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★5雨に唄えば(1952/米)ジーン・ケリーデビー・レイノルズドナルド・オコナーの和が生む魔法的幸福感。社長ミラード・ミッチェルも好ましい。むろん“Talkie Killed the Silent Star”という残酷譚でもあるが、ジーン・ヘイゲンの度量がその前景化を押しとどめる。同時に彼女は観客の同情を集めもするだろう。可愛げがあるからだ。 [review]モノリス砥石, ナム太郎, 緑雨, ぽんしゅうほか5 名[投票(5)]
★4君も出世ができる(1964/日)巻頭でのフランキー堺宅に仕掛けられた美術ギミックが面白い。またここに限らず、オフィスやラストシーンの荒れ地においての、空間の嘘臭さがハッピーなミュージカルに適合している。正直云ってこの堺はあまり好きになれないのだが(特に体型が……)、雪村いづみら女優の魅力がそれを救う。植木等も嬉しい。ぽんしゅう[投票(1)]
★4妻よ薔薇のやうに(1935/日)とても速い映画。高速ドリーに高速パン。たまげるほど速い切り返し。画面の切り替わりが音声のそれに先行したり、あるいはその逆の箇所もあったりする。画面設計もパワフルだ。登場人物の心理に重きを置いた物語であることは確かだが、演出がもたらす速さと力強さが映画にドライヴ感を与えている。藤原釜足の義太夫も無駄で面白い。けにろん, 若尾好き, ゑぎ[投票(3)]
★3地下鉄のザジ(1960/仏)オペラは踊る』の船室ギャグを例に引くまでもなく、画面内人物の常軌を逸した増殖ぶりが正調スラップスティック。コンティニュイティの原則を無視した「繋がらない」画面群でそれを語るのがヌーヴェルか。映画的だとは云わない。だが瞬間の快楽にのみ奉仕する着想に富む。でも退屈な映画。けど好きな映画。 [review]緑雨, ゑぎ, けにろん[投票(3)]
★4白人酋長(1922/米)昆虫採集に来ただけの男がなぜか悲劇に巻き込まれる、というプロットはまるで『砂の女』。ま、ぜんぜん違うんだけど。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3アド・アストラ(2019/米)冒頭、巨大アンテナ崩落のスペクタクルに大いに目を瞠る。推測の域を出るものではまったくないが、ディジタル描画班を下請け的に扱って丸投げしていては、このような画面造型は決して生まれないのではないか。確かな演出の意思が漲っている。無重力空間に漂う死体の姿勢にも何やらこだわりがありそうだ。 [review]緑雨, DSCH, けにろん[投票(3)]
★3雪の喪章(1967/日)残念ながら私の見たプリントはすでに退色により赤みが強くなりすぎており、色彩や照明に関して評価を下すことはできない。「雪」が画面と物語の基調をなすこの映画においては、その「白」の禍々しさこそが命であったはずだと思われるのだが。 [review]ジェリー[投票(1)]
★5ゾンビ(1978/米=伊)核となるのはゾンビ×ショッピングセンターというワンアイデアだが、それに肉付けをしていくアイデアの量が半端ではない膨大さで、これにはもうお手上げするしかない。まさかゾンビにパイ投げとは! [review]G31, クワドラAS, , Sigenoriyukiほか9 名[投票(9)]
★3RRR(2022/インド)「速い」と「遅い」、映画において面白いのはどちらか。当然「速い」である。速ければ速いほうがよいとまでは云わぬが、大概は遅いより速いほうが面白い。自らが撮った画面にスローモーションの氾濫を許してしまう演出家はそんなことも知らなかったのか。あるいは、まさか、面白さを目指していないのか。 [review]DSCH, disjunctive[投票(2)]
