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★4 | 街の灯(1931/米) | ベタベタな情に流されそうに見えて、やるべきとこでは意外なほどにスラプスティックしている。その醒めたバランス感覚こそがベタを押し通させるのだ。でなけりゃ半素人相手に何十回もリテイクを出せるだろうか。その冷徹こそが本物を産み出す。 | モノリス砥石, 3819695 | [投票(2)] |
★5 | 病院で死ぬということ(1993/日) | 死ぬということを描いた部分の抑えた台詞回しや固定カメラに作為を感じるとしても、この死にゆく者にしか感じ取れないと思わせる市井の風景や何気ない人々の営みの美くしさと愛おしさ。言葉で「生きろ」と言うより百万倍の効果がある。少なくとも俺には…。 | ナム太郎, ことは, セント | [投票(3)] |
★4 | 蜜の味(1961/英) | 彼女には境遇を外部と比較する余裕もない。マイノリティな世界での安息も許されない。ただ直面する現実には向き合い逃げない。子供達のささやかな花火を見て束の間のささやかな感動を胸に生きていくだけ。人生とはそんなものだと思う。 | tredair | [投票(1)] |
★4 | シリアナ(2005/米) | 少なくとも西欧原理主義的立脚点から脱しアラブの視座を挿入しようとするあたり成程『トラフィック』の脚本家らしい。9・11の本質的意味を考えさせられる。米帝国主義を撃つ侠気にこそ涙しよう。余りにソダバーグそっくりとしても…。 | ざいあす, ハム | [投票(2)] |
★3 | 女帝[エンペラー](2006/中国=香港) | 肝心のツィイーちゃんの心根の変遷が説明不足で何考えてるのかわからんのがつらいが、贅を尽くしたセット美と仮面舞踏などの異様なギミックが冴え見応えはある。クライマックスの畳みかける展開にも唸ったが成程シェークスピアでしたか…。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★5 | ヒポクラテスたち(1980/日) | 人は渦中から傍観者になり又再び渦中へと入って行かざるを得ない。甘酸っぱい追憶と茫漠たる不安に晒された青春。大森自身がその出口に立った臨場感こそが映画に真実を付与した。青さも含め持てるもの全てを投入した総力戦の趣に俺達は感動したのだ。 | ぽんしゅう, TOMIMORI | [投票(2)] |
★1 | マイ・ウェイ(1973/南アフリカ) | 強権的な親爺がシナトラのド演歌に乗って自己陶酔に浸る映画なのだが、凡庸な演出で何一つ美点も認められない。白豪主義国家のモラリズムの遺物ぶりを笑う前に、75年の興収でそこそこ人が入っちまう名誉白人国家ニッポンをも又笑え。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★4 | フラガール(2006/日) | 健康ランドでフラダンサーになったからって…と思うが、それさえ叶わぬ親友のことを思えば涙も出る。状況描写に説得力があり、そこしかないから的唯一の社交場の安食堂の鄙びた場末感が良い。ただ終盤が安易に予定調和。『リトル・ダンサー』との酷似も損。 | TOBBY, おーい粗茶, らーふる当番, Myurakz | [投票(4)] |
★3 | ブラザーズ・グリム(2005/米=チェコ) | 敢えて「グリム兄弟」と題したのにエッセンスとしてさえ介在ざれぬ「童話」。その時点で遣る気の無さが匂いたち退く。成功作『スリーピー・ホロウ』の記憶冷めやらぬ時期の同工異曲2番煎じゴシックホラー。唯一、高所感の表現には目を瞠った。 | おーい粗茶, デナ, ペパーミント, 水那岐 | [投票(4)] |
★3 | es [エス](2001/独) | アイデアは良く撮影もシャープだが、この映画の肝であり生命線であり、それを観る者に納得させ得ないと最後まで釈然としないであろう一線を越えてしまう瞬間の動機付けが弱い。女の存在も説明不足と言うより独りよがりとしか言えない。 | ナム太郎, わっこ, おーい粗茶, 鯖ほか5 名 | [投票(5)] |
