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水那岐さんの人気コメント: 更新順(9/83)

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★4ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019/米)時空間移動の唐突さに戸惑わされたが、ローナンの原稿持ち込みからはじまる本編のアイキャッチ能力はいまリメイクを行なった意義を訴えている。美貌だけではない姉妹の一喜一憂のインパクトと胸に迫る感情の強調。女性監督ならではのメッセージ性に嫌味が纏わりつかぬ処理は見事であり、姉妹の生き方は観衆の意識に太く刻まれる。「見せ場のデパート」とも言える演出の妙も評価の一因。ナム太郎, けにろん, ゑぎ[投票(3)]
★2プロメア(2019/日)中島かずき、行き詰まったか。全ては『キルラキル』『グレンラガン』の二番煎じだ。熱血バカの主人公、義理に篤く聡明なライバル。巨大ロボに乗って拳を交え合い、クライマックスには銀河を超えたハードSFな大風呂敷が待つのみだ。間断なき回り込みとパステルカラーの背景は、観客の目に相当な負担を強い続ける。スタッフには味つけの違う次回作を用意せねば、全員総倒れも大法螺の次元ではないだろう。ペンクロフ, pori[投票(2)]
★4希望のかなた(2017/フィンランド)作為をあえて「無作為の作為」のように装う必要はない。この作品もまた寓意の産物であり、人々は恥じることなくささやかな善意と己の正しさに従って行動している。右翼の行動もまた「悪意」に従ってブレることがないのは、これがカウリスマキの宇宙内のことだからだ。 [review]jollyjoker, けにろん, ゑぎ[投票(3)]
★4バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014/米)クリエイティヴな仕事につく者には、誰しも身につまされるところがあるのではないか。大衆の人気を受ける安易な仕事に慣れきるものの、「芸術」により近い困難な仕事を求めて傷つき、自滅するリーガン。これをバットマン俳優マイケル・キートンが演ずる皮肉は重い。バードマンの如く風を切って飛ぶ彼の満足の笑顔と、21世紀水準の特撮。ここには該当人物ならではの悲哀が脈打つ。 [review]カルヤ, セント[投票(2)]
★4ワイルド・ローズ(2018/英)玄人はだしの歌唱力がすっかり物語を包み込んでしまえたジェシー・バックリーだが、その才能が彼女の選択を疑わせる。ほんとうに「イエローブリックロードはここにもある」のか。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4ギャラクシー・クエスト(1999/米)あの日、あなた方はまさしく僕らのヒーローだったのだ。 [review]けにろん, Orpheus, FreeSize, カレルレンほか20 名[投票(20)]
★3フィラデルフィア物語(1940/米)ダイナ役のヴァージニア・ウィドラーのボーイッシュな乗馬パンツ姿が愛らしい。ついでに、おませででしゃばりなところも。ラブコメディとしては月並みで、ブルジョア臭さが鼻につき、人物も類型的。jollyjoker, わっこ[投票(2)]
★4夜は短し歩けよ乙女(2017/日)総ては森見登美彦の蘊蓄によりもたらされた快楽であり、その点を無視してはいけないのだろうが、俺の内部にあって湯浅版『DEVILMAN』の悦楽の裏で俺を遠ざけた拒絶感は、他ならぬ湯浅政明のこの佳作により瓦解したことはうなずけた。なるほど、これは湯浅作品の神髄だ。原作未読ではあるが、アニメの基本的なムーヴィングと蘊蓄に伴うプリミティブな楽しさにおいて、この料理人の腕なくして本作は成功しなかったろう。けにろん, おーい粗茶[投票(2)]
★4ホドロフスキーのサイコマジック(2019/仏)安っぽい新興宗教の頭目のように、ホドロフスキーは患者たちに嬉々として自慢の治療を繰り返し、自己の無謬を訴える。しかし、その作品群をなぞる肉体的治癒の方法論の怪しさは故意のものであろう。胡散臭い教祖も、難病の治癒を讃えさせるグロテスクさすら圧制者のいかがわしさに勝ることを知っている。これは国家への大いなる皮肉だ。民衆に寄り添う顔でその思想の芽を摘む者こそが「聖者」だ。ぽんしゅう[投票(1)]