★4鏡(1975/露)私がタルコフスキーを好きになりきれないのは、彼がバリバリのアクション映画を撮る資質に恵まれていながらじゅうぶんにそれをしなかった、という点に尽きる。出版局シーンのカメラワークと人物の動かし方を見れば、そのアクション演出家としての腕のよさは瞭然である。それを認めないのは観客の怠慢でしかない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3白い恐怖(1945/米)ヒッチコックのフロイト趣味(「痕跡」に意味を見出す、ロマンティックな合理主義としての精神分析)が頂点に達した作品。はじめてのおつかいじゃあるまいに、たかが切符購入を一級のサスペンスにしてしまうなどの不遜演出も炸裂。夢シーンは映画史上絶後のイメージだが、ダリとしては普通というかあまりにダリ的か。モノリス砥石, 緑雨, Orpheus, けにろん[投票(4)]
★4愛しのローズマリー(2001/独=米)心の美しい人がいたとする。「映画」はそれをどのように表現できるのか。大きく括れば「観客の視聴覚に訴える」しかほかに方法はない。内面と外見の美醜は明確に連関を持つ。そこに「映画」の原理的な残酷さ・軽薄さ・いかがわしさが、そして感動さえもがある。『愛しのローズマリー』はそれに自覚的だ。 [review]モノリス砥石, 緑雨[投票(2)]
★4孤独な場所で(1950/米)夜間シーンの撮影が圧倒的にすばらしいのだが、「ハンフリー・ボガートが脚本家」という絶妙な加減で説得力を欠いた設定自体がまず面白い。いやあ、それにしてもこのボガートは本当に恐ろしい。ロバート・ミッチャム並みに恐ろしい。 [review]けにろん, 寒山拾得, Orpheus[投票(3)]
★4リトル・ミス・サンシャイン(2006/米)家族揃って黄色いミニバスを押す、という運動が物語を転がしていく。身体性と物語の全的な連関という意味において、正しくアクション映画だ。 [review]けにろん, りかちゅ, ナム太郎, muffler&silencer[消音装置]ほか6 名[投票(6)]
★4キートンの隣同士(1920/米)キートンの他の短編作品とは明らかに空間の捉え方が異なる。階段の撮り方・被写体との距離・斜めの構図・引きのハイアングルなど。その一部は「隣接する二住居の横断(的把握)」というこの映画の主題が要請するところのものであろう。また、驚愕の肩車から最終的には地下に至るという「高さ」の映画でもある。ゑぎ[投票(1)]
★4ロイ・ビーン(1972/米)アメリカ合衆国にあっては、西部劇に描かれる時代とギャング映画に描かれる時代、そして現代は途切れることのないひとつづきのものであるということがよく分かる。 [review]KEI, けにろん, Orpheus, 煽尼采ほか5 名[投票(5)]
★3呪いの家(1944/米)チャールズ・ラングの撮影・照明はさすがに目を惹き、幽霊特撮もよく適っている。崖や枯れ木も上々のムードだが、邸宅そのものはもっと露骨に禍々しくてもいい。ルイス・アレンの筋運びは少しく言語的に過ぎるか。全般的に云って、名画然とした格調高い仕上がりの反面で、鷹揚に構えすぎたきらいもある。 [review]ジェリー, 寒山拾得[投票(2)]
★3イル・ポスティーノ(1995/仏=伊)フランコ・ディ・ジャコモの撮影は悪くないし、物語に対して誠実なラドフォードの演出も好感が持てる。だが、ここではその誠実さが映画の面白さの敵となっている。 [review]ゑぎ, ぽんしゅう, NOM, けにろん[投票(4)]
★5ニンゲン合格(1998/日)まさか黒沢清の映画にこれほど涙させられるとは。安直に云えば「集合」と「別離」の映画ということになるだろう。 [review]ゑぎ, TOMIMORI[投票(2)]
★3光る眼(1995/米)集団失神の場が明確に地理的に(文字通りに!)線引きされるなど、やはり序盤の謎が面白い。不気味っ子の頭領が思ったことを全部口にするなど微笑ましい面も多いが、クリストファー・リーヴの切羽詰まった顔が状況の恐怖を最低限保証する。カースティ・アレイジーナ・ローランズ的ふてぶてしさもいい。 [review]tredair, HW, DSCH[投票(3)]