★3 | 新・平家物語(1955/日) | ストーリーは一応見せはするものの、どうも壇ノ浦も義経も弁慶も出て来ないんじゃ詐欺だと言われても仕方ない気もする。ドラマチックじゃないから溝口らしいパッションの高揚は余り感じられない。大河ドラマの第1話だけといった趣は拭えない。 | セント, 水那岐, 直人 | [投票(3)] |
★3 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(1990/米) | これがシリーズのPART3でなかったら何の変哲も奇想も無い凡庸なてんで面白くもない物語が受け入れられただろうか。キャラはシリーズに負んぶに抱っこで3番煎じで出し殻。アイデア枯渇の果ての西部ネタには逃げの姿勢しか感じられない。 | Santa Monica | [投票(1)] |
★3 | 傷だらけの男たち(2006/香港) | アバンタイトルのパノラミックな構成には期待したものの、ラスト10分で一応は氷解するトニー・レオンを軸とした「男と女」と「男と男」の物語を引っ張るには矢張り構成上の難がある。ムードに流れセンチで押すだけなので重いだけで食い足りない。 | セント | [投票(1)] |
★4 | 主婦マリーがしたこと(1988/仏) | 堕胎幇助にせよ不倫にせよ誉められた行為とは思わないが、ここまで断罪される行為なのか?という時代に於ける倫理観の変遷をシャブロルは肯定も否定もしない。その冷徹なまでの視座。ユペールがクールに熱い。 | kaki | [投票(1)] |
★2 | 追憶(1973/米) | 真性女性映画とは、こういうのを言うのかも。嘗て相手の幸せを思い身を退くのは男だったが、軟派レッドフォードの為に身を退くのはバーブラの方。そして、それがバーブラだから成立し得るという皮相な2重構造が女性観客にとっての逃げ場を提供。 | デナ, ピロちゃんきゅ〜, yasuyon, 水那岐 | [投票(4)] |
★4 | ドラキュラ(1992/米) | 古典としての風格も無く尖った前衛があるわけでもない。全てに於いてそこそこなのだが、ふっきれてしまったかのような、お手軽な贅を尽くした虚仮威しとハッタリの釣瓶打ち。作家のそういう枯れ方は好ましい。 | りかちゅ | [投票(1)] |
★5 | 白い巨塔(1966/日) | 山崎原作の段階でエンターテインメントとしては完成され尽くしているのだから、ストーリーテラー山本が捌けば下手を打つ筈もないが、時代に裏打ちされた確信的とも言える役者たちのグルーヴ感が並ではない。恍惚なまでの至福と言う他ない。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★3 | トータル・フィアーズ(2002/米) | 現実はそんなものだとしても、世界の終末の到来を余りお手軽には描いて欲しくない。米も露も簡単にゴーサイン出しすぎ。それがジャック・ライアンの色恋に割かれた為ならバランス感覚の欠如と思う。その瞬間を爆風のみで処理したのも簡潔とは言え物足りない。 | りかちゅ, 死ぬまでシネマ, ごう, RED DANCERほか5 名 | [投票(5)] |
★3 | ファール・プレイ(1978/米) | ハリウッド王道のロマンティック・コメディ・スリラーだが、エレガンスが足りずもさく、スリルを醸すには下手で、ゴールディのコメディエンヌは買うがチェイスは鈍重な木偶の坊だ。ダドリー・ムーアの異常だけ突出している。 | chokobo | [投票(1)] |
★3 | 乱れ雲(1967/日) | 交通事故や補償といったリアルに同時代的な材料がひっかかる。もどかしいまでの切なさがシビアな現実に浸食されていく。何も古典的な浮世離れを信奉するわけでもないが、終止符を決定する材料も深淵とは言えない。 | 田原木, ぽんしゅう | [投票(2)] |