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★3ファースト・マン(2019/米)デイミアン・チャゼルには「作中人物が無個性・反魅力的造型に留まることなどお構いなしで自らの語りに邁進できる」という、どうにもありがたからぬ潔さというか作家性というかがある。「長女の早世」一点に立脚して心理的解釈を施したニール・アームストロングの業績を低温かつ微視的に語り切るのだが。 [review]irodori, ジョンケイ, disjunctive, ナム太郎ほか9 名[投票(9)]
★3アイアンマン(2008/米)ロバート・ダウニーJr.を配役した人が偉い。グウィネス・パルトロウもベリーキュートだ。画作りに創意は乏しく、そもそもこの題材なら徹底的にオフビート・コメディに仕立ててほしいところだが、屋上着地→ピアノ破壊→車破壊の呼吸、ゲリラをやっつけるアイアンマンのさまがほとんど弱いものいじめ、など面白い箇所も幾つか。おーい粗茶, DSCH, tkcrows, Myurakz[投票(4)]
★5友だちのうちはどこ?(1987/イラン)活劇の傑作。なのだけれども、キアロスタミはどうやって子供たちからここまでの演技を引き出したのだろうかと考えると、現場ではよほど精神的に追い詰める演出が行われていたということが容易に推測され、演出家とはかくも残酷でなければ務まらないのかと暗澹たる気分にもなる。 [review]動物園のクマ, jollyjoker, ゑぎ[投票(3)]
★4卍(1964/日)全篇フルスロットルの抱腹絶倒劇。増村保造にしては並みの出来でも、岸田今日子が掌を「光」の字で埋め尽くす件など、腹筋の酷使を強いられる箇所は枚挙困難だ。また、若尾文子による一点突破では飽き足らないのが増村の偉大なる貪欲で、ここでも川津祐介の乱入以降は怪人バトルロイヤルの様相を呈する。 [review]緑雨, disjunctive, けにろん[投票(3)]
★3モンティ・パイソン 人生狂想曲(1983/英)テリー・ギリアムの短篇がよい。言語的比喩(「保険会社が荒波に向けて船出する」)をそのまま実体化するという発想が「夢」の論理であり「映画」だ。夢と映画を弁別する術を私たちは持ちえない。爺さんアクションも単純に笑える。本篇はスケッチ集の域を出るものではないが精子ミュージカルなど楽しいパートも。ゑぎ, DSCH[投票(2)]
★4偉大なるアンバーソン家の人々(1942/米)異形の画面群がオーソドックスなはずのメロドラマ/没落劇に怪物じみた表象を与え、監督の意に沿わぬ度を越した物語的省略までもがなぜかそれに拍車をかけるという異常事態にたまげつつ、要所要所で場をさらうアグネス・ムーアヘッドにもびっくり。「自動車」の映画としても歴史に残る。KEI, shiono[投票(2)]
★5続 夕陽のガンマン 地獄の決斗(1966/伊)どえらい面白い。とりわけ墓地に到着してからは全ショットが途方もない面白さ。面白すぎて失神する。墓地を駆け回るイーライ・ウォラック(若干女走り気味)を捉えた望遠ショットの見事さよ! [review]jollyjoker, 週一本, , ナム太郎[投票(4)]
★4息もできない(2008/韓国)情緒的な、あまりに情緒的な。この規模の作品ならば英題も製作側の管理下にあったと勝手に推測するが、しかしこれは『勝手にしやがれ』では全然ない。キム・コッピヤン・イクチュンという「新しい」キャラクタを創造しながら、それを理解と共感の檻に閉じ込めてしまう志向の非-映画性がつまらない。 [review]ゑぎ, ナム太郎, DSCH, おーい粗茶ほか7 名[投票(7)]
★4イップ・マン 継承(2015/中国=香港)「時代劇と現代劇の中間に舞台を置き、成熟した人格を備えた妻帯者を演じる」などというのはドニー・イェンの作品歴において傍流に過ぎなかったはずだが、やはりこのシリーズこそ彼の代表作だろう。傑作『カンフー・ジャングル』の流れを汲み、ほとんど姉妹篇とも云えるが、クォリティも負けず劣らずだ。 [review], ペンクロフ[投票(2)]
