review] | [投票] | |
経営学入門 ネオン太平記(1968/日) | ロマンポルノへ向けての決意表明のような続『人類学入門』で、引き続き小沢昭一はオレタチ社会の役に立っていると息巻き続ける。アルサロのバンドが下手糞に奏でる軍艦マーチが素晴らしい。 [review] | [投票] | |
四畳半襖の裏張り(1973/日) | 後は何してもいいんだろと万歳事件まで語る神代に好感度大。このメディア利用はジョン・レノンと同時代のスタンスだ。 [review] | [投票] | |
四畳半襖の裏張り しのび肌(1974/日) | 中沢洋の太鼓持ちの謡が抜群。太鼓持ちってオモロい、ドロンドンドンドンドンドン。弟子入りしたくなった。芹明香の倦怠感も全開、三味線で謡う軍歌が切ない。神代作品には俗謡が溢れている。カネフスキーは尊敬しているに違いない。 | [投票] | |
愛と死の記録(1966/日) | 好調蔵原の日活期後半は誠に神懸っている。センチにならざるを得ない題材をドライに物してしまった。広島ロケの借景がどれもいい。 [review] | [投票(2)] | |
果しなき欲望(1958/日) | 60年代の日活アクションの作劇の動機を凝縮したようなタイトルで、渡辺美佐子姐さんのエロ炸裂で邪まな男性客の歓心誘う演出も、時代を先取りしているというか何というか。 [review] | [投票(1)] | |
心と肉体の旅(1958/日) | 「もう貴女に会えない女になっちゃったの」みたいな、信じられないほど下らない転落メロドラマ。阿蘇山ででもロケしたら格好つくだろうぐらいの企画なんだろう。気障の極まった葉山良二の鼻孔の開き具合ばかりが気になった。 | [投票] | |
青春の蹉跌(1974/日) | 突然の芹明香の瞬発力が素晴らしい。本邦70年代のラリったフーテンを記録して永遠の価値があるだろう。道端で初対面の者の足に抱きついて「なあ、お金ちょうだい。100円でええからあ。くれる云うたやんかあ」1点加点。 [review] | [投票] | |
殺したのは誰だ(1957/日) | 『狼』に続く新藤の菅井一郎保険金ものでさらに煮詰まっており、殺したのは社会なんだが死の本能でもあるという含意がもの凄い。浜村純と殿山泰司の怪演極まる中平日活ノアール。 [review] | [投票(1)] | |
トラ トラ トラ!(1970/日=米) | 日本軍は終始ハイな田村高廣が奇怪な自慰映画に過ぎないが、米軍は緩慢対応に係る自虐連発で面白い。奇襲の零戦みて「安全規則違反だ」ほか。このフライシャー・パートだけ編集したら『キャッチ22』みたいな傑作ギャグ映画になるのではないだろうか。 [review] | [投票] | |
アフリカの光(1975/日) | 「話のない話」の奔放なタッチで萩原健一と田中邦衛のホモセクシャルが描かれ、傑作『恋人たちは濡れた』の続編のよう。ここでも姫田は最高である。 [review] | [投票(1)] | |
白い指の戯れ(1972/日) | 見事なラスト、シニカルなロジック。風呂場での乱痴気騒ぎの見事なこと。 [review] | [投票] | |
女を忘れろ(1959/日) | 藤原審爾原作のなかでは弱い作品だが、リアルタイムではイケていたのかも知れない。40年代のハリウッド・ノアールの主人公たちよりずっと子供っぽい旭。主題曲♪ダイスを転がせ〜は後年ストーンズがパクっている(嘘)。 [review] | [投票] | |
海から来た流れ者(1960/日) | 温泉掘削は撮る気ないし宍戸錠は単細胞だし筑紫久子はケバすぎるし葉山良二は下ぶくれだし、いい処なし。見処は三原山の火山描写と、冒頭の旭のギター早弾き。「おいら特別さ」と可愛い笑顔。 | [投票] | |
復讐するは我にあり(1979/日) | 「復讐するは我にあり」とくれば「アンナ・カレーニナ」。しかし制作者がこれを読んだ痕跡はどこにもなく。 [review] | [投票(3)] | |
豚と軍艦(1961/日) | 横須賀対川崎の地政学。三島雅夫は本当に豚に似ている。素敵な人選。 [review] | [投票] | |
その壁を砕け(1959/日) | それぞれのシークエンスをじっくり追いかける演出が本格的で引き込まれる緊迫感溢れた法廷もの。ただホンは結局凡。主題、配役ともWる4年後の『青春を返せ』の素晴らしさには遠い。 | [投票] | |
ええじゃないか(1981/日) | 映画学校の校長が先導した邦画暗黒の80年代の典型作。退屈、退屈、退屈の極み。こんなんでええんですか。 [review] | [投票(3)] |