★4トゥルー・グリット(2010/米)リメイク作ながら、充分に感じ取れるコーエン兄弟臭さ。各々登場人物の寓意たっぷりにカリカチュアライズされた性格は、ともすればマイナス要因としての性格づけにもなろうものの、描かれる人物像は軽重を問わず奇妙な存在感を伴い、ドラマ作りに大きく寄与する。 [review]irodori, DSCH, おーい粗茶, まーほか10 名[投票(10)]
★4彼女がその名を知らない鳥たち(2017/日)蒼井優はこの映画にあって徹底的に蒼井優自身である。ひねくれて男に当たる時も、濡れ場を重ねる中でも「そんなシチュエーションの蒼井優」である。だが、恐るべきことにはそれは全く魅力を損なう要因にはなっていない。「イヤな蒼井優」というチャームの塊なのである。演出の見事さもあるが、主となる見どころはそこに起因するものといって言い過ぎではない。 [review]ゑぎ, ぽんしゅう, けにろん, 寒山拾得[投票(4)]
★5独立愚連隊西へ(1960/日)フランキーの八路軍将校が泣かせる。敵にも好人物がおり、味方にも唾棄すべき俗物がいる。だからそこにドラマが生まれる。この当然の事実は同じ土を踏んだ兵隊同士にしか判らない。…それゆえ、戦争をシリアスにしか描けない臆病な日本映画界において、喜八は戦争喜劇の第一人者として記憶されてしまった。 [review]寒山拾得, おーい粗茶, 緑雨, 荒馬大介ほか6 名[投票(6)]
★3パターソン(2016/米)映画自体はスローな演出ながら、じわじわと効く持ち味が魅力的ではある。例えばゴルシフテ・ファラハニが実に輝いてみえるほか、有色人俳優の輝きは特筆に値するものがあるのだが、図らずも永瀬正敏の登場に一気に感興が冷める感覚を味わう。この物語が終わるために、ほんとうに彼は必要だったのか。 [review]週一本, , プロキオン14[投票(3)]
★3夜も昼も(1946/米)いかにも大味なダンス・ミュージカル。主人公と妻たち重要人物がナンバーの外にいるため、エモ-ショナルな曲が単なるお添え物に聞こえてしまう。ケイリー・グラントの端正なマスクはインテリであるポーターのイメージには合っているが、神経が細く面白みのない主人公を形作り、恋物語としては不似合いな役どころ。ゑぎ[投票(1)]
★5機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛(2006/日)仏の顔も三度バッグ。殴り心地がいいほどいい点数だ、完成おめでとう! [review]ロープブレーク, fedelio, Happy, 桂木京介ほか8 名[投票(8)]
★4少年(1969/日)アンドロメダ星雲からやって来た宇宙人は「正義の味方」である。つまり正義を行なう者の手助けをし、悪人や怪獣を倒すためにこの星に来ているのだ。だが、それを自分と重ね合わせて見る少年が「正義の人」が人を死に至らしめるのを見た時、「正義の味方」はどうすればいいのだろう? [review]ペンクロフ, 寒山拾得, sawa:38[投票(3)]
★5きみと、波にのれたら(2019/日)重い事実をもはらみながら、決してじめじめした停滞をよしとしない和風カートゥーンの爽やかさよ。そこここにご都合主義が転がっていても気づかせない、なんとも可愛らしく退廃に陥らない健やかさが、あえて若い世代に提示される事実は湯浅政明は彼らに絶望していないことを確信させる。アニメならではの絵の上の嘘も溢れており、実写の「代わり」ではないとの高らかな宣言を発するかのようだ。 [review]おーい粗茶[投票(1)]
★4スター誕生(1976/米)古風な筋立てで、ロックにはいささか似合わないにも関わらず、圧倒的なバーブラ・ストライサンドの歌唱力が全てを屹立せしめる。ジュディ・ガーランドもそうだが、アイドルではありえない素顔のインパクトが「スター」という存在に責任をもたらすのだ。このキャスティングは正しい。ゑぎ[投票(1)]
★3ミス・アメリカーナ(2020/米)沢田研二の政治発言が疎まれ、きゃりーぱみゅぱみゅの意見撤回が嘲笑われるコロナ禍渦中の日本は、今ますます「国民一丸となって」ある方向に突き進もうとしている。滑稽な対応を笑われる陰で「やりやすくなった」と本当に笑っている為政者は確実にいるだろう。作品はそれほど含みはないが、今のこの国の処方箋としてはうってつけ。寒山拾得, tkcrows[投票(2)]
★5セッション(2014/米)まさしく師弟が憎悪をむき出しに潰しあう、梶原一騎イズムの継承。これを狂気のぶつけ合いと片づけるのは全くもってつまらない。五感を駆使しての暴力の応酬が、なぜかカタルシスを生む結果に昇華されるラストは、スポ根のあやふやな効果をはるかに凌駕する稀有な体験。 [review]シーチキン, 狸の尻尾, けにろん, ざいあすほか7 名[投票(7)]