★4プライベート・ライアン(1998/米)交戦直前のエディット・ピアフ流れる戦場、その倦怠と緊張の時間演出。スピルバーグはもう大人の演出家だ。一名の命を救うために八名が命を懸ける―その理不尽を単純な批難や賞賛を込めて撮っていれば済む時代では最早ない。現実の複雑を直にフィルムにうつしながら活劇に殉じる錯誤の様態。スピルバーグは現代の演出家だ。t3b, 赤い戦車, 緑雨, けにろん[投票(4)]
★4エルビス オン・ステージ(1970/米)エルヴィス・プレスリーが「映画」に相応しい肉体性の持ち主であり、その存在感だけで映画が成立してしまうのは当然だとしても、撮影もなかなかすばらしいじゃないか。と思ってクレジットを確認すると、なんと撮影はルシアン・バラード! [review]寒山拾得[投票(1)]
★4そこのみにて光輝く(2013/日)縦んば菅田将暉がおらなんだら如何ほど味気ない映画に成り果てていたかしらと、想像するだに怖ろしい。(演出意図の範疇とは云え)綾野剛のカラッポ男ぶりとは対照的に身の詰まったキャラクタリゼーションだ。近藤龍人は日本列島の光線とますます親密な関係を築き、北海道の暑気を首尾よく捉まえている。 [review]まりな, disjunctive, DSCH, jollyjokerほか13 名[投票(13)]
★4新感染 ファイナル・エクスプレス(2016/韓国)感染者たちが元気いっぱいでいい。オンorオフが明確な襲いっぷり(口ばくばく)は任天堂「スーパーマリオブラザーズ3」のワンワンを彷彿させる。「列車」はさすがに映画的舞台で嬉しいが、空間の活用度は満点に遠い。たとえばハドソン「チャレンジャー」一面のように屋上でもアクションを繰り広げたい。 [review]寒山拾得, 死ぬまでシネマ, おーい粗茶, ぽんしゅうほか6 名[投票(6)]
★4街の灯(1931/米)チャップリンの残酷さが最もよく現れた作品。 [review]irodori, づん, junojuna, 田原木ほか11 名[投票(11)]
★3夏の終り(2012/日)満島ひかりは存分に個性を発揮している。すなわち、小賢しさが猖獗を極めている。『海炭市叙景』『横道世之介』を経て近藤龍人の撮影が格調らしきものを備え出したとしても、愛すべき細部を与えられなかったキャラクタどもの痴話は見るに忍びない。抑制の効いた音楽、肌理細やかに設計された美術は優等。寒山拾得, セント[投票(2)]
★4あにいもうと(1953/日)作中人物たちの日常は熟れてほとんど終末的な退廃に接近しているかに見える。しかしそれは彼らにとってまさに日常であるのだから、彼らはそのことに気づきすらしない。一方でラストに限らず爽やかな空気が取り込まれてもいるのだが、その文字通り嘘のような爽やかさが却って怖ろしい。 [review]irodori, 煽尼采[投票(2)]
★4暗黒街(1927/米)小津その夜の妻』もこの映画の血を継いでいる。「夜」の艶が映画の生命だ。フォン・スタンバーグの演出はいささか技巧に走りすぎて少々厭らしくもあるのだが、いくつかの問答無用に傑出した画面の前にはひざまずくしかない。光つまりは影の操作。さらには空気の操作(羽根の舞うさま!)。 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得, ゑぎ[投票(3)]
★4愛の勝利を ムッソリーニを愛した女(2009/伊=仏)人並み外れた意志力を持ち、私たちが何気なく共有する正気/狂気の判別基準を無効化するヒロインたちは面差しにどこか似通った陰りを宿している。このジョヴァンナ・メッゾジョルノからは『チェンジリング』のアンジェリーナ・ジョリー、『裁かるゝジャンヌ』のルネ・ファルコネッティらが透けて見える。 [review]ゑぎ, ぽんしゅう[投票(2)]
★5最後の人(1924/独)云うまでもなく「回転」と「ドアー」はきわめて映画的な運動と細部であり、したがって巻頭第二カットをはじめとして独創的な撮り方で「回転ドアー」をフィーチュアしたこの映画はそれだけですばらしいのだが、それにとどまらず全カットが評言を加えてみたくなる、しかしそんなものはいっさい必要としない強い画面である。 [review]ぽんしゅう, 寒山拾得, KEI[投票(3)]
★4ルーキー(1990/米)イーストウッドの演出は露骨に凄味を感じさせることがない、という一段レヴェルの高い凄味を獲得しはじめている。 [review]緑雨, モノリス砥石, 赤い戦車, 太陽と戦慄ほか6 名[投票(6)]