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★3雪の喪章(1967/日)残念ながら私の見たプリントはすでに退色により赤みが強くなりすぎており、色彩や照明に関して評価を下すことはできない。「雪」が画面と物語の基調をなすこの映画においては、その「白」の禍々しさこそが命であったはずだと思われるのだが。 [review]ジェリー[投票(1)]
★5ゾンビ(1978/米=伊)核となるのはゾンビ×ショッピングセンターというワンアイデアだが、それに肉付けをしていくアイデアの量が半端ではない膨大さで、これにはもうお手上げするしかない。まさかゾンビにパイ投げとは! [review]G31, クワドラAS, , Sigenoriyukiほか9 名[投票(9)]
★3RRR(2022/インド)「速い」と「遅い」、映画において面白いのはどちらか。当然「速い」である。速ければ速いほうがよいとまでは云わぬが、大概は遅いより速いほうが面白い。自らが撮った画面にスローモーションの氾濫を許してしまう演出家はそんなことも知らなかったのか。あるいは、まさか、面白さを目指していないのか。 [review]DSCH, disjunctive[投票(2)]
★4鏡(1975/露)私がタルコフスキーを好きになりきれないのは、彼がバリバリのアクション映画を撮る資質に恵まれていながらじゅうぶんにそれをしなかった、という点に尽きる。出版局シーンのカメラワークと人物の動かし方を見れば、そのアクション演出家としての腕のよさは瞭然である。それを認めないのは観客の怠慢でしかない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3白い恐怖(1945/米)ヒッチコックのフロイト趣味(「痕跡」に意味を見出す、ロマンティックな合理主義としての精神分析)が頂点に達した作品。はじめてのおつかいじゃあるまいに、たかが切符購入を一級のサスペンスにしてしまうなどの不遜演出も炸裂。夢シーンは映画史上絶後のイメージだが、ダリとしては普通というかあまりにダリ的か。モノリス砥石, 緑雨, Orpheus, けにろん[投票(4)]
★4愛しのローズマリー(2001/独=米)心の美しい人がいたとする。「映画」はそれをどのように表現できるのか。大きく括れば「観客の視聴覚に訴える」しかほかに方法はない。内面と外見の美醜は明確に連関を持つ。そこに「映画」の原理的な残酷さ・軽薄さ・いかがわしさが、そして感動さえもがある。『愛しのローズマリー』はそれに自覚的だ。 [review]モノリス砥石, 緑雨[投票(2)]
★4孤独な場所で(1950/米)夜間シーンの撮影が圧倒的にすばらしいのだが、「ハンフリー・ボガートが脚本家」という絶妙な加減で説得力を欠いた設定自体がまず面白い。いやあ、それにしてもこのボガートは本当に恐ろしい。ロバート・ミッチャム並みに恐ろしい。 [review]けにろん, 寒山拾得, Orpheus[投票(3)]
★4リトル・ミス・サンシャイン(2006/米)家族揃って黄色いミニバスを押す、という運動が物語を転がしていく。身体性と物語の全的な連関という意味において、正しくアクション映画だ。 [review]けにろん, りかちゅ, ナム太郎, muffler&silencer[消音装置]ほか6 名[投票(6)]
★4キートンの隣同士(1920/米)キートンの他の短編作品とは明らかに空間の捉え方が異なる。階段の撮り方・被写体との距離・斜めの構図・引きのハイアングルなど。その一部は「隣接する二住居の横断(的把握)」というこの映画の主題が要請するところのものであろう。また、驚愕の肩車から最終的には地下に至るという「高さ」の映画でもある。ゑぎ[投票(1)]
★4ロイ・ビーン(1972/米)アメリカ合衆国にあっては、西部劇に描かれる時代とギャング映画に描かれる時代、そして現代は途切れることのないひとつづきのものであるということがよく分かる。 [review]KEI, けにろん, Orpheus, 煽尼采ほか5 名[投票(5)]
★3呪いの家(1944/米)チャールズ・ラングの撮影・照明はさすがに目を惹き、幽霊特撮もよく適っている。崖や枯れ木も上々のムードだが、邸宅そのものはもっと露骨に禍々しくてもいい。ルイス・アレンの筋運びは少しく言語的に過ぎるか。全般的に云って、名画然とした格調高い仕上がりの反面で、鷹揚に構えすぎたきらいもある。 [review]ジェリー, 寒山拾得[投票(2)]
★3イル・ポスティーノ(1995/仏=伊)フランコ・ディ・ジャコモの撮影は悪くないし、物語に対して誠実なラドフォードの演出も好感が持てる。だが、ここではその誠実さが映画の面白さの敵となっている。 [review]ゑぎ, ぽんしゅう, NOM, けにろん[投票(4)]
★5ニンゲン合格(1998/日)まさか黒沢清の映画にこれほど涙させられるとは。安直に云えば「集合」と「別離」の映画ということになるだろう。 [review]ゑぎ, TOMIMORI[投票(2)]
★3光る眼(1995/米)集団失神の場が明確に地理的に(文字通りに!)線引きされるなど、やはり序盤の謎が面白い。不気味っ子の頭領が思ったことを全部口にするなど微笑ましい面も多いが、クリストファー・リーヴの切羽詰まった顔が状況の恐怖を最低限保証する。カースティ・アレイジーナ・ローランズ的ふてぶてしさもいい。 [review]tredair, HW, DSCH[投票(3)]
★4河内カルメン(1966/日)野川由美子! 完璧な美貌ながらそこに人を寄せつけぬ冷たさはなく、能動的かつ受動的な男性遍歴を経ても芯の人格的潔癖を失わず生来の明朗を保つ。演出家が溝口的/今村的な「女性性礼賛に裏付けられたサディズム」を欠くがゆえの魅力的な造型。あるいはそれがカルメン性か。たとえば『故郷に帰る』の高峰秀子も。 [review]ジェリー, ぽんしゅう, disjunctive, ほか8 名[投票(8)]
★5わが谷は緑なりき(1941/米)フォードの空。カリフォルニアに建設されたこの「ウェールズ」の空は、しかしカリフォルニアやウェールズといった固有名詞を超越して、ただ絶対的な「フォードの空」として私たちに迫ってくる。 [review]モノリス砥石, 緑雨[投票(2)]
★3バンクーバーの朝日(2014/日)象徴的なデフォルマシオンを施しつつも写実性を基調とした時代物のオープンセットは、現代日本映画としては同じく原田満生が手掛けた『許されざる者』と並んで傑作と云っていい(一方、写実よりもファンタジーに軸足を置いた国産オープンセットで優れていた近年の作は磯田典宏の『舞妓はレディ』です)。 [review]死ぬまでシネマ, けにろん, ぽんしゅう[投票(3)]
★4汚れなき祈り(2012/ルーマニア=仏=ベルギー)シチュエーション劇であるのと同等にはキャラクタ劇でもある。齧歯類を可愛らしく漫画化したようなコスミナ・ストラタンとルーマニアの片桐はいりことクリスティナ・フルトゥルの対照造型を非対等な同性愛的/母子的関係で結合した点に物語の動力源が潜む。普遍と特殊の按配をどう評価するかは悩ましい。 [review]ひゅうちゃん, けにろん[投票(2)]
★5お早よう(1959/日)全面的なオープンセットの使用によって、小津の幾何学的な空間構築はここで頂点を極める。 [review], 寒山拾得, 週一本[投票(3)]
★5ゲームの規則(1939/仏)無限に豊かな混沌。ひとつの画面で複数の物語が繰り広げられる、眩暈を覚えるほどの多重性。これもまた「世界」の映画だ。 [review]けにろん, モノリス砥石, 動物園のクマ, 寒山拾得[投票(4)]